京都の空き家を断熱リフォーム!失敗しない7つの視点

中古リノベ
  1. 第1章:京都の空き家って本当に住めるの?
    1. ◉ 京都という地域が、その不安をさらに強める
    2. ◉ ユーザーが不安に感じている“本当のポイント”とは?
  2. 第2章:「水回りは綺麗だけど寒い家」そのリフォームは本当に意味がある?
    1. ◉ なぜ“満足”が“後悔”に変わるのか?
    2. ◉ 目に見える快適さは、“表層の満足”に過ぎない
  3. 第3章:断熱リフォームとは“見えない快適さ”を整えるということ
    1. ◉ 快適さの正体は、空気・温度・湿度のバランスにある
    2. ◉ 京都の空き家には、空気を乱す条件がそろっている
    3. ◉ 断熱リフォームは、“快適をつくる設計工事”である
  4. 第4章:床が冷たい、隙間風が止まらない ― 空き家の構造的リスクとは
    1. ◉ 構造リスク①:床下断熱が“そもそもない”
    2. ◉ 構造リスク②:壁の中に断熱材がない/効いていない
    3. ◉ 構造リスク③:窓・建具の熱損失が大きすぎる
    4. ◉ 構造リスク④:気密がゼロに近い
  5. 第5章:断熱リフォームは「快適さへの再投資」である
    1. ◉ 快適さとは、“空気が整っている”という体感の連続である
    2. ◉ 空き家リフォームにこそ、「空気を整える」価値がある
    3. ◉ 健康・光熱費・家族の時間。すべてに繋がっていく
  6. 第6章:補助金で損をしないために ― 断熱が“後回し”になると起きること
    1. ◉ よくある失敗例:「設備は最新、でも寒い」
    2. ◉ 「制度の枠内で満足」するか、「暮らしにとって本当に必要な選択」をするか
  7. 第7章:僕がリフォーム工事で“空気設計”を最初に考える理由
    1. ◉ 空気は図面に描けない。でも、暮らしを決定づける
    2. ◉ 空き家こそ、「中身から設計し直す」チャンス
    3. ◉ 僕の見積もりには、思想が入っている
  8. 🌿 もっと深く、もっと自由に。暮らしの選択肢を広げたいあなたへ
    1. 🟢 お問合せはこちら|あなたの想いを、直接聞かせてください
    2. 📚 Kindle書籍|深呼吸したくなる家を、設計する。
    3. 📥 無料PDF|京都で後悔しない断熱・リノベの教科書
    4. 📝 note|現場の言葉と想いを、より深く綴っています

第1章:京都の空き家って本当に住めるの?

― 寒そう、古そうという“感覚的不安”の正体


空き家を購入してリフォームしよう。
そう思ったとき、ほぼ例外なく出てくるのがこの言葉です。

「でも、寒そうですよね」


これは単なる“イメージ”ではありません。
多くの人が、過去の体験と記憶からその感覚を抱いています。


  • 祖父母の家の廊下が、足がしびれるほど冷たかった
  • 冬のトイレが地獄だった
  • ストーブの前から離れられなかった
  • どこからか風が入ってきて、朝まで眠れなかった

つまり、**「空き家は寒い」という印象は、実際に体で覚えた“記憶ベースの不信感”**なのです。


◉ 京都という地域が、その不安をさらに強める

京都は、見た目には穏やかそうな気候に見えます。
でも実際は、**底冷えと湿気の“ダブルパンチ”**という特徴があります。

  • 夏は湿気でジメジメ
  • 冬は空気が乾き、足元から冷える
  • 盆地特有の気流で、外の空気がこもる

こうした**地域特性を知らずに空き家を購入すると、「冬が来てから後悔する」**というケースが非常に多いんです。


◉ ユーザーが不安に感じている“本当のポイント”とは?

