なぜ僕たちはRogers LS2とJBL 4311Bを持っているのか

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ヴィンテージスピーカーだからじゃない

DIVERには、Rogers LS2とJBL 4311Bがあります。※他にもあるんですがメインはこの2台です。

どちらも、今の最新スピーカーではありません。

現代的な高解像度スピーカーでもない。
測定値だけで語るようなモニターでもない。
新品で簡単に買える現行機でもない。

でも、僕たちにとってこの2台はかなり重要です。

なぜか。

それは、ヴィンテージスピーカーが好きだから、だけではありません。

もちろん、好きです。

木の箱の鳴り方。
ユニットの表情。
音楽の出方。
現代のスピーカーとは違う、少し人間くさいところ。

そういう魅力はあります。

でもDIVERがこの2台を持っている理由は、もっとはっきりしています。

小さな部屋で、音楽が本当に鳴っているかを判断するためです。

asuu

「Rogers LS2とJBL 4311Bって、かなり性格が違いますよね。」

goさん

びっくりしますよね。性格が違いすぎて。

だから持っているんです。

同じ方向のスピーカーを何台も持っていても、部屋の違いは見えにくい。

僕は、繊細に鳴るスピーカーと、しっかり鳴らさないと成立しないスピーカーの両方で、部屋を見たいんです。


この2台は、DIVERの“基準器”です

Rogers LS2とJBL 4311Bは、DIVERにとって単なる試聴用スピーカーではありません。

どちらかといえば、基準器です。

部屋がどう鳴っているか。
スピーカーが鳴っているか。
低音が膨らんでいないか。
音像がにじんでいないか。
音楽が前に出ているか。
響きが死んでいないか。
音量を上げたときに部屋が破綻しないか。

そういうことを確認するための基準です。

asuu

「基準器って、測定器みたいな意味ですか?」

goさん

かなり近いです。

測定マイクや解析も使います。

でも、最後は音楽を聴きます。

そのときに、どういうスピーカーで確認するかはすごく大事です。

Rogers LS2で見えること。
JBL 4311Bで見えること。

それぞれ違うんです。


Rogers LS2で見ているもの

Rogers LS2は、小型のスピーカーです。

家庭で活かすことを意識したドメスティックシリーズの小型機として紹介されており、12.5cmウーファーとSEAS製1.9cmドームツイーターを搭載した2ウェイのバスレフ型スピーカーです。

このスピーカーで見たいのは、力任せの音ではありません。

声の自然さ。
音像の出方。
余韻の残り方。
小音量での音楽のまとまり。
部屋の硬さが音に出ていないか。
吸音しすぎて、音楽が痩せていないか。

そういう部分です。

Rogers LS2は、部屋が荒れていると、音が急に薄くなります。

ボーカルが前に出ない。
音像がぼやける。
余韻が短くなる。
音楽が小さくまとまりすぎる。
ただ優しいだけの音になる。

そういう違和感が出ます。

asuu

「Rogersって、部屋の空気感とか響きの残り方を見るのに向いている感じですか?」

goさん

そうですね。

Rogers LS2は、力で押してくるスピーカーではないので、部屋が悪いとごまかしにくい。

音楽の余白や、声の湿度や、音像の自然さが出るかどうか。

そこを見るのにすごくいいんです。


JBL 4311Bで見ているもの

一方で、JBL 4311Bはまったく違います。

JBL 4311Bは、JBLのControl Monitor系譜のスピーカーで、30cmウーファーを搭載した3ウェイ構成です。JBLの資料では、4311系はコントロールルーム、小規模スタジオ、ミックスダウン設備、放送モニターなどで求められる音量での広帯域再生に適したモニターとして説明されています。

