始めに読む記事6選自然素材の活かしかた

自然素材だけの家に騙されるな ― 本当に快適な家は性能で決まる

  1. 自然素材の家=安心だと思っていませんか?
    1. 素材に頼りきった家の、残酷な現実
    2. 素材の力を生かすのは、設計と性能
    3. 「自然素材だから安心」は幻想です
  2. 素材だけでは守れない理由を徹底解剖
    1. 無垢フローリングは、冷気を止める壁ではない
    2. 「素材に性能を頼る」のは間違い
    3. 「冬寒い家」になる根っこ
    4. 性能を無視して、素材に期待するのは危険
  3. 無垢フローリングの暖かさを支える3つの条件
    1. 1️⃣ 床下を含めた“本気の断熱”
    2. 隙間風を封じる“気密性能”
    3. 3️⃣ 太陽の熱を蓄える“パッシブデザイン”
    4. この3つが揃って、初めて“暖かい無垢フローリング”になる
  4. 自然素材×高性能を両立する家づくりの進め方
    1. 1️⃣ 素材より先に、性能を固める
    2. 2️⃣ 設計段階でパッシブデザインを入れ込む
    3. 3️⃣ 素材の特性を理解して選ぶ
    4. 設計と施工を丸ごと信頼できる人を選ぶ
  5. 高性能×自然素材の家がくれる暮らしの豊かさ
    1. 足元から感じる、守られている感覚
    2. 空気の質が暮らしの質を決める
    3. 「家に守られている」という安心感
    4. 深呼吸したくなる家
  6. 自然素材×高性能の家をつくるために、今やるべきこと
    1. まず、自分の家の“今”を知ろう
    2. 設計で性能を決める
    3. 素材選びは、最後の楽しみに
    4. 一歩踏み出す人だけが後悔しない
  7. まとめ|自然素材の家は、高性能であってこそ本物

自然素材の家=安心だと思っていませんか?

自然素材の家が「体にいい」「安心できる」「快適なはずだ」と、イメージだけで語られすぎている現実に疑問を抱きます。

無垢のフローリングを張れば、冬でも素足で歩けます。
漆喰を塗れば、湿気が勝手に調整されます。
珪藻土を使えば、結露なんて起きません。

──そんな都合のいい話を信じて何百万円もかけて自然素材を選んだのに、冬は床が冷たくて、結露は止まらず、カビが増える。

こんな家を、僕はこれまで何軒も見てきました。

だからこそ、この記事を書いています。

素材に頼りきった家の、残酷な現実

自然素材は確かに素晴らしい。
杉の床の足触り。漆喰の柔らかな光。
珪藻土の壁がつくる落ち着いた空気感。

だけど、それだけでは家族の暮らしは守れない。

断熱が弱ければ、床下から冷気が這い上がる。
気密が甘ければ、隙間風が足元を冷やす。
パッシブデザインを無視すれば、冬は寒く、夏は暑い。

素材だけで、温度も湿度も空気も、
勝手にちょうど良くなるなんて、あり得ません。

素材の力を生かすのは、設計と性能

僕は自然素材を愛しています。
でもそれは、家全体がちゃんと性能を備えているからこそです。

高い断熱で外の熱を遮る。
気密で無駄な隙間を封じる。
太陽の熱を室内に取り込む設計を考える。
換気をコントロールして湿気や汚れた空気を追い出す。

こうした家の基本が整って初めて、
自然素材の心地よさは本物になります。

「自然素材だから安心」は幻想です

僕が何度でも伝えたいのはこれです。

素材だけでは、暮らしは守れない。

守るのは、家そのものの性能。
その上で、自然素材をどう活かすかが本当の家づくり。

だからこそ、この記事を書いています。

次の章では、
なぜ素材だけでは人を守れないのか、
構造の話を交えてとことん掘り下げます。

自然素材の家が、本当の意味で快適になる条件を、
僕と一緒に考えてみてください。

素材だけでは守れない理由を徹底解剖

無垢フローリングを選んだのに、冬の朝が寒い。
漆喰の壁にしたのに、結露が止まらない。
「自然素材だから安心できるはず」だった家で、
どうしてこんな現実が起こるのか。