表面上は「予算が不安」「古くて壊れてそう」などの声が多いですが、
本質はこうです:

「お金をかけても、住めなかったら意味がない」
「綺麗になっても、寒さに耐えられなかったら失敗になる」


実際、こんな事例があります。

キッチンや浴室をリフォームして、見た目は一新されたのに、
「冬になると朝起きられない」「脱衣所が寒すぎる」
そんな後悔が残る家を、僕は何軒も見てきました。


だから僕はいつも最初にこう言います。

「見た目の前に、“空気”の話をしましょう」

空き家の再生は、まず
「寒そう」という不安の正体を見極めてから設計に入るべきなんです。

第2章:「水回りは綺麗だけど寒い家」そのリフォームは本当に意味がある?


「キッチンも綺麗になったし、お風呂も快適。見た目も良くなって満足です」

リフォーム直後に、そう語る人は多いです。
確かに、見た目が大きく変わる場所は満足度が高い。
特に水回りは、家の中でも「使う頻度が高くてストレスを感じやすい場所」だから、
ここが新しくなると、心理的な安心感が得られるのは事実です。


でも——それは“最初の3ヶ月だけ”です。


リフォームから季節が変わり、冬が来たとき。
キッチンの床が冷たすぎて朝立てなくなる。
浴室はきれいでも、脱衣所で湯冷めする。
トイレに行くたびに震える。


そしてこう思うようになるんです。

「たしかに綺麗になったけど……やっぱり寒い家だったんだな」


◉ なぜ“満足”が“後悔”に変わるのか?

理由は明確です。
**「目に見える場所ばかり整えたから」**です。

  • 見た目や機能はすぐに変えられる
  • でも空気の質、温度、湿気は**“構造と設計の話”**

つまり、体感が整っていなければ、快適さは続かない


僕のところにも、こういう声が届きます。

「見た目は理想どおり。でもこんなに寒いと思わなかった」
「やるなら断熱も一緒にやるべきだったと後悔しています」
「次は断熱からやります……」


◉ 目に見える快適さは、“表層の満足”に過ぎない

本当に暮らしが快適になるのは、家の中の空気が整っているときです。

  • キッチンに長く立てる
  • 脱衣所で凍えない
  • 朝の動作がスムーズになる
  • 暖房の効きが良くなるから光熱費も下がる

それらすべては、“断熱を整えたかどうか”にかかっています。


水回りのリフォームは確かに大切です。
でも、「暮らせる家かどうか」は断熱なしには語れない。

第3章:断熱リフォームとは“見えない快適さ”を整えるということ


「リフォームして快適になる」
そう聞くと、つい目に見える部分の話だと思いがちです。

キッチンが新しくなって、収納が増えた。
お風呂が広くなって、浴槽が保温タイプに変わった。

もちろん、それらも大切な快適性です。
でも、実はそれ以上に大きく暮らしを左右するのが、
“見えない快適さ”――つまり、空気の質です。


◉ 快適さの正体は、空気・温度・湿度のバランスにある

人は家の中で、何を感じているか?

  • 温度差がないこと
  • 湿気がこもらないこと
  • 冷気や隙間風がないこと
  • 呼吸がしやすいこと

これらはすべて、「空気」によってもたらされる感覚です。

でも残念なことに、多くのリフォームプランには、
この“空気設計”が含まれていません。


◉ 京都の空き家には、空気を乱す条件がそろっている

  • 床下がスカスカで断熱がない
  • 壁の中に断熱材が入っていない(または劣化している)
  • 窓が単板ガラスで熱が逃げる
  • 換気が“自然まかせ”で湿気が抜けない

つまり、リフォーム以前に、「空気が整っていない」のが空き家の宿命なんです。


◉ 断熱リフォームは、“快適をつくる設計工事”である

断熱とは、ただ素材を入れるだけじゃありません。

  • どの部位に
  • どれくらいの厚みで
  • どんな素材を
  • どう気密と連動させて入れるのか

これらを家全体の“空気の流れ”と連動して考えないと、効果は出ない。


だから僕はこう言います。

「断熱リフォームとは、空気を設計しなおすこと」

温熱環境は、暮らしの質のベースです。
それが整っていないままでは、
どんなに見た目が変わっても、“根っこの不快”は取り除けない。

第4章:床が冷たい、隙間風が止まらない ― 空き家の構造的リスクとは


「床が冷たくて、靴下を履いていても足がしびれる」
「どこからともなく風が入ってきて、暖房が効かない」
そんな経験はありませんか?