このスピーカーで見たいのは、
スピーカーが本当に鳴っているか
です。

JBL 4311Bは、鳴らすと部屋の弱さが出ます。

低音が膨らむ。
床が鳴る。
壁が鳴る。
音像が大きくなりすぎる。
音量を上げると急にうるさい。
部屋がスピーカーに負ける。

こういうことがすぐ出ます。

asuu

「JBLは、部屋の限界を見る感じですか?」

goさん

かなりそうです。

音量を少し上げたときに、その部屋が受け止められるか。

スピーカーのエネルギーが、音楽として前に出るのか。
それとも、部屋の反射や低音や振動で崩れるのか。

そこが見えます。

JBL 4311Bは、部屋が弱いとすぐに“部屋の音”になります。

だからこそ、DIVERには必要なんです。


なぜ、性格の違う2台が必要なのか

DIVERが見たいのは、ひとつの正解ではありません。

小さな部屋で音楽を鳴らすには、いろいろな条件があります。

小音量でも音楽が痩せないこと。
音量を上げても部屋が破綻しないこと。
ボーカルが自然に立つこと。
低音が音楽の土台になること。
反射が音像をにじませないこと。
響きを殺しすぎないこと。
スピーカーの違いがちゃんと見えること。

これを1台のスピーカーだけで判断するのは難しいです。

Rogers LS2は、音楽の繊細なまとまりを見る。
JBL 4311Bは、部屋が音のエネルギーを受け止められるかを見る。

この2つは、役割が違います。

asuu

「片方は“音楽の質感”を見る。もう片方は“部屋の体力”を見る感じですね。」

goさん

うん、そうですね。

Rogersで良くても、JBLで崩れる部屋があります。
JBLで迫力があっても、Rogersで音楽が痩せる部屋もあります。

どちらかだけでは足りない。

小さな部屋で本当に音楽を鳴らすなら、
繊細さとエネルギーの両方を見たいんです。


小さな部屋では、スピーカーの差が出ないことがある

ここがDIVERにとってすごく大事です。

スピーカーを変えれば、音は変わる。

これは当然です。

でも、小さな部屋では、スピーカーの差が部屋に飲まれることがあります。

Rogersらしい柔らかさが出ない。
JBLらしい押し出しが、ただうるささになる。
同じように低音が膨らむ。
どちらで聴いても、ボーカルが前に出ない。
どちらで聴いても、音場が壁に張りつく。

