自然と片づく家にする5つの工夫|散らからない間取りと習慣のつくり方

暮らしの工夫

「掃除してもすぐに散らかる」
「収納はあるのに、いつもモノがあふれてる」
「家族がなかなか“片づけ習慣”を身につけてくれない」

そんな悩みを抱えている方に向けて、今日は「自然と片づく家のつくり方」をお伝えします。
それは、“根性”や“収納グッズの多さ”では解決しません。

僕が建築士として大切にしているのは、
「行動と動線が一致していること」
家族全員が無理なく“片づけられる状態”が整っていれば、
片づけは習慣ではなく“自然な流れ”になります。


片づく家は、才能ではなく“設計”でつくる

「整理整頓が得意な人の家はきれい」──そう思っていませんか?

でも実際には、多くの“片づいている家”には共通する仕組みがあります。

  • 動線に合わせた収納
  • 「出す」と「しまう」がセットで完結する設計
  • 視線・手の高さ・習慣の動きに沿った配置

これらはすべて、「暮らし方を読み解いた設計」です。
モノが少ないわけでも、住人の性格が几帳面なわけでもありません。

つまり、「片づく家」は工夫と観察でつくれるんです。


工夫①|“帰宅動線”に収納を組み込む

最も散らかりやすい場所──それは玄関周辺です。
なぜなら、「とりあえず手に持っていたモノを置く場所」になっているから。

  • カバン・コート・郵便物・買い物袋
  • 子どもの帽子やランドセル
  • マスク・鍵・サングラスなどの小物

これらがリビングまで侵入しないように、
「帰ってきた瞬間にモノを預けられる場所」を玄関に設けましょう。

◎実例:
僕が提案しているのは、

  • 玄関に土間収納+フック+可動棚
  • その横に扉付きの“ただいまボックス”
  • そのまま洗面やパントリーに抜ける動線

これだけで、「とりあえず置き」が激減します。


工夫②|“一軍だけ”が見える収納

リビング収納やキッチンで散らかる原因の一つは、
“全部を同じように扱おうとすること”です。

実際には──

  • 毎日使う「一軍」
  • 週1回使う「二軍」
  • 予備として置いてある「三軍」

とモノの使用頻度には差があります。

だからこそ、収納は“見せる一軍”と“隠す二軍・三軍”に分けることがコツです。

◎実例:

  • キッチンの背面収納はオープン棚で“毎朝使う道具”だけを置く
  • 書類は“今週使うもの”だけを引き出し一段に集約
  • 洗面台下には、消耗品ストックと掃除道具を“立てて”収納

“よく使うモノ”がすぐ出せると、しまうのも面倒になりません。


工夫③|「しまうより“置く”が自然」な家づくり

片づけが続かない理由のひとつは、

「しまう動作がめんどう」だから。

僕がリノベで意識しているのは、
「置くだけで片づけたことになる」仕組みです。

◎具体的には:

  • 家族分の“パーソナルボックス”をLDKに置く(郵便・お菓子・ガジェット類)
  • 収納扉ではなく“カゴ収納”で“ポン置きOK”にする
  • よく着る服は、クローゼットより“オープンハンガー”を設置

つまり、「片づける=動作の最短化」。
“戻すのが面倒”をなくせば、自然とモノが散らかりません。


工夫④|家族ごとの“片づけゾーン”を決めておく

家族が増えると、片づけのルールが曖昧になりがちです。
特に子どもが小さいと、「誰のもの?」「誰が片づけるの?」が混在します。

僕が推奨しているのは、
「家族ごとのゾーニング収納」です。

◎ポイント:

  • 子どものおもちゃはリビングの一角に“子ども基地”をつくる
  • パパの書類は“マイルールOK”の引き出しを一段
  • 家族全員の共有物(文房具・薬)は“中央”の引き出しに配置

こうすると、「自分のエリアは自分が管理する」意識が育ちます。


工夫⑤|“片づけ”を習慣にする“きっかけポイント”を家に仕込む

最後に大切なのは、
「人はルールでは動かない。きっかけで動く」ということ。

「毎晩片づけよう」と決めても、疲れている日は続きません。
でも、ある“トリガー”があると、行動が習慣化しやすくなります。

◎僕が提案しているきっかけ:

  • 「照明を暗くしたら、片づけタイム」
  • 「お茶を飲んだら、リセット5分」
  • 「朝カーテンを開けたら、テーブルの上を拭く」

住まいの中に“自然なタイミング”を仕込むことで、
片づけは「やらなきゃ」から「気づいたらやってた」へ変わります。


僕が考える、“片づく家”の本質

片づく家は、収納が多い家ではありません。
暮らしの流れと収納が一致している家です。

  • 動線上に収納がある
  • 出しやすい=しまいやすい
  • モノの“居場所”が決まっている
  • “多少のゆるさ”を許容している

僕が目指しているのは、
「がんばらないのに、整っている家」。

それが「深呼吸したくなる家」に、必ずつながっていくと信じています。


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