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【京都の狭小地で実現】小さな家(9坪)のキッチンはこれで解決!動線を守る黄金比

小さい家ではキッチンも小さくなる

建坪9坪クラスの小さい家。リビングやダイニングと一体で15畳程度のLDKを計画すると、どうしてもキッチンの面積は限られてきます。
「作業台が狭い」「2人で立てない」「収納がすぐあふれる」──。小さい家の暮らしを考えると、キッチンは真っ先に課題が現れる場所です。

単に広さを確保することはできません。だからこそGreener’s Houseでは、寸法と動線を組み合わせて狭くても成立するキッチン”を提案しています。

今回は、建坪9坪のGreener’s House/9.0をベースに、小さい家のキッチンについて一緒に考えていこうとおもいます。

小さい家のキッチンに起こりやすい問題

まずはよくある悩みを整理してみましょう。

  • 作業スペース不足:まな板と調味料を並べたらもういっぱい。調理が片付けと同時進行になりがち。
  • 二人作業のストレス:通路が狭く、背後を通るたびに「ちょっとどいて」と声をかけ合う。
  • 収納の分散:シンク下や背面棚などあちこちにモノが散らばり、取り出しに手間がかかる。

広さが限られる小さい家では、これらが積み重なって「料理がしにくい」「食事の準備が億劫」といった日常の不便さにつながります。

小さい家のキッチンには最適解はない?

小さい家に「これが最適解」というキッチンプランは存在しません。
暮らし方や家族構成、料理にかける時間や頻度によって、必要な寸法や配置は変わります。

だからこそGreener’s Houseでは、**キッチンを“固定された形”ではなく“変化に対応する場所”**と捉えています。
そのうえで、狭さの中でも成立しやすい考え方として、以下の工夫を積み重ねています。

L型キッチンで移動距離を短縮

I型キッチンはシンプルですが、シンクとコンロが一直線に並ぶため、移動距離が長くなりがち。L型にすることでシンクとコンロを直角に配置でき、1〜2歩で調理作業が完結します。
小さい家では「歩数=時間=ストレス」。だからこそ移動距離を短縮するL型は、暮らしを助ける手段のひとつです。

L型キッチンで気をつける点は、コーナーの使い勝手が悪くなりがちになる点です。

作業台兼パントリー収納をカウンターに

背面に大型収納を置くと、通路が狭くなり二人作業が難しくなります。そこで発想を切り替え、作業台と収納を一体化したカウンターを採用。
カウンター上は補助作業台、下部はパントリー収納。料理中にすぐ手が届く配置で、無駄な動きを抑えられます。

Greener’s Houseでは、ダイニングテーブル、パントリー収納、リビング収納などは全てオーダーで間取りに合わせてつくります。そうすることで、狭さを広さに変えていきます。

半円型ダイニングテーブルで動線を確保

四角いテーブルはスペース効率が良い反面、通路を圧迫しがち。半円型なら壁側に寄せて配置でき、通路側は丸みで広がりを感じられます。
省スペースで座席数を確保でき、配膳や片付けもスムーズ。限られたLDKを最大限に活かせます。

家事動線を優先する設計

キッチンからパントリー、ダイニングへ。動線は短く直線的にまとめます。回遊動線は便利ですが、小さい家ではスペースを圧迫することも多い。
「狭いからこそ、直線的で最短距離の家事動線を優先する」──そんな考え方をベースにプランを組み立てています。

寸法で見る“ちょうどいい”キッチン

プランの意図を理解したら、次は寸法。数字で見てみると、暮らしのしやすさがイメージしやすくなります。

  • 作業台奥行き:60cmが標準。まな板とボウルが同時に置けるサイズ。55cm以下では調理が窮屈。
  • 作業台幅:90cmで一人が快適に作業でき、120cmあれば二人同時に立てる。
  • 通路幅:一人作業なら85〜90cmで快適。二人がすれ違うなら110〜120cmが目安。
  • ダイニングとの距離:90cmあれば配膳や片付けがスムーズ。
  • 半円テーブルのサイズ:直径150cm程度なら4人がゆったり座れる。

これらを押さえることで、「狭いからしょうがない」ではなく「狭いからちょうどいい」設計が可能になります。

暮らしのイメージが変わる

実際に暮らしを想像してみましょう。

  • 夫婦で調理:シンク係とコンロ係に自然に分かれて作業。L型の効率性が光ります。
  • 子どもと盛り付け:半円テーブルを補助台にして、家族で一緒に準備。遊びの延長で食事が整います。
  • 食材の出し入れ:カウンター下の収納から必要なものをさっと取り出す。無駄な動きがない。
  • 来客時:キッチンとダイニングが一体化しているから、調理をしながら会話も弾む。

小さい家だからこそ、生活のシーンとキッチンが密接に結びつく。空間が家族の距離を近づける設計です。

まとめ

小さい家のキッチンは「広さ」ではなく「寸法と動線」で快適性が決まります。
L型配置で移動距離を短縮し、作業台とパントリーを兼ねるカウンターで収納力を高め、半円テーブルで通路を広げる。家事動線を優先することで、狭くても成立するキッチンが完成します。

「狭いから不便」ではなく、「狭いからちょうどいい」。それがGreener’s Houseが考える、小さい家のキッチンプランの答えです。

あなたの暮らしに合ったキッチン寸法や動線はどんな形でしょうか?
Greener’s Houseでは、図面と生活イメージを重ねながら“小さい家だからこその最適解”をご提案しています。ぜひ一度ご相談ください。

小さな家の家事動線についての記事も書いてます。小さな家にとって家事動線は重要なポイントです。お時間が許すのであれば、ぜひあわせて読んでみてください。⬇️