京都のリノベーション相場の真実:坪単価では測れない価格

中古リノベ
  1. 第一章:京都でリノベーションを検討する人へ|相場と坪単価情報の“落とし穴”
    1. リノベーションの坪単価はあくまでも目安
  2. 第二章:京都のリノベーション費用が高くなる理由|地域特性と工事の落とし穴
    1. ◉ 1. 狭小地 × 密集地:搬入も養生も「人力」頼み
    2. ◉ 2. シロアリと湿気、そして“見えないダメージ”
    3. ◉ 3. 耐震性の確保が“想像以上にシビア”
    4. ◉ 4. 「設計と施工のバランス」で予算は大きく変わる
  3. 第三章:京都リノベーションの見積もりは「手紙」であるべき|数字では伝わらないコストの本質
    1. ◉ 価格の“差”ではなく、“意味”を伝える
    2. ◉ 暮らしに直結する“仕様”こそ、数字ではなく言葉で伝える
  4. 第四章:京都でリノベ会社を選ぶ前に知ってほしいこと|誰を信じ、何を選ぶのか
    1. ◉ 情報はある。でも“本質的な情報”は、どこにある?
    2. ◉ 「選ぶ責任」を、ユーザーが背負う時代
    3. ◉ 家は「誰かの投稿」じゃなく、「あなたの人生」を乗せるもの
  5. 第五章:京都リノベーション費用は“予算”ではなく“暮らし方”の設計図である
    1. ◉ 費用とは、「何に優先順位を置くか」の表れ
    2. ◉ だから、価格の話は“設計思想の話”とセットで語らなければならない
  6. まとめ:深呼吸できる家は、価格ではなく“選択”でつくられる
  7. 🌿 もっと深く、もっと自由に。暮らしの選択肢を広げたいあなたへ
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第一章:京都でリノベーションを検討する人へ|相場と坪単価情報の“落とし穴”

「京都でリノベーションすると、どのくらい費用がかかるんだろう?」

こう思って検索すると、「坪○万円」「平均○○万円」といった“相場”がたくさん出てきます。
けれど、実際に僕が現場で見てきた中で、その金額どおりに収まった家は、正直ひとつもありません。

もちろん、「目安」として知っておくことは大切です。
でも、家のリノベーションというのは、単なる買い物ではなく、暮らしそのものの再設計です。

リノベーションの坪単価はあくまでも目安

坪単価の数値だけを見て安心してしまうと、
見えないところで大きな“落とし穴”にはまることがあります。

たとえば、築50年の木造住宅。
図面上は問題なさそうでも、開けてみるとシロアリ被害で土台が崩れていた、なんてことも少なくありません。

あるいは、町家のような伝統的な構造では、
耐震性の確保に想像以上のコストが必要だったり、
工事の搬入すら難しく、人件費が跳ね上がることもある。

「じゃあ、正確な費用ってどうやって知ればいいの?」

…それは、“坪単価”ではなく、“背景”を読み解くことです。

この記事では、

  • なぜ京都のリノベは高くなりやすいのか?
  • 見積もりに表れにくい“見えないコスト”とは?
  • 僕がなぜ“見積もりは手紙だ”と考えているのか?
    その本音を、ひとつずつ丁寧に掘り下げていきます。

ここから、価格を「比べるもの」ではなく、
“自分の暮らしをどう整えるか”という視点で考えるヒントを受け取ってもらえたら嬉しいです。

第二章:京都のリノベーション費用が高くなる理由|地域特性と工事の落とし穴

「同じフルリノベでも、なぜ京都だと高くなるんですか?」
そんな相談をよく受けます。

確かに、首都圏や地方都市と比較しても、京都のリノベは割高になりやすいという現実があります。
その理由は、単に「地価が高い」といった話ではありません。

むしろ本質は、**土地と建物の“条件の厳しさ”と“工事のしにくさ”**にあります。

◉ 1. 狭小地 × 密集地:搬入も養生も「人力」頼み

京都には、「軽トラ1台入るかどうか」みたいな道がごく普通に存在します。
そうなると、重機が入らず、材料は手運び。
人件費がふくらみ、見積もりには出ない「非効率コスト」がどんどん積み重なる

