
スタジオモニターでガンガン音楽聞いています。HAGANEです。
僕は、自宅スタジオのような比較的狭いスタジオの設計を専門に見ています。
6畳くらいの部屋に、どれくらいのサイズのスタジオモニターを置けばいいのか。
5インチで足りるのか。
7インチや8インチにした方が、キックとベースが見えるのか。
逆に、大きすぎて部屋が鳴ってしまうのか。
これはかなり多い相談です。
僕はそこで、最初に「6畳なら何インチ」とは見ないです。
置けるサイズと、判断できるサイズは違うからです。
大きいモニターは、低音に余裕があるように感じます。
小さいモニターは、狭い部屋では扱いやすそうに見えます。
どちらも間違いではありません。
でも、6畳の自宅スタジオでは、サイズだけで決めると遠回りになることがあります。
大事なのは、そのサイズのスピーカーから出たローを、その部屋で信じられるか。
キックとベースの重心が見えるか。
ボーカルが前に来るか。
リバーブが奥へ逃げるか。
左右の音がスピーカーから離れるか。
スピーカーサイズは、インチ数ではなく、その部屋で何を判断したいかから見た方がいいです。
僕は、狭い自宅スタジオのスピーカーサイズをよく相談されます
自宅スタジオの相談では、広い部屋ばかりが出てくるわけではありません。
6畳くらいの部屋。
寝室を兼ねた部屋。
仕事部屋の一角。
机があって、本棚があって、そこにスタジオモニターを置きたいという話もあります。
そこでよく出てくるのが、スピーカーサイズの話です。
5インチでいいのか。
もう少し大きい方がいいのか。
低音を見るなら7インチ以上なのか。
8インチは大きすぎるのか。
小さいモニターだと、結局ヘッドホンに戻ってしまうのか。
この迷いは自然です。
ヘッドホンだけで作っていると、細かい音は見えます。
でも、部屋に音を出したときのキックの下、ベースの重心、ボーカルの距離、リバーブの奥行きは、ヘッドホンだけでは掴みにくいことがあります。
だからモニターを置きたい。
でも、6畳は広くない。
壁が近い。
机も近い。
聴く距離も長く取れない。
そこで「この部屋に合うサイズはどれか」と迷う。
僕はそのとき、インチ数だけで決めないです。
その部屋で、どの音を信じたいのかから見ます。
低音をどこまで見たいのか。
ボーカルの前後をどこまで見たいのか。
リバーブの奥行きをどこまで見たいのか。
左右の広がりをどこまで必要としているのか。
サイズは、その後です。
6畳では、大きいスピーカーほど良いとは限らない
大きいスピーカーの方が良い音がしそうに感じることがあります。
低音が出る。
余裕がある。
音が太い。
小さい音では見えないところまで見えそう。
たしかに、大きいモニターには意味があります。
ローの下まで出せる。
キックやベースの重心を掴みやすいこともある。
音量を上げなくても、下の支えが見えやすい場合もあります。
でも、6畳では大きいほど良いとは限りません。
大きいスピーカーは、その分、部屋にもローを出します。
そのローを部屋が受け止められないと、低音が見える前に部屋が鳴ります。
キックの下が見えるというより、部屋の下が膨らむ。
ベースラインの音程が見えるというより、ローがひとかたまりになる。
音量を少し上げると、部屋の中に低音が残る。
小さくすると、今度は全体のバランスが痩せて感じる。
こうなると、大きいモニターを入れた意味が見えにくくなります。
大きいスピーカーが悪いわけではありません。
ただ、その部屋で鳴らせる余白が必要です。
壁との距離。
聴く距離。
机からの返り。
背中側の壁。
ローが残りすぎない場所。
そこがないまま大きいサイズを選ぶと、スピーカーの性能ではなく、部屋の反応を聴く時間が増えます。
6畳では、大きいスピーカーを置けるかではなく、大きいスピーカーから出た音を判断できるかを見たいです。
6畳程度の自宅スタジオに置けるサイズと、判断できるサイズは違う
6畳でも、物理的には大きめのモニターを置けることがあります。
机の上に置ける。
スタンドを立てられる。
左右に置ける。
見た目としては収まる。
でも、置けることと、判断できることは違います。
スピーカーを置いたとき、壁が近すぎないか。
机の天板からすぐ返ってこないか。
聴く場所が後ろ壁に寄りすぎていないか。
音量を少し上げたとき、ローだけが部屋に残らないか。
そこを見ないと、サイズだけ合っていても、音は合わないことがあります。
たとえば、7インチや8インチのモニターが机には置ける。
でも、壁が近い。
