with SOUND

最初から、住宅をつくりたかったわけではありません。
最初から、店舗デザインをやろうと思っていたわけでもありません。

僕の入口は、音でした。

音がいい場所には、人が自然と集まる。
音が悪い場所には、なぜか長く居られない。

同じ広さ。
同じ内装。
同じ照明。

それでも、音が違うだけで空間の印象はまったく変わります。

声が聞き取りやすい店。
音楽が気持ちよく流れる部屋。
静かなのに緊張しない空間。
木の質感と音の響きが馴染んでいる場所。

そういう空間には、理由があります。

僕はこの30年ほど、音響デザイン、店舗デザイン、住宅設計に関わってきました。

音のための空間。
人が集まる店。
家族が暮らす住まい。
仕事をする場所。
くつろぐ場所。
記憶に残る場所。

いろいろな空間をつくってきた中で、だんだん見えてきたことがあります。

空間は、見た目だけでは完成しない。

かっこいいことは大切です。
見た瞬間に「いいな」と感じること。
この場所で過ごしてみたいと思えること。
この人たちに相談してみたいと思えること。

それは、デザインの入口としてとても大切です。

でも、空間の価値はそれだけでは決まりません。

住宅には、暮らしがあります。

キッチンの使いやすさ。
収納の場所。
家族の距離感。
朝の動線。
夜にくつろぐ場所。
ひとりになれる場所。
音楽を聴く時間。
静かに休む時間。

暮らしは、いくつもの場面が重なってできています。

キッチンだけをきれいにしても、収納だけを増やしても、動線だけを整えても、それだけで本当に心地いい家になるとは限りません。

家でどう動くのか。
どこで家族が集まるのか。
どこでひとりになれるのか。
どんな音が気になるのか。
どんな静けさがあると休まるのか。

そこまで見て、はじめて住まいのデザインになります。

店舗やクリニックには、人の流れがあります。

人が入りたくなること。
商品やサービスが伝わること。
自然に奥まで歩きたくなること。
会話がしやすいこと。
長く居たくなること。
もう一度来たいと思えること。

店舗デザインは、内装をきれいにするだけでは足りません。

動線。
集客。
見せ方。
照明。
素材。
音。
ブランディング。

それらが重なったとき、店の印象は強くなります。

海外でマーケティングに関わった経験も、僕の空間づくりに大きく影響しています。

人は、商品だけで選んでいない。
価格だけで選んでいない。
見た目だけで記憶しているわけでもない。

その場所でどう感じたか。
どんな時間を過ごしたか。
また思い出したくなるか。

そこまで含めて、空間の価値になる。

住宅も店舗も、用途は違います。
けれど、中心にあるのは同じです。

人がそこで時間を過ごす、ということ。

暮らしの時間。
仕事の時間。
家族と過ごす時間。
お客様が滞在する時間。
人と話す時間。
ひとりで集中する時間。
音楽に浸る時間。
静かに休む時間。

その時間をどうつくるか。

僕のデザインは、そこから始まります。

そして、その時間の質を大きく左右するものが音です。

音は目に見えません。
けれど、空間の印象を決めています。

内装がかっこよくても、音が落ち着かない場所は長く居られない。
雰囲気のいい店でも、声が聞き取りにくいと疲れる。
きれいな家でも、生活音や外の音が気になると、心から休まらない。
音楽を楽しみたい部屋でも、響きが合っていないと気持ちよくならない。

逆に、音が整っている空間は気持ちいい。

声が自然に届く。
音楽が空間に馴染む。
静けさに圧迫感がない。
人の気配が心地よく残る。
木や素材の質感と、音の響きが重なる。

音は、空間をまとめる要素

だから僕は、音響設備を入れることだけを仕事にしたいわけではありません。
防音室だけをつくりたいわけでもありません。
スピーカーを目立たせたいわけでもありません。

僕がつくりたいのは、音が自然に馴染んでいる空間です。

木の質感。
光の陰影。
余白。
動線。
居心地。
会話のしやすさ。
静けさの質。
音楽の流れ方。

それらがひとつの空間として整っていること。

僕は、木のある空間が好きです。

木には、温度があります。
手触りがあります。
陰影があります。
時間とともに変わる表情があります。

そして、音との相性があります。

木の壁。
造作家具。
床。
天井。
照明。
素材の重なり。

そこに音が馴染むと、空間には独特の深さが生まれます。

ナチュラルにしたいわけではありません。
高級に見せたいわけでもありません。
音響っぽくしたいわけでもありません。

かっこよくて、落ち着く。
静かだけど、冷たくない。
音があるのに、うるさくない。
人が自然に過ごしたくなる。

そういう空間をつくりたい。

HAGANEのコンセプトは、with SOUNDです。

音響を売るための言葉ではありません。
設備を見せるための言葉でもありません。

家で過ごす時間。
店で過ごす時間。
家族と過ごす時間。
お客様が滞在する時間。
ひとりで集中する時間。
音楽に浸る時間。
静かに休む時間。

その時間を、音と空間の関係から美しく整える。

それが、with SOUNDです。

HAGANEは、普通のリフォーム会社ではありません。
音響だけの会社でもありません。
店舗内装だけの会社でもありません。

音響デザイン、店舗デザイン、住宅設計、マーケティング。
その経験を横断しながら、その空間にある時間をデザインする。

僕たちは、音から空間を考えます。

音のある時間を、美しくデザインする。

それが、HAGANEの空間づくりです。