僕たちは、なぜリスニングブースを作ったのか

僕たちは、なぜリスニングブースを作ったのか

DIVERには、リスニングブースがあります。

ただスピーカーを置いた部屋ではありません。

高級オーディオを並べたショールームでもない。
機材を聴き比べるためだけの試聴室でもない。
かっこいい空間を見せるためのモデルルームでもありません。

僕たちがリスニングブースを作った理由は、もっとはっきりしています。

小さな部屋で、スピーカーと部屋が本当に鳴るとはどういうことか。

それを、実際に聴いてもらうためです。

音響設計。
防音設計。
低音制御。
初期反射。
吸音。
KAIROS。
スピーカーセッティング。

これらは、言葉で説明できます。

でも、文章だけではどうしても届きにくいことがあります。

「スピーカーが鳴る」
「部屋が鳴る」
「響きを殺さず整える」
「音量を上げても部屋が破綻しない」

こういう言葉は、読んだだけでは少し抽象的です。

でも、実際に聴くと一瞬でわかることがあります。

asuu

「DIVERのリスニングブースって、ショールームとは違うんですか?」

goさん

違いますね。

ショールームというより、DIVERが考えていることを耳で確認する場所です。

スピーカーを売るための場所ではなく、
小さな部屋で音楽が鳴る条件を体験してもらう場所です。


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文章だけでは伝わらない音がある

DIVERでは、小さな部屋の音についてたくさん話しています。

6畳の部屋では、なぜ音が整いにくいのか。
スピーカーを変えても、なぜ音が変わらないことがあるのか。
吸音すると、なぜ音楽が痩せることがあるのか。
防音すると、なぜ音が良くなるとは限らないのか。
低音は、なぜ小さな部屋でボワつくのか。

こうしたことは、文章で説明できます。

でも、音は最終的には聴くものです。

「直接音を成立させる」と言われても、実際に聴かなければ感覚として掴みにくい。
「初期反射が早すぎる」と言われても、自分の部屋で何が起きているのかはわかりにくい。
「響きを殺さず整える」と言われても、吸音で整えることと何が違うのか、文章だけでは伝わりにくい。

asuu

「たしかに、“部屋が鳴る”って言葉だけだと、反響しているのと何が違うのか分かりにくいです。」

goさん

そうなんです。

でも、実際に聴くとわかることがあります。

あ、音が前に出るってこういうことか。
低音が多いのと、低音が締まるのは違うんだ。
吸音しすぎると、本当に音楽が痩せるんだ。
部屋が整うと、スピーカーの個性が見えるんだ。

そういう体験のために、リスニングブースを作りました。


リスニングブースは、DIVERの考え方を耳で確認する場所

DIVERのリスニングブースは、機材自慢のための場所ではありません。

このスピーカーがすごい。
このアンプがすごい。
このアクセサリーを入れれば音が変わる。

そういう話をしたいわけではありません。

もちろん、機材は大切です。
スピーカーの個性もあります。
アンプとの相性もあります。
セッティングで音は変わります。

でもDIVERが見ているのは、機材単体ではありません。

スピーカーと部屋の関係です。

同じスピーカーでも、部屋が変われば音は変わります。
同じ部屋でも、スピーカー位置が変われば音は変わります。
音量を上げると、それまで隠れていた低音や反射や床の弱さが見えてきます。

リスニングブースでは、そこを聴いてほしい。

スピーカーがどう鳴るか。
部屋がどう応答するか。
低音がどう支えるか。
反射が音像を邪魔していないか。
響きが死んでいないか。
音量を上げたときに、部屋が破綻していないか。

