「D-50」という等級を、私たちは信用しない。
一般的な防音業者は、「D-50(ピアノの音が聞こえなくなるレベル)」といった単一の指標で性能を語ります。 しかし、これには致命的な罠があります。JIS規格(JIS A 1419)のD値は、中心周波数500Hzを基準とした平均値に過ぎないからです。
あなたの敵は誰ですか? 500Hzの人の話し声ですか? それとも、40Hzのドラムのキックや、30Hzのサブウーファーの振動ですか?
**質量則(Mass Law)が支配する物理の世界では、周波数が低くなればなるほど、遮音は困難になります。 DIVERの設計基準は、カタログスペックの「D値」ではありません。 あなたの音源(ドラム、ピアノ、ホームシアター)の周波数特性を解析し、最もエネルギーの強い帯域をピンポイントで減衰させる「ターゲット周波数設計」**です。

家の中に、もう一つの「完璧な家」を浮かべる。
ドラムのキックペダルを踏んだ瞬間、その衝撃は床を伝わり、建物の躯体(骨組み)全体を揺らします。これが「固体伝播音」です。 いくら壁を厚くしても、壁や床が建物と繋がっている限り、この振動は止まりません。隣人の部屋で壁が鳴り響くことになります。
DIVERの回答は、完全浮構造「ルームインルーム(Room-in-Room)」です。
あなたの部屋の中に、高性能な防振ゴムやスプリングを用いて、床・壁・天井のすべてが建物から物理的に切り離された「独立したカプセル」を構築します。 建物とカプセルの間には空気層があり、接触点は防振材のみ。 振動エネルギーの逃げ道を完全に断つことでしか、真の静寂は手に入らないのです。
ルームインルーム+多層壁の断面構造図

質量則 × 異素材複合 = 「振動の絶縁」
音を止める浮かび上がった「カプセル」の壁自体の性能も重要です。 単に重い素材(コンクリートや単一の石膏ボード)を使っただけでは、特定の周波数で壁が共振し、音が素通しになってしまう「コインシデンス効果」が避けられません。
DIVERの壁は、異なる固有振動数を持つ素材を緻密に計算して重ね合わせた**「異素材複合多層構造」**です。
- Core Layer: 高剛性・高質量のアピトン合板。
- Damping Layer: 振動を熱に変える特殊制振シート。
- Absorption Layer: 内部の空洞共鳴を防ぐ高密度グラスウール。
これらを組み合わせることで、コインシデンスによる遮音低下の谷を埋め、全帯域でフラットかつ強力な遮音性能を実現します。
透過損失グラフ(コインシデンス効果の克服)

「窒息」しない防音室を。
NC-15以下の「無音換気システム」。
完全な防音室は、完全な密閉空間でもあります。 多くの失敗例が、換気扇の穴(開口部)から音が漏れるか、あるいは換気扇の風切り音(ノイズ)がうるさくて音楽の邪魔になるか、そのどちらかです。 最悪の場合、酸欠や熱ごもりを防ぐために、演奏中にドアを開け放つことになります。
DIVERは、潜水艦の設計思想に近い**「消音換気チャンバー(Expansion Chamber)」**を実装します。 空気の通り道を迷路のように複雑化させ、音波だけを吸音材で減衰させながら、新鮮な空気のみを室内に導く特殊機構です。
目標値は**NC-15(放送スタジオレベル)**の静寂。 空気が流れていることにさえ気づかないレベルで、あなたの脳と機材に新鮮な酸素を供給し続けます。
消音換気チャンバーの気流図

電気もまた、「音」の一部。
オーディオ機器やアンプにとって、電源は血液です。 家庭用の配線と混在した電源には、冷蔵庫やエアコンからのインバーターノイズが混入し、音の解像度を濁らせます。
DIVERの環境設計には、**「オーディオ専用電源工事」**が標準で組み込まれています。
- 分電盤からの単独回線引き込み。
- ノイズ混入を防ぐ、金属管(コンジット)によるシールド配管。
- アース(接地)抵抗値の徹底的な低減。
S/N比(信号対雑音比)を極限まで高めるためには、壁の中の「見えない配線」にこそ、コストをかけるべきだと私たちは考えます。
音は構造に宿る。
たちの提出する図面には、1mm単位の施工指示が書き込まれています。
ビス一本の打ち方、コーキングの充填密度、配管の曲げ角度。
そのすべてが、建築音響工学に基づいた「理由のある施工」です。
DIVERの現場に、なんとなくの作業は存在しません。