聴く距離も短い。
低音が部屋の中で膨らむ。
ボーカルやリバーブの前後が詰まる。
この状態では、良いモニターを入れても、判断が楽になるとは限りません。
逆に、5インチ前後のモニターでも、置き方と聴く距離が合っていれば、ボーカルやスネア、リバーブの判断はしやすくなることがあります。
ただし、低音の下まで全部をスピーカーだけで見ようとすると、限界も出ます。
つまり、サイズは単体で決まりません。
その部屋に置いたとき、どの音が見えるか。
どの音が見えなくなるか。
どの音をヘッドホンと分担するか。
そこまで含めて考えた方がいいです。
6畳の自宅スタジオでは、置けるサイズより、判断できるサイズを選びたいです。
6畳の個人スタジオに5インチで足りるかは、低音の量ではなく重心で見る
6畳なら5インチでいいですか。
これはよく聞かれます。
5インチ前後のモニターは、6畳の自宅スタジオでは現実的な候補になりやすいです。
大きすぎない。
机やスタンドにも置きやすい。
聴く距離も取りやすい。
音量を上げすぎなくても使いやすい。
ただ、5インチなら安心、という話でもありません。
見るべきなのは、低音の量ではなく、重心です。
キックの下がどこにあるか。
ベースラインの音程が見えるか。
ローとローミッドが、ボーカルやスネアにかぶっていないか。
低音が足りなくて、ついベースを足しすぎていないか。
5インチでは、ローの一番下まで全部を大きく出すのは難しいことがあります。
でも、それがすぐに悪いわけではありません。
大事なのは、曲の下がどこにあるかを判断できることです。
キックが軽すぎるのか。
ベースが出すぎているのか。
ローミッドが濁っているのか。
ローの量ではなく、低い音の関係が見えるか。
ここが見えるなら、5インチでも使える場面はあります。
ただし、5インチで見えない低音を、無理にスピーカーだけで判断しようとすると危ないです。
下が見えないから足す。
部屋では分からないからヘッドホンに戻る。
外で聴くと、ローが多すぎる。
そういうことが起きます。
5インチで足りるかは、スペックだけでは決まりません。
その部屋で、キックとベースの重心がどこまで見えるかで決まります。
自宅スタジオに7インチ、8インチは低音が見える前に部屋が鳴ることがある
7インチや8インチのモニターを考える人は、低音をちゃんと見たい人が多いです。
キックの下を見たい。
ベースの重心を掴みたい。
ヘッドホンだけに頼りたくない。
ローをスピーカーで判断したい。
その気持ちは分かります。
ただ、6畳では注意が必要です。
7インチ、8インチになると、スピーカーから出るローの量も増えます。
そのローを部屋が受け止められるかどうかで、聴こえ方は大きく変わります。
部屋の中でローが膨らむ。
一部のベース音だけ大きく聴こえる。
別の音は見えにくい。
音量を上げると、低音が前に出るというより部屋に残る。
ボーカルやリバーブの判断まで、下の重さに引っ張られる。
こうなると、低音が見えるために大きいモニターを入れたのに、低音が分からなくなります。
大きいモニターは、悪くありません。
ただ、部屋との距離が必要です。
壁から離せるか。
聴く距離が取れるか。
机の返りが強すぎないか。
背中側の壁が近すぎないか。
小音量でもバランスが見えるか。
ここがないまま7インチ、8インチを入れると、スピーカーの低音ではなく、部屋の低音を聴くことになります。
6畳で大きめのモニターを選ぶなら、まずそのローを部屋の中で信じられるかを見たいです。
小さいスタジオモニターなら安全、というわけでもない
大きいモニターが難しいなら、小さい方が安全。
そう考えることもあります。
たしかに、小さいモニターは扱いやすいです。
部屋の影響も大きいモニターより出にくいことがあります。
近い距離でも使いやすい。
音量も上げすぎずに済む。
でも、小さいスピーカーなら安全、というわけでもありません。
小さいモニターでは、低音の下が見えにくいことがあります。
すると、キックやベースをヘッドホンで確認する時間が増える。
スピーカーでは軽く感じるから、ローを足しすぎる。
外で聴くと低音が多い。
逆に、低音を怖がって削りすぎる。
こういう迷いが出ます。
小さいスピーカーで大事なのは、割り切りです。
そのモニターで何を見るのか。
ボーカルの前後を見るのか。
スネアの芯を見るのか。
リバーブの奥行きを見るのか。
左右の広がりを見るのか。
低音の下はヘッドホンや別の確認で補うのか。