DIVERが考えていることを、耳で確認する場所です。
※防音施工は施していません。


Rogers LS2で聴く、音楽の繊細さ

リスニングブースには、Rogers LS2があります。

このスピーカーで聴きたいのは、力任せの音ではありません。

声の自然さ。
音像の出方。
余韻の残り方。
小音量での音楽のまとまり。
響きの死んでいなさ。
部屋の硬さが音に出ていないか。

そういう部分です。

Rogers LS2は、音楽の細かい表情を見せてくれます。

でも、部屋が悪いと、その良さは簡単に消えます。

ボーカルが前に出ない。
音像がぼやける。
余韻が短くなる。
音楽が小さくまとまりすぎる。
吸音しすぎて、生命感がなくなる。

そういう違和感が出ます。

asuu

「Rogersでは、部屋の響きや余白がちゃんと残っているかを見る感じですか?」

goさん

そうですね。

Rogersは力で押してくるスピーカーではありません。

だからこそ、部屋が硬いとすぐわかる。
吸音しすぎるとすぐわかる。
音楽の余白が消えていると、すぐに痩せて聴こえる。

小さな部屋で、繊細な音楽がちゃんと立ち上がるか。

そこを見るために、とても大事なスピーカーです。


JBL 4311Bで聴く、部屋の体力

一方で、JBL 4311Bはまったく違います。

JBL 4311Bで見たいのは、
部屋が音のエネルギーを受け止められるか
です。

音量を少し上げる。
ドラムが立つ。
ベースが出る。
ボーカルが前に来る。
スピーカーのエネルギーが部屋に放たれる。

そのときに、部屋がどう反応するか。

低音が膨らむのか。
床が鳴るのか。
壁が鳴るのか。
音像が大きくなりすぎるのか。
うるささになるのか。
音楽のエネルギーになるのか。

ここが見えます。

asuu

「JBLは、部屋がスピーカーに負けていないかを見るんですね。」

goさん

かなりそうです。

JBLはごまかしにくいです。

部屋が弱いと、ただ大きい音になります。
低音が膨らむ。
中域が張る。
音量を上げると疲れる。
部屋がスピーカーに負ける。

でも、部屋が整ってくると、音が前に出ます。

うるさいのではなく、音楽のエネルギーとして出てくる。

その差を聴いてほしいんです。


繊細さとエネルギー、その両方を見る

Rogers LS2とJBL 4311Bは、性格がかなり違います。

Rogers LS2では、音楽の繊細さを見る。
JBL 4311Bでは、部屋の体力を見る。

一方は、余韻や声の自然さを教えてくれる。
もう一方は、部屋が音のエネルギーを受け止められるかを教えてくれる。

DIVERが作りたいのは、どちらか一方だけの部屋ではありません。

繊細だけど、力がない部屋でもない。
迫力はあるけれど、うるさい部屋でもない。
吸音で整っているけれど、音楽が痩せた部屋でもない。
音量は出るけれど、低音が暴れる部屋でもない。