この状態では、スピーカーを聴いているようで、実は部屋の癖を聴いています。

asuu

「スピーカーを変えても、結局同じ不満が残る状態ですね。」

goさん

そうです。

そのとき、僕はこう考えます。

スピーカーの問題なのか。
部屋の問題なのか。
音量の問題なのか。
セッティングの問題なのか。
防音や床の問題なのか。

それを分けて見る必要があります。


Rogersが鳴らない部屋

Rogers LS2がうまく鳴らない部屋では、音楽のニュアンスが出にくくなります。

声が薄い。
余韻が短い。
音が平面的。
小音量で音楽がしぼむ。
吸音しすぎて生命感がない。
音像の輪郭が曖昧。
部屋の硬さや近さが出る。

こういう状態です。

この場合、単純に音量を上げても解決しないことがあります。

むしろ、音量を上げると部屋の反射が目立って、余計に聴きにくくなることもあります。

goさん

Rogersで見たいのは、音楽が自然にほどけているかです。

小さな部屋でも、きちんと整うと、音量を無理に上げなくても音楽の気配が出ます。

でも、部屋が硬いと、Rogersの良さが出る前に、部屋の近さが勝ってしまう。


JBLが鳴らない部屋

JBL 4311Bがうまく鳴らない部屋では、別の問題が見えます。

低音が膨らむ。
中域が前に出すぎる。
音量を上げると急にうるさい。
床や壁が鳴る。
音像が大きくなりすぎる。
音楽が押し出される前に、部屋が騒ぎ出す。

これは、かなりわかりやすいです。

JBLは、部屋が受け止められないと、本当にすぐわかります。

asuu

「JBLはごまかせないんですね。」

goさん

ごまかせないですね。

部屋が弱いと、JBLはただ大きい音になります。

でも、部屋が整ってくると、音楽が前に出ます。

ベースが読める。
ドラムが立つ。
ボーカルが前に来る。
音量を上げても、うるささではなくエネルギーになる。

この差が見たいんです。


DIVERが見ているのは、機材の優劣ではない

Rogers LS2とJBL 4311B。

どちらが上か、という話ではありません。

どちらが正しいか、でもありません。

DIVERが見ているのは、機材の優劣ではなく、
部屋がそのスピーカーの個性を受け取れているか
です。

RogersにはRogersの鳴り方がある。
JBLにはJBLの鳴り方がある。

その違いが部屋の中で見えるか。

そこが大事です。

asuu

「スピーカーの個性がちゃんと出る部屋かどうかを見るんですね。」

goさん

そうです。

どのスピーカーを入れても同じような不満が残るなら、それは機材の問題だけではないかもしれません。

逆に、部屋が整ってくると、スピーカーの違いがちゃんと見えるようになります。

RogersはRogersとして鳴る。
JBLはJBLとして鳴る。

そういう部屋にしたいんです。


DIVERのListening Boothは、ショールームではない

DIVERにあるスピーカーは、見せるためだけのものではありません。

高級機を並べて、すごいでしょと言いたいわけでもない。
ヴィンテージ機材を飾って、雰囲気を作りたいだけでもない。

DIVERのListening Boothは、ショールームというより、
音楽が鳴る条件を体験する場所です。

小さな部屋で、スピーカーがどう鳴るのか。
反射がどう影響するのか。
音量を上げたときに部屋がどう反応するのか。
吸音しすぎると何が失われるのか。
KAIROSや設置で響きがどう変わるのか。
防音や床の条件が音にどう関わるのか。