その原因は、シンプルです。

無垢フローリングは、冷気を止める壁ではない

無垢フローリングは確かに熱を伝えにくい素材です。
だから、タイルや石に比べればヒヤッとしにくい。

でも、それはあくまで“肌触り”が柔らかいだけの話。
床下から這い上がる冷気を、
無垢フローリングが完全にブロックすることはできません。

つまり、床そのものを温めるのは、太陽光や室温が高いなどの条件が必要なんです。
その役目をになっているのは断熱材と気密施工
なのです。

「素材に性能を頼る」のは間違い

自然素材には確かに優れた面があります。
無垢材には調湿性がある。
漆喰や珪藻土にも空気中の湿気を吸ったり吐いたりする力がある。

でも、それは微々たるものです。

家の構造がスカスカなら、
無垢フローリングがどれだけ呼吸しても、
床下から吹き上がる冷気に勝てるわけがない。

珪藻土がいくら湿気を吸っても、
結露が発生するレベルの断熱不足なら、カビは止まらない。

「冬寒い家」になる根っこ

原因はいつも同じです。

  • 床下に十分な断熱が入っていない
  • 壁や天井の断熱が不足している
  • 気密が甘く、隙間風が止まらない
  • 太陽の熱をうまく取り込めない設計

これがセットになると、
無垢フローリングをいくら張っても、
ただの“冷たい木の板”でしかなくなる。

僕が何度も言うのはここです。

無垢フローリングを暖かくするのは、木そのものではなく、
家の断熱と気密とパッシブデザインの力です。

性能を無視して、素材に期待するのは危険

世の中には「自然素材の家」と謳いながら、
構造の性能をおざなりにしている家が山ほどあります。

見た目は素敵。パンフレットの写真も素敵。
でも、いざ暮らすと寒い、湿気がひどい、手入れが大変。

「無垢フローリングだから安心」
「漆喰だから空気がきれい」

この思い込みが、後悔の元です。

次の章では、
無垢フローリングの暖かさを引き出すために絶対に必要な
高断熱・高気密・パッシブデザインの具体的な中身

とことん深堀りします。

素材の力を性能で支えるとは、どういうことか。
一緒に見てください。

無垢フローリングの暖かさを支える3つの条件

色々なことを書きがちな僕です。気持ちを抑えるためにわかりやすく無垢のフローリングに絞って話していこうとおもいます。

無垢フローリングを選ぶ人の多くが、
「冬でも素足で気持ちいい床にしたい」と思っています。

でも現実はどうでしょう?

何の準備もしないまま無垢フローリングを張れば、
冬の朝、スリッパがなければ立てない床になります。

じゃあ、どうすれば無垢フローリングが本物の“ぬくもり”を発揮するのか。
僕が現場で絶対に外さない条件は、たったの3つです。

1️⃣ 床下を含めた“本気の断熱”

無垢フローリングの下には、必ず冷たい空気がいます。
その冷気を止めるのは、木ではなく断熱材です。

だから僕は、
「無垢フローリングを張りたいです」と言われたとき、
必ず床下断熱の厚みと納まりを徹底的に確認します。

床下全面に隙間なく断熱材を入れること。
必要なら基礎断熱を組み合わせて、
足元の冷えの元を根こそぎ断ち切る。

これをやらずに無垢材を張るのは、
高級なコートを着ているのに、足元だけ裸足で外を歩くようなものです。

隙間風を封じる“気密性能”

どれだけ断熱しても、家のあちこちに小さな隙間があれば、
冬の冷たい空気は容赦なく入り込んできます。

その結果、床は底冷えし、せっかくの無垢フローリングも冷たい板に変わる。

だから大事なのが気密性能です。

高気密と聞くと「息苦しいのでは?」と誤解されますが、
実際は逆です。
隙間風を止めるからこそ、計画換気が正しく機能し、
ムラのない快適な空気が家中に巡ります。

3️⃣ 太陽の熱を蓄える“パッシブデザイン”

