第1章｜断熱リフォームをしても寒い。その違和感は、あなたの感覚が正しい。
昔、僕の家もそうだった。
知識はあるのに、家の中が冷たかった。
床の下からじわじわ冷えて、
エアコンの風が止まると、空気ごと凍るような静けさが訪れる。
「断熱材は入ってるのに」
「窓も二重にしたのに」
それでも、どこかに“寒さの気配”が残っていた。
──そのとき気づいたんです。
暮らしの快適さは、スペックじゃない。空気そのものの質だって。
あなたが感じている“違和感”は、間違っていません。
むしろ、設計図よりも正確に、家の本質を教えてくれる感覚なんです。
第2章｜京都の冬は「数字では測れない寒さ」がある
京都の冬って、特別なんです。
温度計の数字以上に、寒く感じる。
それは「底冷え」や「湿気」、盆地特有の空気の重さが関係している。
街の真ん中にいても、
足元がひんやりしていて、窓の近くで息をすると、
そのまま空気の層が皮膚に張りついてくるような感覚がある。
昔の町家には通気性がありました。
でも現代の家は閉じられていて、空気が溜まって滞っていく。
断熱材だけでは太刀打ちできない空気が、
京都の家には確かにあるんです。
第3章｜「断熱すればあたたかい」は幻想だった
断熱材を入れれば、あたたかくなる。
──そう思っていた時期が、僕にもありました。
けれど、現実は違った。
- 気密が不十分で、熱が逃げる
- 湿気がたまり、結露が発生する
- 空気がこもって、息が重くなる
どれだけ高性能の断熱材でも、
それを活かす空気の“道”が設計されていなければ、意味がない。
僕が設計する家は、
「断熱材を入れる家」じゃない。
空気がめぐり、暮らしのリズムが整う家です。
断熱とは、空気を閉じ込めることじゃない。
**空気の質を高める“余白の設計”**なんだと、今はそう考えています。
第4章｜あたたかさを設計する。それが、僕の仕事。
僕がつくっているのは、
“性能”としての家ではなく、“空気の体験”としての家です。
図面には描けない温度がある。
数値化できない快適さがある。
それを実現するために、
僕は「空気の通り道」を設計して、
「湿気の逃げ道」を整えて、
「熱が回るための空間の重心」を考えている。
京都の冬に本当に合った家は、
素材ではなく、空気の思想からつくられる。
そしてそれを可能にするのは、
図面と、現場と、感覚と、愛を持ち合わせた人たちだけなんです。
こちらの記事も読まれてます。
まとめ｜寒いのは、設計の責任です。
もし、あなたが「断熱したのにまだ寒い」と感じているなら、
それはリフォームが失敗したんじゃない。
空気を無視した設計が、“届いていない”というだけです。
その寒さを責める必要はありません。
でも、見過ごさないでください。
空気は、設計できます。
あたたかさは、技術じゃなくて思想とまなざしです。
僕は、“深呼吸したくなる家”を、そんな想いで設計しています。
関連記事
断熱リフォーム、本当にあたたかくできます。
お問合せはこちら｜あなたの想いを、直接聞かせてください
ご相談・ご質問など、小さなことでも大丈夫です。
👉 お問い合わせフォームへ
Kindle書籍｜深呼吸したくなる家はくらしをどうかえるのか。
なぜ僕は“空気”にこだわるのか？暮らしと温熱の思想を綴った一冊。
👉 Amazonで読む
無料PDF｜工務店の頭の中～家づくりの本質は、価格の内側にある～
単価とは、“手の動き”と“素材への敬意”の積み重ねです。
この無料PDFは、価格ではなく、私たちの設計と施工の姿勢を伝えるために作りました。
「どの工程に、どんな技術と責任が含まれているか？」
それを知ったうえで、安心して見積もりと向き合っていただけたら嬉しいです。
👉 単価早見表PDFを今すぐダウンロード
note｜現場の言葉と想いを、より深く綴っています
図面には載らない“暮らしの話”を、noteで語っています。
👉 noteを読む