それを実際に聴く場所です。

asuu

「DIVERが何を考えているかを、耳でわかる場所なんですね。」

goさん

そうです。

文章だけでは伝わらないことがあります。

“部屋が鳴る”とか、
“スピーカーが鳴っていない”とか、
“響きを殺さず整える”とか。

そういう言葉は、実際に聴くと一気に意味が変わります。


なぜ最新スピーカーではないのか

もちろん、現代のスピーカーにも素晴らしいものはたくさんあります。

解像度が高い。
歪みが少ない。
帯域が広い。
測定性能も優れている。
小型でも低音が出る。

それは本当にすごいことです。

でもDIVERでまず見たいのは、最新スペックではありません。

部屋で音楽が立ち上がるか。

そこです。

Rogers LS2とJBL 4311Bには、わかりやすい個性があります。

Rogersは、部屋が音楽の余白を殺していないかを見せてくれる。
JBLは、部屋が音のエネルギーを受け止められるかを見せてくれる。

この2台は、DIVERの考え方を説明するのにとても向いています。

asuu

「最新だから良い、古いから味がある、みたいな話ではないんですね。」

goさん

そうです。

僕たちはヴィンテージスピーカーを懐古趣味で置いているわけではありません。

この2台で聴くと、部屋の問題が見えやすいんです。

だから持っています。
まあ、多少は好きな部類ではありますが。


この2台が鳴る部屋は、強い

Rogers LS2が自然に鳴る。

小音量でも音楽が痩せない。
声が前に立つ。
余韻が残る。
部屋が硬すぎない。
響きが死んでいない。

JBL 4311Bがしっかり鳴る。

低音が膨らみすぎない。
音量を上げても部屋が破綻しない。
ドラムが立つ。
ベースが読める。
音がうるささではなくエネルギーになる。

この両方が成立する部屋は、かなり強いです。

asuu

「繊細にも鳴って、力も受け止められる部屋ですね。」

goさん

そうです。

DIVERが作りたいのは、そういう部屋です。

静かなだけの部屋ではない。
デッドなだけの部屋でもない。
派手に鳴るだけの部屋でもない。

小さな部屋でも、スピーカーが鳴り、部屋が応答し、音楽が身体に届く。

その状態を作りたい。


Rogers LS2とJBL 4311Bは、DIVERそのものに近い

二つのスピーカーはDIVERの中でかなり象徴的です。

Rogers LS2は、音楽の繊細さを見る。
JBL 4311Bは、音楽のエネルギーを見る。

一方は、響きが死んでいないかを教えてくれる。
もう一方は、部屋が音を受け止められるかを教えてくれる。

この2台の間に、DIVERが考えている音があります。

asuu

「DIVERって、Rogers的な繊細さも、JBL的な鳴りも、どっちも諦めたくないんですね。」

goさん

そうです。

小さな部屋だから、繊細な音だけで我慢する。
大きく鳴らすことを諦める。
吸音して整理するだけにする。

そうじゃないと思っています。

小さな部屋でも、スピーカーは鳴らせる。
部屋も鳴らせる。
でも、無秩序に鳴らすのではなく、音楽として鳴る条件を作る。

そのために、防音も音響も設計します。


だから僕たちは、この2台を持っている

Rogers LS2とJBL 4311Bを持っている理由。

それは、スピーカー自慢ではありません。

ヴィンテージ趣味だけでもありません。
インテリアとしてかっこいいからでもありません。

この2台があると、DIVERが何を見ているのかを説明できます。

小音量で音楽が痩せていないか。
音量を上げても部屋が破綻しないか。
スピーカーの個性が部屋に飲まれていないか。
低音が部屋を支配していないか。
響きを殺しすぎていないか。
防音や床や壁が、音楽を邪魔していないか。

それを確かめるために、僕たちはこの2台を持っています。

asuu

「つまり、RogersとJBLは、DIVERが考える“音楽が鳴る部屋”を確認するためのスピーカーなんですね。」

goさん

Rogersが鳴る。
JBLが鳴る。

そのどちらかではなく、両方を見たい。

小さな部屋で、音楽の繊細さとエネルギーの両方を成立させる。

それが、DIVERの仕事です。


DIVERは、スピーカーと部屋の関係を見ています

スピーカーを変えても、音が変わらない。
音量を上げると、急に部屋がうるさくなる。
低音が膨らむ。
ボーカルが前に出ない。
吸音すると、音楽が痩せる。
防音したのに、気持ちよく鳴らない。

そういう悩みは、機材だけでは解けないことがあります。

DIVERは、スピーカー単体ではなく、スピーカーと部屋の関係を見ています。

部屋がそのスピーカーを受け止められるか。
音量を上げたときに、部屋が破綻しないか。
響きが音楽として返ってくるか。
防音や床や壁が、音楽を支えているか。

そこまで含めて、音楽が鳴る空間を考えます。


まずはDIVERトップページで、音の悩みを整理できます

Rogers LS2とJBL 4311Bの話は、ただのスピーカー紹介ではありません。

小さな部屋で音楽を鳴らすには、
スピーカー、部屋、低音、反射、防音、床、架台、音量がすべて関係します。

DIVERトップページでは、小さなオーディオルームや音楽室で起きやすい悩みを、テーマ別に整理しています。

DIVERは、ただオーディオ機材を紹介するサイトではありません。

小さな部屋で音楽を鳴らすために、
防音設計・音響設計・低音制御・反射設計・スピーカー設置まで一体で考える専門家として、記事や設計を行っています。


Listening Boothで、DIVERの音を聴く

DIVERの考え方は、文章だけでは伝わりにくい部分があります。

Rogers LS2がどう鳴るか。
JBL 4311Bがどう鳴るか。
小さな部屋で、スピーカーが本当に鳴るとはどういうことか。
響きを殺さず整えるとはどういうことか。
音量を上げても部屋が破綻しないとはどういうことか。

これは、実際に聴くとかなりわかりやすいです。

DIVERでは、Listening Boothを通して、
小さな部屋で音楽が鳴る感覚を体験してもらえるようにしています。


防音音響設計について相談する

今のスピーカーが鳴っていない気がする。
スピーカーを変えても不満が残る。
低音が膨らむ。
音量を上げると部屋がうるさい。
防音も必要かもしれない。
でも、音が死んだ部屋にはしたくない。

そう感じる場合は、機材だけでなく、部屋との関係を見た方がいいです。

DIVERでは、スピーカー、部屋、防音、音響、低音、反射、設置まで含めて、
音楽が鳴る条件を一緒に考えます。


ちなみに僕はJBL4311Bの音にやられてる方です。

この記事を書いた人

goさん / DIVER
建築士・音響デザイナー・オーディオフリーク。
小さな部屋でスピーカーと部屋が本当に鳴る空間をつくるために、DIVERを運営しています。
DIVERでは、防音・音響設計・スピーカーセッティング・低音対策を分けて考えず、部屋全体で「音楽が鳴る条件」を整理します。
このブログでは、6畳のような小さなオーディオルームで起きる低音、反射、吸音、防音、スピーカーサイズの悩みを、goさんの実体験と建築音響の視点から解説しています。
記事を読んでも自分の部屋で何が起きているかわからないときは、リスニングブースでコーヒーを飲みながら、音の話をしましょう。

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