無垢フローリングを本当に活かす人は、
断熱・気密だけでは終わりません。

冬の低い太陽の熱をしっかり室内に取り込み、
床に蓄熱させる。

これがパッシブデザインの要です。

南の窓を大きめにする。
軒や庇で夏の直射は遮り、冬の日差しだけ入れる。
太陽熱が床に届く配置を設計する。

こうして昼間に蓄えた熱は、夜までほんのり残り、
無垢フローリングが「素足で心地いい床」へと変わります。

この3つが揃って、初めて“暖かい無垢フローリング”になる

無垢材そのものが暖かいんじゃない。
断熱・気密・パッシブデザインが土台になって、
無垢フローリングの価値が何倍にも跳ね上がる
んです。

素材を信じるのは素敵です。
でも、素材を活かすのは、設計と施工の技術です。

無垢のフローリングに絞って話してきましたが、これは珪藻土や漆喰だったとしても話は同じです。詳しくはこちらの記事でも書いてますので、読んでみてください。

自然素材×高性能を両立する家づくりの進め方

自然素材を使うなら、高性能住宅にすること。
これは理屈ではなく、絶対条件です。

でも、多くの人は「自然素材にこだわる」ことに意識を奪われて、
肝心の性能計画を後回しにしてしまう。

結果どうなるか?