小さな部屋でも、
繊細さとエネルギーの両方が成立する部屋
を作りたい。

asuu

「Rogersが鳴る部屋。JBLも鳴る部屋。その両方を目指しているんですね。」

goさん

そうです。

小さな部屋だから、繊細な音だけで我慢する。
音量を上げることを諦める。
吸音して整理するだけにする。

そうではないと思っています。

小さな部屋でも、スピーカーは鳴らせる。
部屋も応答させられる。
でも、無秩序に鳴らすのではなく、音楽として鳴る条件を作る。

そのためにリスニングブースがあります。


KAIROSで聴く、響きを殺さず整えるということ

リスニングブースでは、KAIROSの考え方も体験できます。

KAIROSは、単なる吸音材ではありません。

反射を吸って、部屋をデッドにするためだけのものではない。
壁に貼る装飾パネルでもない。
一般的な拡散体とも少し違います。

小さな部屋では、反射が早く返りすぎます。

スピーカーから出た音が、壁に当たり、すぐ耳へ戻ってくる。
その反射が強いと、音像がにじみます。
音が壁に張りつきます。
音量を上げると疲れます。

だからといって、全部吸ってしまうと、響きや厚みまで失われます。

KAIROSは、その間を考えるためのものです。

強い反射をそのまま返さない。
でも、響きを殺しすぎない。
音のエネルギーを、時間方向へほどく。
直接音の後ろに、音楽として成立する響きを残す。

asuu

「吸音で消すのとは違う整い方を聴けるんですね。」

goさん

そうです。

これは文章だけだと少し難しく聞こえると思います。

でも、実際に聴くとわかることがあります。

あ、響きが残っているのに、うるさくない。
音が死んでいないのに、反射の硬さが減っている。
直接音の後ろに、音楽としての空間がある。

それを体験してもらう場所でもあります。


音量を上げたときに、部屋の本当の問題が見える

DIVERでは、音量の話を大切にしています。

多くの人は、かなり小さい音で音楽を聴いています。

小音量で楽しむこと自体は悪くありません。
夜に聴くこともあります。
家族や近隣への配慮もあります。

ただ、スピーカーの実力や部屋の問題を見るには、小さすぎる音量では見えにくいことがあります。

音量を上げると、隠れていた問題が出ます。

低音が膨らむ。
床が鳴る。
壁が鳴る。
反射が耳に近くなる。
定位が崩れる。
部屋が急にうるさくなる。

これは、悪いことだけではありません。

むしろ、部屋の本当の状態が見えてきたということです。

asuu

「小さい音では気づかなかった問題が、鳴らしたときに出てくるんですね。」

goさん

そうですね。

スピーカーを本当に鳴らしたときに、部屋がどう応答するか。

そこを見たいんです。

リスニングブースでは、ただ小さくきれいに聴かせるのではなく、
小さな部屋で音楽が立ち上がる音量感も体験してもらいたいと思っています。

たまに壁が揺れるくらいまで音を鳴らしていますね。
防音をしていないから壁が共振してしまうんですよね。ですが、そういった状況でも音に包まれる体験をできるように反射経路をデザインしています。


防音音響設計の相談前に、聴いてほしい理由

防音や音響の相談は、どうしても言葉が先になります。

低音が気になる。
音量を上げたい。
防音したい。
吸音したら音が死ぬのが怖い。
スピーカーを変えても音が変わらない。
部屋が狭くて、どうすればいいかわからない。

でも、その悩みの奥にあるものは、人によって違います。

本当に低音が足りないのか。
低音が膨らんでいるのか。
音量を上げられていないのか。
直接音が届いていないのか。
反射が早すぎるのか。
部屋が鳴りすぎているのか。
逆に吸音しすぎているのか。

リスニングブースで一度聴くと、相談の解像度が上がります。

「こういう鳴り方にしたい」
「自分の部屋にはこの前に出る感じがない」
「低音が多いんじゃなくて、止まっていないのかもしれない」
「防音だけではなく音響も必要なんだ」
「吸音で消すのではなく、響きを整えるという意味がわかった」

こういう整理がしやすくなります。

asuu

「聴いてから相談すると、自分の悩みも言葉にしやすくなりそうです。」

goさん

そうですね。

“良い音にしたい”だけだと、相談が広すぎます。

でも、リスニングブースで体験すると、
自分の部屋に足りないものが少し見えてくる。

それは相談のスタートとして、とても大きいです。


リスニングブースは、DIVERの思想を体験する場所

DIVERは、音響設計と防音設計を分けて考えません。

音を止めること。
音を整えること。
音楽を鳴らすこと。

この3つはつながっています。

防音で音量を出せるようにする。
音響設計で直接音と反射を整える。
低音を制御する。
吸音しすぎず、響きを残す。
KAIROSで反射の返り方を整える。
スピーカーと部屋の関係を見る。

リスニングブースは、その考え方を実際に体験する場所です。

文章で読むDIVERではなく、
耳で聴くDIVERです。

asuu

「DIVERが何を大事にしているかを、実際の音で確認する場所ですね。」

goさん

そうです。

記事だけでは、どうしても“説明”になります。

でも、DIVERが本当に伝えたいのは、
小さな部屋でも音楽は鳴る、という感覚です。

それを実際に聴いてもらいたいんです。


ショールームではなく、実験室でもある

リスニングブースは、完成された展示空間というより、実験室でもあります。

スピーカーの位置を変える。
角度を変える。
KAIROSの効き方を見る。
吸音の量を考える。
低音の出方を確認する。
架台や床の影響を見る。
音量を上げたときの部屋の反応を聴く。