ここを決めないまま小さいモニターを選ぶと、見えないところまで無理に見ようとしてしまいます。
6畳では、小さいから正解ではありません。
大きいから正解でもありません。
そのサイズで何が見えて、何が見えないか。
そこを分かって使えるかが大事です。
自宅スタジオにサブウーファーは、足せば低音が分かる道具ではない
低音が見えないと、サブウーファーを足したくなることがあります。
小さいモニターではローが足りない。
だからサブウーファーを足せば、キックやベースが見えるのではないか。
そう考えるのは自然です。
ただ、6畳では慎重に見たいです。
サブウーファーは、低音を増やす道具ではあります。
でも、足せば低音が分かる道具ではありません。
置く場所。
音量。
メインスピーカーとのつながり。
部屋の低音の残り方。
聴く位置。
ここが合っていないと、低音が見えるどころか、さらに分かりにくくなることがあります。
ベースの一部だけ膨らむ。
キックの下が長く残る。
ローが部屋の中で動かず、重いかたまりになる。
メインスピーカーでは良かったバランスが、サブを足した瞬間に崩れる。
6畳では、特にこの影響が出やすいです。
サブウーファーが悪いわけではありません。
ただ、低音の判断を楽にするどころか、部屋との関係をさらに難しくすることもあります。
だから僕は、最初から「低音が不安ならサブを足しましょう」とは見ないです。
まず、メインのモニターでどこまで見えるか。
その部屋でローがどこに残るか。
小音量でどこまで判断できるか。
ヘッドホンとどう分担するか。
そこを見てから考えます。
自宅スタジオでモニターサイズを決める前に、何を判断したいかを決める
6畳の自宅スタジオでスピーカーサイズを決める前に、まず決めたいことがあります。
その部屋で何を判断したいのかです。
キックとベースの重心を見たいのか。
ボーカルの前後を見たいのか。
スネアの芯と胴を見たいのか。
リバーブの奥行きを見たいのか。
左右の音がスピーカーから離れる感じを見たいのか。
ここが決まらないままサイズを選ぶと、迷います。
5インチでは足りない気がする。
7インチは大きすぎる気がする。
8インチなら安心な気もする。
でも部屋が鳴りそうで怖い。
サブを足すべきかも分からない。
こうなります。
サイズは、目的から逆に見た方がいいです。
ボーカルやリバーブの前後を見たいなら、大きさより距離と返り方が大事になります。
キックとベースの重心を見たいなら、ローが出るだけでなく、部屋に残りすぎないことが大事になります。
左右の広がりを見たいなら、スピーカーの外へ音が離れる余白が必要になります。
6畳では、全部をスピーカーサイズだけで解決しようとしない方がいいです。
大きいモニターでローを出す。
小さいモニターで扱いやすくする。
ヘッドホンで下を補う。
音量を決める。
置き方を見る。
机や壁の近い返りを見る。
これらを分けて考える必要があります。
スピーカーサイズは、単体の性能ではなく、その部屋で何を判断するためのサイズか。
そこから決めます。
僕は、サイズではなく“その部屋で信じられる音”から見る
6畳の自宅スタジオに置くスピーカーサイズは、何インチが正解かだけでは決まりません。
5インチで足りるのか。
7インチや8インチは大きすぎるのか。
サブウーファーを足すべきなのか。
その答えは、機材のスペックだけでは決まりません。
その部屋で何を判断したいか。
そのサイズのスピーカーから出た音を、部屋の中で信じられるか。
そこから見ます。
キックとベースの重心が見えるか。
ボーカルが前に来るか。
スネアの芯と胴が見えるか。
リバーブが奥へ逃げるか。
左右の音がスピーカーから離れるか。
ローが部屋の中で膨らみすぎないか。
小音量でも判断が崩れないか。
僕は、スピーカーサイズを「置けるか」ではなく、「その部屋で信じられる音になるか」から見ます。
6畳だから小さい方がいい、でもないです。
大きい方が正しい、でもないです。
その部屋で判断できるサイズがあるだけです。
自宅スタジオにモニターを置きたいなら、最初に機種名やインチ数だけで決めない方がいいです。
その前に、その部屋でどの音を信じたいのかを決める。
そこが決まると、5インチで見るべき音も、7インチや8インチで気をつける音も、サブウーファーを足すかどうかも変わります。
6畳の自宅スタジオで大事なのは、スピーカーの大きさそのものではありません。
その大きさから出た音を、自分の部屋で判断できるかです。
僕はそこから一緒に見たいです。