「断熱等級5って言われたけど、冬の朝が寒い」
「高性能って聞いて建てたのに、足元が冷える」
「エアコン効きにくい気がする…」
こんな後悔の声を、現場でたびたび聞きます。
実はこの原因、“断熱”ではなく“気密”の甘さにあることが少なくないのです。
気密が甘い家でよくある3つの後悔
① エアコンの効きが悪い
断熱性能が良くても、家に隙間が多ければ暖気や冷気が逃げてしまうため、
エアコンはフル稼働し、電気代がかさむわりに温まりにくい空間に。
体感的には「部屋がムラ寒い」「足元だけ冷たい」など、“室温ストレス”が起きやすくなります。
② 結露・カビが発生しやすい
隙間風が入り込むと、室内の湿気が壁内や窓まわりで冷やされて結露が起きやすくなります。
さらに、気密が悪い家では計画換気がうまく機能しないため、カビやダニの温床になることも。
健康に悪影響を及ぼすリスクは、じわじわと忍び寄ります。
③ 家中の温度差が大きくなる
気密が甘いと、廊下・脱衣所・トイレなどが極端に寒くなる傾向にあります。
特に冬場、温度差によるヒートショックは高齢者にとって命に関わることも。
快適性だけでなく、命を守る性能としての“気密”が注目される時代です。
断熱と気密は“セット”で考えるもの
僕がよくお伝えしているのは、
「断熱は魔法瓶の中身。気密はそのフタ。」
という考え方です。
断熱性能(UA値)だけ見ていても、気密性能(C値)が悪ければ、その効果は半減。
どちらかが欠けると、“快適じゃない高性能住宅”になってしまいます。
なぜ“気密”は軽視されやすいのか?
- 実際に数値(C値)を測定しない会社も多い
- 断熱材や窓は見えても、気密性は見えない
- そもそも“何に効くのか”が伝えられていない
だから、気密は「地味」「重要に見えない」と思われがちです。
でも僕は、本当に快適な家の肝は“気密”にあると確信しています。
快適性と省エネを両立するなら、気密を軽視しないで
たとえば僕たちが設計・施工する家では、C値=0.5以下(相当隙間面積)を目指します。
その上で、断熱・換気・冷暖房計画を組み合わせて設計します。
数字にこだわる理由は、体感に直結するから。
「なぜかこの家、冬も足元があたたかい」
その理由は、気密という“見えない性能”にあるのです。
▶ 本当の快適は、目に見えないところにある
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