実はこれ、京都の空き家で非常によくある話なんです。


その原因は、見た目ではわからない**“構造の内側”にあります。**


◉ 構造リスク①:床下断熱が“そもそもない”

昔の家は、床下が“吹き抜け状態”。
断熱材がまったく入っていないか、入っていても隙間だらけ。

冬になると、外の冷気がそのまま床に伝わり、
**「断熱どころか、屋外と同じ」**という状況になってしまう。

だから、どれだけ暖房をつけても足元は冷たい。
エネルギーだけが無駄に逃げていく。


◉ 構造リスク②:壁の中に断熱材がない/効いていない

築40年以上の空き家では、
壁の中に断熱材が入っていないことが珍しくありません。

また、入っていたとしても、長年の湿気・結露で機能を失っているケースも多い。

つまり、壁がただの“仕切り”になってしまっていて、
外の冷気や熱気をほぼそのまま通している状態。


◉ 構造リスク③:窓・建具の熱損失が大きすぎる

京都の空き家には、
・単板ガラス
・アルミサッシ
・すきま風が入る木製建具
といった、“外とつながった窓”が多く使われています。

ここから熱が逃げ、冷気が入り、
せっかくの断熱リフォーム効果を打ち消してしまう。


◉ 構造リスク④:気密がゼロに近い

隙間風の正体は、気密性の欠如です。
古い家は「自然に風が通るようにできている」と言われますが、
それは同時に、冷気・湿気・熱気も“素通し”ということ。

だから僕たちは、断熱と気密を**“同時に考える”ことを必須にしている。**


構造的に対処されていない空き家は、
「リフォームしても寒いまま」になるリスクが非常に高い。

それを防ぐには、見た目ではなく、構造の内側を先に整えることが必要なんです。

第5章:断熱リフォームは「快適さへの再投資」である


断熱にお金をかけるなんて、贅沢じゃない?
水回りや見た目の工事だけでも十分じゃないか?

そう感じる人がいるのも、正直よくわかります。

でも、僕は断熱リフォームを「贅沢」ではなく、
**“快適に生き直すための再投資”**だと伝えたい。


◉ 快適さとは、“空気が整っている”という体感の連続である

たとえば、断熱された家に住むと——

  • 朝、起きた瞬間の空気が冷たくない
  • キッチンに立っていても、足が冷えない
  • 洗面所で震えることがない
  • 子どもが床に座って遊んでいる

これらすべてが、“目に見えない快適さ”の恩恵です。
体の動き・気持ち・暮らしの余裕が変わる。


◉ 空き家リフォームにこそ、「空気を整える」価値がある

空き家は、単に古い家ではありません。
それは、新しい暮らしの器であり、未来の土台です。

だからこそ、
「見た目だけ整えて終わり」ではなく、
“中身から再設計する”リフォーム=断熱の再投資が意味を持つ。


◉ 健康・光熱費・家族の時間。すべてに繋がっていく

断熱がしっかり効いている家では、
ヒートショックリスクが減り、暖房効率が上がり、
家族が自然にリビングに集まるようになる。

それは単に「暖かい家」ではなく、
**“暮らしやすさの質が底上げされた家”**なんです。


ゴウさんのような設計者が見るのは、
素材や数値の性能だけじゃない。
**「この空間で、ちゃんと呼吸できるか」**という問いです。

だからこそ、断熱リフォームは未来の自分に対して贈る、
静かな再投資なんだと、僕は思います。

第6章:補助金で損をしないために ― 断熱が“後回し”になると起きること


「補助金が出るなら、今がチャンスだと思って…」
そう言ってリフォームを進めた人が、あとで寒さに悩まされるケースは本当に多いです。


補助金制度は確かに魅力的です。
・長期優良住宅化リフォーム補助金
・こどもエコすまい支援事業(※内容変更あり)
・自治体独自の空き家改修支援制度
など、一定条件を満たすことで数十万円〜百万円単位の支援が受けられることもあります。