高いお金をかけて無垢フローリングを張ったのに、
冬は底冷えする。

漆喰の壁を塗ったのに、
結露で黒カビが生える。

これを防ぐために、正しい順番で進めてほしいんです。

1️⃣ 素材より先に、性能を固める

まず最初にやるべきは、
床下から屋根まで、家全体の断熱と気密の計画を立てること

ここをいい加減にして、後から「無垢フローリングを入れたい」と言っても、
冷たい空気を断熱なしで止めることはできません。

漆喰や珪藻土の調湿力も、
計画的な換気ができていないと結露に負けます。

だから素材選びの前に、
断熱材の種類と厚み、気密の施工精度、そして計画換気

声を台にして言います。これを確認しないまま「自然素材に憧れてます」は、
後悔の始まりです。

2️⃣ 設計段階でパッシブデザインを入れ込む

性能を活かすのが、パッシブデザインです。

冬の日射を床に落とす窓の配置。
庇や軒で夏の直射を防ぐ。
室内に風の通り道をつくる。

こうした自然の力を味方にする設計を最初に決めておくと、
無垢フローリングも漆喰の壁も、
本来の力を何倍にも発揮してくれます。

3️⃣ 素材の特性を理解して選ぶ

無垢材にも柔らかい杉から硬いオークまで色々あります。
漆喰も左官の仕上げで性能が変わる。
珪藻土も既製品と現場塗りでは吸放湿性が違う。

だからこそ大事なのは、
「自分の暮らしに合った素材を選ぶ」ことです。

メンテナンスが苦にならないか。
経年変化を楽しめるか。
素材の呼吸を妨げない塗装を選んでいるか。

無垢フローリングだから、漆喰だから、で終わらせない。
自分の暮らしに馴染むかを考えてほしい。

設計と施工を丸ごと信頼できる人を選ぶ

結局、自然素材と高性能を両立できるかどうかは、
誰と家をつくるかに尽きます。

性能の数字を理解し、
素材の扱い方を知り、
パッシブデザインを形にできる人。

設計と現場、両方を知る人と組んでください。

誰に相談していいかわからないなら僕に相談してください。全国でもメールでなんでも対応できます。

次の章では、
高性能な自然素材の家がくれる本当の豊かさ、
「深呼吸したくなる暮らし」を具体的な暮らしのシーンでお伝えします。

高性能×自然素材の家がくれる暮らしの豊かさ

僕がこの仕事をしていて、一番嬉しい瞬間があります。

それは、完成した家に初めて足を踏み入れたとき、
施主さんが無垢フローリングに素足で一歩を乗せて、
「うわ、冷たくない!」と笑ってくれる瞬間です。

その笑顔をつくるのは、素材だけじゃない。
断熱も、気密も、太陽の熱も、全部が支えているからこそです。

足元から感じる、守られている感覚

高性能な家で無垢フローリングを張ると、
冬でも裸足で過ごせます。

杉の柔らかい木肌に足が触れたときの安心感。
足の裏から伝わるぬくもり。

部屋の空気はどこも同じ温度だから、
場所を移動しても寒さを感じない。

これが、性能がしっかりした自然素材の家だけが与えてくれる
「守られている」という体感です。

空気の質が暮らしの質を決める

漆喰の壁や珪藻土の天井が湿気を調整する。
断熱と気密で温度差をつくらない。
計画換気で空気を入れ替え、匂いがこもらない。

この環境の中では、
子どもが床に寝転がっても平気。
加湿器や除湿機に頼らなくても、
室内はいつもカラッと快適。

素材と性能が噛み合うと、
空気の質がひとつ上のレベルに上がります。

「家に守られている」という安心感

高性能な自然素材の家は、
外の暑さや寒さを寄せつけない。

強い風の日でも、雨の日でも、
室内の温度と湿度はゆるがない。

だからこそ、暮らしている人は無意識のうちに
家に守られている安心感を感じます。

この無意識の安心こそが、僕が届けたい暮らしの豊かさです。

深呼吸したくなる家

自然素材の家は、見た目が美しい。
木の節、左官の表情、年月を重ねて深くなる色。

でも、本当に価値があるのは
「その美しさが、ちゃんと快適さと両立している」という事実です。

形だけの自然素材の家ではなく、
性能が根っこにあるからこそ、素材が活きる。

これが僕の考える「本物の自然素材の家」です。

最後の章では、
後悔しないために、
自然素材と高性能の家をつくるために、
今すぐできること・動くべきことを整理してお伝えします。

自然素材×高性能の家をつくるために、今やるべきこと

ここまで読んでくれたあなたには、
もう分かってもらえたはずです。

無垢フローリングを張れば、
漆喰の壁を塗れば、
それだけで「快適な家」になるわけじゃない。

自然素材の家に必要なのは、性能です。

高断熱で熱を守る。
高気密で空気を制御する。
パッシブデザインで自然の力を取り込む。

その上に、無垢の木や漆喰、珪藻土を重ねてこそ、
本当に気持ちいい家ができあがる。

まず、自分の家の“今”を知ろう

理想の家をつくる一歩目は、
「自分の家が今どういう状態か」を知ることです。

築年数が古い家なら、
床下の断熱が入っているか、どれくらいの厚みか。

壁の中の断熱材は何か。
窓の断熱性能はどれくらいか。

これを一度、プロと一緒に確認するだけで、
どこから手をつけるべきかが見えてきます。

設計で性能を決める

性能は、間取りが決まってから考えるのでは遅いです。

家の向き、窓の大きさと配置、屋根のかけ方。
これを設計の初期段階でパッシブデザインとして考えておく。

「間取りが完成した後に性能を足す」のではなく、
最初から性能とデザインを一体で考えること。

これができる設計者を選ぶのが、後悔しない最大のポイントです。

素材選びは、最後の楽しみに

性能の骨組みが決まってからこそ、
無垢フローリングの樹種を選んだり、
漆喰の塗り方を決めたり、
珪藻土の仕上げを考える時間が楽しくなります。

逆に、性能をおざなりにして素材選びに走ると、
「冬が寒い」「湿気がすごい」という後悔が待っています。

素材選びは、安心できる家をつくってから楽しむもの。
これが僕の答えです。

一歩踏み出す人だけが後悔しない

頭の中で考えるだけでは、
家の性能は一ミリも変わりません。

「自然素材を使いたい」
「でも性能も妥協したくない」

そう思った人こそ、
まずは信頼できるプロに話をしてみてください。

まとめ|自然素材の家は、高性能であってこそ本物

僕が伝えたいのはただ一つ。

素材は、家そのものが強く快適であってこそ活きる。

無垢フローリングも、漆喰の壁も、
あなたの暮らしをちゃんと守る家でこそ、本物になる。

後悔しないために、
その一歩を、今すぐ踏み出してください。

あなたの想いを、直接聞かせてください

あおかわに相談するならまずはこれを読んでください。

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