PHANTOMってどうなの?
小さな部屋でオーディオをしていると、こういう悩みが出てくることがあります。
音が壁に張りつく。
ボーカルが少しぼやける。
音像が前に出てこない。
奥行きが浅い。
音量を上げると、急に耳に近くなる。
吸音材を置いたら、たしかに聴きやすくなったけれど、音楽が少し痩せた。
6畳〜10畳くらいのリスニングルームや、ニアフィールドの環境では、こういうことがよく起こります。
スピーカーが悪いわけではない。
アンプが悪いわけでもない。
でも、部屋に入れると、どこか音が近い。
壁の存在が音に出てくる。
asuu(DIVER音響デザイナー)
「PHANTOMって、結局どういうものなんですか? 吸音材とは違うんですよね?」
goさん
違いますね。
PHANTOMは、音を吸って部屋をデッドにするためのものではありません。
小さな部屋で近い壁から早く戻ってくる反射を、
音楽が死なないように整えるための音響モジュールです。
PHANTOMは6畳〜10畳のリスニングルーム、ニアフィールド、自宅スタジオ向けに設計された音響モジュールで、吸音材のように音を吸うのではなく、早い初期反射のピーク集中をやわらげ、反射の戻り方を時間方向に整えることを目的としています。
PHANTOMは、KAIROSより導入しやすい選択肢

DIVERには、KAIROSという音響システムがあります。
KAIROSはかなり本格的です。
部屋を見て、測定して、設計して、製作して、設置して、調整する。
その部屋に合わせて、かなり深く作り込む音響設計です。
もちろん、それが必要な部屋もあります。
ただ、すべての人が最初からそこまで考えているわけではありません。
asuu
「KAIROSって、ちょっと本格的すぎる感じもありますよね。」
goさん
ありますね。
KAIROSは、部屋ごとにちゃんと設計していくものです。
だから、かなり本格的です。
でも、もっと手前で、
「吸音材を増やしすぎたくない」
「部屋をデッドにしたくない」
「でも壁の反射感はどうにかしたい」
「6畳〜10畳くらいの部屋で、もう少し音像を整えたい」
という人もいます。
PHANTOMは、そういう人に向けた、導入しやすい音響モジュールとして考えています。
小さな部屋では、反射が近すぎる
小さな部屋の難しさは、壁が近いことです。
スピーカーから出た音が、すぐ側壁に当たる。
天井に当たる。
デスクに当たる。
後ろの壁からも返ってくる。
広い部屋なら、反射が少し遅れて、空間の響きとして感じられることがあります。
でも小さな部屋では、反射がかなり早く耳へ返ってきます。
すると、
音が硬い。
音像がにじむ。
奥行きが浅い。
壁に音が張りつく。
音量を上げると疲れる。
こういう聴こえ方になりやすい。
asuu
「小さい部屋って、響いているというより、壁が近い感じが音に出ますよね。」
goさん
そうです。
響きとして気持ちよく育つ前に、反射が耳へ戻ってきてしまう。
だから、小さな部屋では“反射をどう扱うか”がかなり重要になります。
でも、吸音しすぎると音楽が痩せる
反射が気になると、まず吸音材を置きたくなります。
もちろん、吸音は有効です。
強すぎる反射を抑える。
フラッターを減らす。
高域のきつさを和らげる。
部屋の見通しを良くする。
こうした効果があります。
ただ、小さな部屋で吸音を増やしすぎると、別の問題が出ます。
音が暗くなる。
空間が痩せる。
余韻が伸びない。
音楽の生きた感じが減る。
低音だけが残って重くなる。
クリアだけど楽しくない音になる。
asuu
「吸音すると整うけど、なんか音楽がつまらなくなることあります。」
go
あります。
だから、DIVERでは反射を全部悪者にしていません。
強すぎる反射は整える。
でも、音楽に必要な響きは残したい。
PHANTOMは、その考え方から作っています。
PHANTOMは、吸音材ではない
ここは大事です。
PHANTOMは、吸音材ではありません。
音を吸って、部屋を静かにするためのものではない。
もちろん、聴こえ方として反射の硬さがやわらぐことはあります。
でも、それは単純に音量を下げることが目的ではありません。
PHANTOMが見ているのは、
反射がどのように耳へ戻ってくるか
です。
asuu
「音を小さくするんじゃなくて、戻り方を変える?」
goさん
そうです。
小さな部屋では、近い壁から戻ってくる反射が、かなり短い時間にまとまって耳へ届きます。
そのピークが強いと、音が硬く感じたり、壁に張りついたり、音像がにじんだりします。
PHANTOMは、その反射を全部消すのではなく、
鋭くまとまって戻る感じをやわらげることを狙っています。
普通の拡散材とも少し違う
PHANTOMは、一般的な拡散材とも少し違います。
拡散材は、ある程度の距離がある場所で力を発揮しやすいものです。
でも、6畳〜10畳くらいの小さな部屋では、スピーカーと壁、壁と耳の距離が近い。
拡散させたいと思っても、音が十分に空間へ広がる前に、耳へ返ってきてしまうことがあります。
asuu
「拡散材を置けばいい、というわけでもないんですね。」
goさん
そうなんです。
広い空間なら成立しやすい考え方でも、小さな部屋では距離が足りないことがあります。
だからPHANTOMでは、小空間に近すぎる初期反射を、どう時間方向に整えるかを考えています。
PHANTOMで聴いてほしいポイント
PHANTOMを聴くときは、
「音が小さくなったか」だけで判断しない方がいいです。
吸音材ではないので、音量が大きく下がることを目的にしていません。
聴いてほしいのは、こういうところです。
反射の硬さがやわらぐか。
壁に音が張りつく感じが弱まるか。
中央定位が見えやすくなるか。