こういうことを、実際に試す場所です。

DIVERは、理論だけで音を語りたいわけではありません。

測る。
聴く。
動かす。
また聴く。
部屋の反応を見る。

その繰り返しの中で、小さな部屋の音を考えています。


僕たちは、実際に鳴らしている

ここは、DIVERにとってかなり大事なところです。

僕たちは、ただ防音や音響について説明しているだけではありません。

実際にスピーカーを鳴らしています。
小さな部屋で聴いています。
低音や反射や音量の問題と向き合っています。
KAIROSを使い、調整し、検証しています。

だから、記事に書いていることは、ただの知識ではありません。

部屋で聴いて、違和感を持って、試して、修正してきたことです。

asuu

「DIVERは、理論だけじゃなくて、自分たちでも沼に入っている感じですね。」

goさん

完全に入っています。片足どころか顔だけ出ている状態です。

オーディオは、机上の理論だけでは終わりません。

でも、感覚だけでも迷います。

だから、建築として見て、音響として考えて、オーディオとして聴く。

その場所が、リスニングブースです。


まとめ|僕たちは、なぜリスニングブースを作ったのか

理由はシンプルです。

DIVERの考え方は、聴かないと伝わりきらないからです。

小さな部屋でスピーカーが鳴る感覚。
部屋が音楽として応答する感覚。
低音が暴れず、音楽の土台になる感覚。
反射を殺さず整える感覚。
音量を上げても、うるささではなくエネルギーとして届く感覚。

これを、実際に聴いてほしい。

Rogers LS2で、音楽の繊細さを聴く。
JBL 4311Bで、部屋の体力を聴く。
KAIROSで、響きを殺さず整える感覚を聴く。

そのために、リスニングブースを作りました。

asuu

「文章では伝わらない音があるから、聴ける場所を作ったんですね。」

goさん

そうです。

文章では伝わらない音があります。

だからDIVERには、リスニングブースがあります。


まずはDIVERトップページで、悩みを整理できます

リスニングブースで体験できることは、スピーカーだけの話ではありません。

音量。
低音。
定位。
初期反射。
吸音。
防音。
KAIROS。
スピーカーセッティング。
部屋の広さ。
床や架台。

これらはすべてつながっています。

DIVERトップページでは、小さなオーディオルームや音楽室で起きやすい悩みを、テーマ別に整理しています。

DIVERは、ただオーディオを聴かせる場所ではありません。

小さな部屋で音楽を鳴らすために、
防音設計・音響設計・低音制御・反射設計・スピーカー設置まで一体で考える専門家として、記事と体験の両方を用意しています。


DIVERのリスニングブースを体験する

小さな部屋で、スピーカーが本当に鳴るとはどういうことか。
Rogers LS2とJBL 4311Bでは、何が違って聴こえるのか。
KAIROSで、響きを殺さず整えるとはどういうことか。
防音音響設計が、なぜ機材だけではなく部屋全体を見るのか。

これは、実際に聴くとかなりわかりやすくなります。

今の部屋の音に違和感がある方。
スピーカーを変えても不満が残っている方。
低音や反射に悩んでいる方。
防音したいけれど、音が死んだ部屋にはしたくない方。
小さな部屋で音楽が鳴る感覚を知りたい方。

一度、DIVERのリスニングブースで聴いてみてください。


コーヒーでも飲みながら音を聴いてください。

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この記事を書いた人

goさん / DIVER
建築士・音響デザイナー・オーディオフリーク。
小さな部屋でスピーカーと部屋が本当に鳴る空間をつくるために、DIVERを運営しています。
DIVERでは、防音・音響設計・スピーカーセッティング・低音対策を分けて考えず、部屋全体で「音楽が鳴る条件」を整理します。
このブログでは、6畳のような小さなオーディオルームで起きる低音、反射、吸音、防音、スピーカーサイズの悩みを、goさんの実体験と建築音響の視点から解説しています。
記事を読んでも自分の部屋で何が起きているかわからないときは、リスニングブースでコーヒーを飲みながら、音の話をしましょう。

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