部屋で音を鳴らすって、どういうことなんだろう

部屋で音を鳴らすって、どういうことなんだろう。

最近、KAIROSの音響テストをしていると、よくそう思う。
測定して、聴いて、位置を変えて、また聴く。

最初は確認のつもりで音を出している。
でも、途中から少し様子が変わってくる。

もっといける気がしてくる。

耳に刺さらない。
音が壁に張り付かない。
広がる。
まだ広がる。
もう少し奥までいける。
もう少し身体に来る。

そうやって聴いているうちに、テストなのか、趣味なのか、仕事なのか、だんだん分からなくなる。(笑)

たぶん、部屋で音を鳴らすというのは、スピーカーから出ている音だけを聴くことじゃない。

音が空気に出たあと、部屋がどう反応するかを聴いている。
壁にぶつかった音が、どのくらい早く返ってくるか。
その返り方が、耳に刺さるのか、身体を包むのか。
音像が壁に張り付くのか、それとも部屋の中に浮くのか。

そういう全部を、まとめて聴いている。

だから面白い。
そして、たぶん危ない。(笑)

一度「まだいける」と感じてしまうと、終わりがなくなる。(笑)

もう十分いい音なのに、まだ先がある気がする。
耳に痛くないなら、もう少し音圧を上げたくなる。
音が張り付かないなら、もっと空間を広げたくなる。
響きが濁らないなら、もっと部屋を鳴らしたくなる。

これはもう、ある意味でオーディオフリークの際の果てなんだと思う。

良いスピーカーが欲しい。
良いアンプが欲しい。
良いDACが欲しい。

もちろんそれも分かる。

でも僕が今いる場所は、少し違う気がしている。

機材の先にあるものというより、
機材から出た音が、部屋でどう現実になるかを見てしまっている。

音が耳に刺さらない。
音が壁に張り付かない。
音が空間にほどける。
それなのに、音圧はある。
身体に来る。
広がる。

この状態を知ってしまうと、もう戻れない。マジで危ない(笑)

部屋は、ただの箱じゃない。
スピーカーの邪魔をするものでもない。

部屋は、音が最後に変化する場所。
そして、その変化の仕方によって、音楽の感じ方はまったく変わっちゃう。

KAIROSでやっていることも、たぶんそこに近い。

音を消したいわけではない。
部屋を殺したいわけでもない。
むしろ、部屋で鳴る音の気持ちよさを、もっと先まで連れていきたい。

耳に刺さらず、音が張り付かず、広がって、身体に届く。
それでいて、薄くならない。
弱くならない。
ちゃんと音圧がある。

そんな状態を探している。

だから、音響テストをしているのに、つい思ってしまう。

もっといける。
もっといける。
まだ先がある。

たぶん、僕は到達してしまったんだと思う。

オーディオフリークの際の果てに。

いや、もしかしたら違う。

到達したんじゃなくて、
ようやく終わりがないことに気づいたのかもしれない。ようこそ(笑)

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KAIROSの音の変化を確かめてください

KAIROSの変化は、単純に音が小さくなることではありません。
聴いてほしいのは、耳への刺さり、音の張り付き、響きの広がり方です。

KAIROSなしでは、音が前へ張りつき、硬く、耳に近く感じられることがあります。
KAIROSありでは、刺さりがやわらぎ、響きが少し奥へ広がるように感じられます。

音のエネルギーを吸って減らすのではなく、近すぎる反射の当たり方が変わる。
その違いを、比較音源で確認してください。

聴くポイント

  • 耳への刺さりが減るか
  • 音が壁やスピーカー周辺に張りつく感じが変わるか
  • 響きが奥へ広がるか
  • 音量が下がったのではなく、圧迫感が減っているように感じるか
  • 吸音したような痩せ方ではなく、響きのまとまり方が変わっているか

※ スマートフォンのスピーカーでは違いが分かりにくいため、できればイヤフォン、ヘッドフォン、またはオーディオ環境でお聴きください。

Before
No KAIROS 

音が耳に近く、硬く、前へ張りつくように感じられる状態。
近い反射が直接音に重なり、響きが広がる前に耳へ届いているように聴こえる場合があります。

After
With KAIROS  

耳への刺さりがやわらぎ、響きが少し奥へ広がるように感じられる状態。
音のエネルギーを吸って減らすのではなく、近すぎる反射の当たり方が変わることで、音楽の見通しや空間感に変化が現れます。

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この記事を書いた人

DIVER 開発責任者 / 建築士 重度のオーディオファイル兼シネマフリーク。「なぜ、いい機材を買っても映画館の感動が得られないのか?」という疑問から、日本の住宅の音響的欠陥に絶望。「欲しい部屋がないなら、発明するしかない」という狂気的な動機でDIVERプロジェクトを始動。現在も自身の「究極の視聴環境」を求めてアップデートを繰り返している。

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