でもここに大きな落とし穴があります。

「補助金ありき」で設計を進めると、
暮らしの本質からズレた選択になる。


◉ よくある失敗例:「設備は最新、でも寒い」

補助金要件のために、
・断熱等級をギリギリ満たす窓交換のみ
・給湯器の高効率化だけ
・断熱施工は「後から考える」でスルー

これでは、外側の数字だけ整えて、中身が空洞の家になってしまいます。


そして冬が来ると、こうなる。

  • エコキュートは入ったけど、脱衣所は凍える
  • 窓は新しくなったけど、床と壁から冷気が漏れている
  • ヒートショック対策としては不十分

補助金が出た=正しい選択だった、ではない。


◉ 「制度の枠内で満足」するか、「暮らしにとって本当に必要な選択」をするか

もちろん、補助金は活用すべきです。
でもそのためには、まず自分たちの暮らしの基準を明確にしておくことが必要です。

僕が考える順番はこうです:

  1. 暮らしの課題を言語化する(寒さ/湿気/使いにくさ)
  2. 設計と断熱の優先順位を整理する
  3. そのうえで、補助金の条件に「寄せていく」

補助金に合わせて設計を“変える”のではなく、
**自分たちの暮らしの思想に、制度を“活用する”**という感覚が大切です。


第7章:僕がリフォーム工事で“空気設計”を最初に考える理由


「どこからリフォームすればいいですか?」

この質問をされたとき、
僕はいつもこう答えます。

「まず、“空気”から考えましょう」


これは、設計者としての経験でもあるし、
何より、人が“気持ちよく生きていける家”をつくるための原則でもあります。


◉ 空気は図面に描けない。でも、暮らしを決定づける

僕たちは断熱材や窓の性能、設備のグレードを数字で語れる。
でも、「深呼吸できるかどうか」は、数値では語れません。

・朝起きたときのひんやり感がない
・湿気がこもらず、気分も重くならない
・ストーブをつけっぱなしにしなくていい
・冬でも、靴下を脱いで床に座れる


こうした“何でもない日常”を叶えるのが、空気設計の力です。


◉ 空き家こそ、「中身から設計し直す」チャンス

古い家は、建物の味わいもあります。
でも“暮らしの質”は、味わいだけでは保てない。

だから僕は、古い家の中に新しい空気を設計するというアプローチをしています。

  • 床下の冷気を断ち切る
  • 壁と天井に断熱と気密を仕込む
  • 窓を高性能にして熱の出入りを抑える
  • 換気経路を明確にして湿気を逃す

◉ 僕の見積もりには、思想が入っている

僕は見積もりを「ただの金額表」だとは思っていません。
それは、**その人の暮らしに対して僕が書く“設計の手紙”**です。


だから僕は、「断熱一式:50万円」なんて表現では終わらせない。
どこに、なぜ、どういう順番で、何を入れるのかを、ちゃんと説明する。

なぜなら、それが信頼につながる設計だから。


空気を整えるということは、
ただ“家を良くする”ことじゃなくて、
**「この家で生きていく人の未来を整えること」**だと思っています。


それが、僕が“空気設計”を最初に考える理由です。

🌿 もっと深く、もっと自由に。暮らしの選択肢を広げたいあなたへ


家づくりに、正解なんてありません。
でも、「これなら、自分たちらしく暮らせそう」と思える選択肢は、ちゃんとあります。
そのために、僕たちは情報を届けています。


🟢 お問合せはこちら|あなたの想いを、直接聞かせてください

ご相談・ご質問など、小さなことでも大丈夫です。
👉 お問い合わせフォームへ


📚 Kindle書籍|深呼吸したくなる家を、設計する。

なぜ僕は“空気”にこだわるのか?暮らしと温熱の思想を綴った一冊。
👉 Amazonで読む


📥 無料PDF|京都で後悔しない断熱・リノベの教科書

見積もり・費用・空気設計を図解で解説。
👉 PDFを今すぐダウンロード


📝 note|現場の言葉と想いを、より深く綴っています

図面には載らない“暮らしの話”を、noteで語っています。
👉 noteを読む


🫧「知ってから選ぶ」が、いちばん後悔の少ない