
小さい家でトイレに感じやすい悩み
小さい家を検討している人からよく聞かれるのが「トイレはどうなるの?」という声です。延床20坪前後の家では、リビングや寝室を優先してトイレは最小限になりがち。そのため、
- 狭くて落ち着かない
- 音や匂いが気になる
- 収納スペースが足りない
といった不安を抱える方が多いのです。
特にワンフロアがコンパクトな小さい家では、トイレがリビングやダイニングのすぐ近くに配置されるケースも少なくありません。来客時の気まずさや、家族の生活リズムでの使いにくさを感じる原因にもなります。
図面で見る「小さい家のトイレ」配置例
今回のモデル「greener’s house / 10.0」では、トイレは2階に配置されています。1階は17.5畳のLDKを広く確保するため、トイレをあえて2階の洗面・浴室ゾーンとまとめています。
この配置のメリットは以下の通りです。
- リビングと距離がある:音や匂いが直接伝わりにくい
- 水回り動線がコンパクト:洗面・浴室と一体で使いやすい
- 階段でワンクッション:心理的にも落ち着いて利用できる
小さい家では「ただ狭い空間を詰め込む」だけでなく、暮らしやすさのバランスを取ることが重要です。
小さい家のトイレを快適にする工夫
1. トイレの広さを錯覚で補う
小さい家ではトイレの面積は0.5〜1畳が一般的です。圧迫感を減らすには、壁紙を明るく、天井を少し高めに取ると効果的。また、吊り棚収納を取り入れて床を見せることで、空間を広く感じられます。
2. 音と匂い対策を忘れない
小さい家ほど生活音が伝わりやすいので、トイレの扉には防音性のあるものを選びましょう。また、僕たちはトイレの間仕切り壁に断熱材(グラスウール)を設置します。
グラスウールは吸音性に長けているので音の問題も解決できます。
GH/10.0は機密性の高い小さな家です。そのため、吸排気型の換気扇をトイレに設置するので、トイレ独特の匂いもこもる心配はありません。
3. 収納は「近くに置く」発想
トイレットペーパーや掃除用具を全部トイレ内に収めようとすると窮屈になります。小さい家の場合、同じフロアの廊下収納や洗面収納を活用する方が実用的です。
どうしてもトイレないに収納が必要な場合は、吊り戸棚なども併用するといいです。
4. トイレを2カ所設ける選択肢
延床20坪前後の小さい家でも、家族が多い場合は1階と2階に1つずつ設けるケースもあります。コストや面積の兼ね合いがありますが、朝の混雑を避けたい家庭には有効です。
5. 階段下をトイレにする
小さな家の場合、階段下も有効的に利用することが望ましいです。
階段下にトイレを設置する場合は、便器の前に立ち階段の上がりが1800mm以上あれば、高さなども気にならない程度におさまります。
小さい家のトイレを考えるときのポイントまとめ
- 直結配置は避ける:リビングやダイニングからワンクッション置く
- 収納を分散する:トイレ外にストック場所を確保する
- 視覚的な広がりを演出:明るい内装やグリーンで閉塞感を解消
- 生活動線に馴染ませる:洗面や浴室とセットでまとめると効率的
- 引き戸 :トイレの扉できるだけ引き戸となる設計にする。
- 階段下にトイレ : 階段下をトイレに使用する場合は、高さなどを考慮するとベストな選択になる。
「狭いから不便」と思いがちな小さい家のトイレですが、工夫次第で落ち着ける空間に変わります。大切なのは、延床面積の大きさではなく、どう配置し、どう見せるかという視点です。
まとめ
小さい家で暮らすとき、トイレの快適性は暮らしの満足度に直結します。狭さを受け入れるのではなく、動線・心理的距離・デザインの工夫で「小さいけれど心地いい」空間をつくることが可能です。
小さい家のリノベーションや間取りを考える際は、「トイレは狭いもの」と諦めず、暮らし全体のバランスの中でベストな配置を探してみてください。
👉 Greener’s Houseでは「小さい家×快適なトイレ空間」の設計提案も行っています。お気軽にご相談ください。