音像がにじみにくくなるか。
余韻が不自然に切れずに残るか。
部屋がデッドになりすぎていないか。
長く聴いたときの疲れ方が変わるか。
asuu
「わかりやすい“音が変わった!”というより、聴き続けたときの違和感が減る感じですか?」
goさん
かなり近いです。
PHANTOMは、音を派手に変えるためのものではありません。
小さな部屋で、近い壁の反射が作っている硬さや張りつきを、少し整える。
その結果、音像や奥行き、余韻の見え方が変わることがあります。
PHANTOMが合いやすい部屋
PHANTOMは、すべての部屋に万能というわけではありません。
でも、こういう部屋には合いやすいと思います。
6畳〜10畳くらいのリスニングルーム。
ニアフィールドで聴いている部屋。
スピーカーと壁が近い部屋。
デスクや背面の反射が気になる部屋。
吸音材を増やしたくない部屋。
音が壁に張りつく感じがある部屋。
音量を上げると耳に近く感じる部屋。
中央定位や奥行きが安定しにくい部屋。
asuu
「“部屋を本格的に作り替える前に、反射を整えたい”みたいな人にも合いそうですね。」
goさん
そうですね。
本格的に防音音響設計をするなら、部屋全体を見る必要があります。
でも、その前に、まず近い反射をどうにかしたい。
吸音しすぎずに、音像や壁の張りつき感を整えたい。
そういう入口としてPHANTOMは使いやすいと思います。
PHANTOMが合わないケースもある
一方で、PHANTOMだけで全部解決するわけではありません。
低音が大きく暴れている。
部屋の定在波が強い。
スピーカー位置がかなり悪い。
リスニングポイントが後ろの壁に近すぎる。
音量を上げられないほど防音条件が厳しい。
床や家具が大きく鳴っている。
部屋全体の形や構造に問題がある。
こういう場合は、PHANTOMだけでなく、配置、低音、防音、吸音、リスニングポイントを含めて見た方がいいです。
asuu
「置けば全部良くなる、というものではないんですね。」
goさん
PHANTOMは魔法の板ではありません。
小さな部屋の反射を整えるためのモジュールです。
だから、設置位置も大事ですし、部屋の状態によって効果の出方も変わります。
KAIROSまでは考えていない。でも吸音だけでも違う気がする人へ
KAIROSは、本格的です。
部屋を測り、反射を見て、設計して、製作して、設置する。
かなり踏み込んだ防音音響設計の領域です。
でも、PHANTOMはもう少し手前にあります。
asuu
「KAIROSまではいかないけど、吸音材だけで終わらせたくない人向け?」
goさん
そうだね。
僕としては、そこがPHANTOMの立ち位置に近いと思っています。
小さな部屋の反射が気になる。
でも、部屋をデッドにしたいわけではない。
吸音材を増やしたら音楽が痩せた。
もう少し自然に、壁の張りつき感や反射の硬さを整えたい。
そういう人に向けた選択肢です。
PHANTOMは、DIVERの防音音響設計の入口でもある
DIVERは、音響と防音を分けて考えていません。
スピーカーをどう鳴らすか。
音量をどこまで出せるか。
近隣へどれくらい音が漏れるか。
低音や振動がどう伝わるか。
反射をどこで受けるか。
響きをどこに残すか。
これらは全部つながっています。
PHANTOMは、その中でも、
小さな部屋の近すぎる反射
に向き合うプロダクトです。
asuu
「PHANTOMをきっかけに、自分の部屋の反射や音響を考え始める感じですね。」
goさん
PHANTOMを置くことで全部が終わるわけではありません。
でも、
「自分の部屋では、どの反射が音を硬くしているのか」
「どの壁が音像をにじませているのか」
「吸音しすぎずに整えるにはどうしたらいいか」
そういうことを考える入口にはなると思います。
DIVERは、PHANTOMだけを売りたいわけではありません
ここは大事です。
DIVERは、PHANTOMをただ売りたいわけではありません。
僕たちが見ているのは、
その部屋で音楽がどう鳴っているか
です。
PHANTOMで整う部屋もある。
配置を変えた方がいい部屋もある。
低音を先に見た方がいい部屋もある。
防音から考えるべき部屋もある。
KAIROSのように、もっと本格的に設計した方がいい部屋もある。
だから、PHANTOMはDIVERの考え方のひとつです。
小さな部屋で、反射を吸いすぎずに整えるための入口。
音楽が鳴る部屋を考えるための、ひとつの道具。
そう考えています。
まずはDIVERトップページから、悩みを整理できます
PHANTOMが気になる方は、きっと反射だけでなく、ほかの悩みも持っていると思います。
音量を上げると疲れる。
低音が膨らむ。
定位が合わない。
吸音すると音楽が痩せる。
スピーカーの置き方がわからない。
防音も必要かもしれない。
DIVERトップページでは、小さなリスニングルームで起きやすい悩みを、テーマ別に整理しています。
DIVERは、ただ音響製品を売るサイトではありません。
小さな部屋で音楽を鳴らすために、
防音設計・音響設計・スピーカー設置・低音制御・反射設計まで一体で考える専門家として、記事やプロダクトを作っています。
PHANTOM・防音音響設計について相談する
PHANTOMが合うのか。
吸音材の方がいいのか。
スピーカー配置を先に見た方がいいのか。
低音や防音から考えるべきなのか。
それは、部屋によって変わります。
DIVERでは、PHANTOMだけでなく、音響設計、防音設計、スピーカーセッティング、低音、反射、KAIROSまで含めて、小さな部屋で音楽が鳴る条件を考えます。
小さな部屋の反射や音像、聴き疲れに悩んでいる方は、一度ご相談ください。
