自然素材はなぜ誤解されるのか?“安心”という言葉の落とし穴

木と素材


「自然素材=安心」という思い込み

「自然素材にすれば、アレルギーも出ないですよね?」
「化学物質が怖いので、全部自然なものでお願いしたいんです」

家づくりの現場で、こういった言葉を聞くことは少なくありません。
でも、僕はそのたびに“慎重に言葉を選ぶように”しています。

なぜなら、「自然素材=100%安心」というのは、半分は誤解だからです。


自然風”であっても自然ではない現実

たとえば、こういった例があります:

  • 「自然塗料」とラベルに書いてあるけど、成分の半分が石油由来だった
  • 「無垢材」と言われたが、実際は防腐処理された集成材だった
  • 「珪藻土の壁」は調湿効果があると思っていたのに、空気がこもって結露が悪化した

つまり、素材の名前やイメージだけで「安心」を決めつけるのは危険なんです。


安心のために必要なのは「ラベル」ではなく「中身」


① “自然素材”には定義がない

「自然素材」という言葉には明確な基準がありません。
業界内では、見た目や印象で“ナチュラルっぽい”ものが自然素材として扱われることもあります。


② 自然素材でもアレルギーが出ることがある

木のヤニ、漆喰のアルカリ性、天然の油脂や柑橘由来の防虫剤…。
それぞれに“自然由来のアレルゲン”が潜んでいることがあります。

とくに敏感な人は、天然=安全とは限らないという現実を知っておくべきです。


③ 本当に大事なのは「空気の流れ」と「使い方」

たとえば同じ無垢材でも、気密が取れていて換気が計画されている家と、
そうでない家では、室内空気の質がまるで違います。

素材単体ではなく、家全体の「空気設計」と組み合わせてこそ、自然素材は活きてくるんです。


自然素材を「活かせる暮らし」とは?

僕がいつもお伝えしているのは、

素材は“善”でも“悪”でもない。どう使うか、がすべてです。

✔ 子どもが床に寝転んでも平気にしたい?
✔ ペットが舐めても安全なものがいい?
✔ 年を取ったあとも、ずっと使い続けたい?

それなら「自然素材がいい」と思うのは自然なこと。
でも、“安心”の中身は、自分たちで理解して決めていく必要があります。


「自然素材を使いたい。でもちょっと不安…」

もし今、あなたが

  • 自然素材を取り入れたいけど、種類が多すぎて分からない
  • 健康のために素材を選びたい
  • アレルギーがある家族がいて慎重になっている

──そう感じているなら、「素材名」ではなく「素材とのつきあい方」から考えてみませんか?


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