「趣はあるけど、使いづらい」そんな空間でした
京都の路地奥にあった、築年数不詳の町家。
木の風合いや佇まいに魅力はあるものの、断熱性が低く、湿気も多く、冬は底冷え。
照明も暗く、空間として“使いこなせない”状態でした。
けれど、依頼主の想いははっきりしていました。
「この建物、壊したくないんです」
「残せるものは残して、ギャラリーとして再生したい」
「壊したくない」という気持ちは、設計の出発点になる
僕自身、この建物に初めて足を踏み入れたとき、
年季の入った梁や天井板、やわらかい光の回り方に心を奪われました。
建物の状態は決して良いとは言えません。
けれど、時間が染み込んだ素材は、簡単に真似できるものではない。
「壊さずに整える」——
僕が長年向き合ってきたテーマを、この物件でも実現したいと思いました。
空気・温熱・素材の“下ごしらえ”から始める再生設計
◉ 断熱と湿気対策
古民家特有の冷え込みと湿気に対応するために、床・壁・天井にしっかりと断熱材を充填。
気流止めの施工も併用し、“空気の通り道”を設計し直しました。
◉ 光の入り方を活かすレイアウト
自然光が入りにくい立地でも、障子や反射壁を使って**「光を回す」設計**に。
結果、照明を点けなくても自然に明るい空間に仕上がりました。
◉ 素材は“生きているもの”を
天井の梁、床板、腰壁には、自然乾燥させた無垢材を選定。
既存の古材と“素材の経年差”が心地よく混ざるように設計しました。
ギャラリーとして“場の空気”が整った
完成した空間を訪れた依頼主は、
「まるで“建物が深呼吸してるみたい”ですね」と話してくれました。
もともと存在していた美しさを活かし、
現代の快適性を加えながらも、空気の質と居心地を大切にした再生。
来訪者も驚くほど長居してくれる、そんな空間に生まれ変わりました。
こういう方におすすめのリノベです
- 古い家を壊さずに活かしたい方
- 築年数のある建物に愛着がある方
- 自然素材や空気の質に敏感な暮らしを求める方
- 住宅以外の用途(店舗・ギャラリー)で空間を再生したい方
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Plan. HAGANE
Design. HAGANE