無垢材の床を心地よく保つ5つの習慣|自然素材の魅力を暮らしに活かすコツ

暮らしの工夫

「無垢の床って気持ちいいですね」
「木の香りや足ざわりがすごく良くて、思わず素足で歩きたくなります」
「でも…お手入れが難しそうで少し不安です」

そんな声を、これまで何度も聞いてきました。
確かに、無垢材は工業製品のフローリングに比べて手がかかります。
でもそのぶん、「暮らしと共に育つ床」として、深い魅力を持っています。

今回は、僕自身が20年以上無垢材と暮らしてきた経験から、
“無垢の床を心地よく保つ5つの習慣”をご紹介します。


習慣①|“水をこぼしたらすぐ拭く”をルールにする

無垢材は吸水性があるため、水シミになりやすい素材です。
特に杉や桧などの柔らかい針葉樹は、こぼした水を放置すると輪ジミが残ります。

でも逆に言えば、

「こぼしたらすぐ拭く」を習慣にすれば、シミはほぼ防げます。

  • キッチン・ダイニングではランチョンマットやトレイを活用
  • 小さなお子さんの飲み物まわりには撥水シート
  • 拭き掃除は固く絞った布で“水分を残さない”拭き方を

この「ちょっとした気遣い」が、無垢床を長持ちさせる秘訣です。


習慣②|掃除機より“ホウキ”と“乾拭き”を味方にする

無垢の床には、微細な凹凸があります。
そこに入り込んだホコリや細かいチリは、掃除機では完全に取れないこともあります。

僕が実践しているのは、

  • 朝いちばんの“ホウキがけ”
  • 週末の“乾いた雑巾での拭き掃除”
  • 気になったら即“手拭き”で対応

とくにホウキは、木の表面を傷つけずにホコリを浮かせられるのでおすすめです。
「掃除する時間を暮らしのリズムにする」という感覚で取り入れると、自然と習慣になります。


習慣③|“素足で過ごす時間”をつくる

これは感覚的な話ですが、無垢材は“触れることで状態を保てる素材”でもあります。

  • 体温で木の表面が穏やかに乾燥され
  • 足裏の皮脂が薄く自然な“オイル”になる
  • 摩耗やへこみが“味”として深まっていく

僕自身、室内では年中素足で過ごす時間を意識的にとっています。
家族の足音、足触りの感覚、季節の移ろいが足裏から伝わる──
これは無垢材でしか味わえない「暮らしとの対話」です。


習慣④|“オイル塗装のメンテナンス”を怖がらない

無垢材の仕上げには「ウレタン塗装」と「オイル塗装」がありますが、
キノスミカでは断然、“呼吸できるオイル仕上げ”を推しています。

オイル塗装は定期的なメンテナンスが必要ですが、
実際には年に1回〜2回、以下をやるだけです。

  • 表面を軽く乾拭き
  • オイルを薄く塗り広げる
  • 完全乾燥まで待つ(夏なら半日)

「リペア=手間」ではなく、

「リペア=素材との対話」と捉えてみてください。


習慣⑤|“傷も味わう”視点を持つ

最後にお伝えしたいのは、
「傷を恐れすぎないこと」です。

無垢材は、生活の跡がそのまま残ります。

  • おもちゃを落とした跡
  • 椅子を引いた線
  • ペットが走り抜けた爪あと

でもそれは、“汚れ”や“劣化”ではありません。
むしろそれこそが「暮らしの記憶」になります。

僕が以前リノベした家では、お子さんが独立した後、
お母さんがこうおっしゃいました。

「この床のへこみ、あの子がよちよち歩き始めたときにできたんです」

無垢材は、“時間を刻む床”です。
その傷を受け入れたとき、素材が家族の一部になる瞬間が訪れます。


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