養生や騒音対策もシビアです。
近隣と数十センチしか離れていない家での工事には、
都市部とは別の緊張感と工程管理が求められます。

◉ 2. シロアリと湿気、そして“見えないダメージ”

京都の木造住宅では、シロアリ被害は避けて通れないテーマです。
特に浴室や洗面室まわりは、在来工法で防湿が甘く、土台や柱がやられているケースも珍しくない

外からはわからない。床も傾いてない。でも開けてみると、「これは一からやり直しですね」となる。
構造補強が必要になると、一気に数百万円単位で予算が上がる

だから僕は、「相場だけ見て判断するのは危ないですよ」と伝えます。

◉ 3. 耐震性の確保が“想像以上にシビア”

築年数が経った家の多くは、そもそも耐震基準に達していません。
でも、ただ耐震補強をすればいいわけじゃない。

「この柱、抜けますか?」
「梁の上に新しい吹き抜けをつくれますか?」

そういった要望に応えるためには、構造計算や補強設計が必要になり、
それがコストとして跳ね返ってきます。

特に町家のような伝統構法の住宅では、柱や梁の構造が特殊で、
既存を活かしながら耐震を確保するには高い技術力と、設計×施工の綿密な連携が必要です。

◉ 4. 「設計と施工のバランス」で予算は大きく変わる

家づくりには、「設計重視」も「施工主導」もあるけど、
極端になると、どちらもコストが破綻するんです。

  • 設計重視 → 理想の詰め合わせで、予算オーバーが止まらない
  • 施工優先 → 見た目とコストは良いが、暮らし心地に不満が残る

僕が大切にしているのは、**“バランス感覚”**です。
現場と施主と設計者の「三者の対話」があってはじめて、現実的で豊かなリノベが成り立つ。

価格が高くなる理由は、
材料や設備のグレードだけではありません。
**その土地、その建物に根ざした「条件」や「構造のクセ」**が、
予算に直接影響を及ぼしてくるんです。

第三章:京都リノベーションの見積もりは「手紙」であるべき|数字では伝わらないコストの本質

「この家、断熱材の施工で50万円かかります」
そう言われて、すぐにピンとくる人は少ないと思います。

セルロースファイバー、グラスウール、高性能フェノールフォーム……
それぞれの性能も施工方法も違うのに、
「断熱工事一式:500,000円」とだけ書かれた見積もりを受け取って、
それが自分の暮らしにどんな効果をもたらすのかを、想像できる人はほとんどいません。

僕はいつも、見積もりは“施主に宛てた手紙”だと思って書いています。

「この家に、この素材を使う理由はこうです」
「断熱をこう設計するのは、京都の湿気と底冷えに配慮したからです」
「ここにコストをかけたのは、暮らしやすさを長く保つためです」

そういう背景まで書き添えて、初めて“伝わる見積もり”になる

数字だけが並んだ見積書では、判断できない。
誤解されたり、不安になったりするのも当然です。

でも、そこに**“なぜこの金額なのか”という設計の意図と暮らしの未来像が書かれていれば、**
それはもう単なる見積もりではなく、ひとつの提案書なんです。

◉ 価格の“差”ではなく、“意味”を伝える

仮に同じ坪数の家をリノベするとして、
A社は900万円、B社は1,300万円という見積もりを出してきたとします。

このとき、価格だけを見れば、A社が安くて魅力的に思えるかもしれません。

でも、本当に大切なのは**「何が含まれていて、何が含まれていないのか」**という中身。

  • 断熱材の性能は?
  • 気密はどこまで考慮されてる?
  • 換気計画はある?
  • 見た目だけじゃなく、将来の住みやすさまで想定されてる?

こうした情報が明示されていないと、
「安く見えるけど、あとから後悔する」ということが、現実に起きてしまうんです。

◉ 暮らしに直結する“仕様”こそ、数字ではなく言葉で伝える

人は、価格を比較することはできても、
暮らし心地の“質”を比較するのは難しい。

だからこそ、数字ではなく、言葉で届ける
それが、僕が大切にしている“手紙としての見積もり”です。

そしてそれは、価格の高い・安いに関わらず、真摯に暮らしを想う姿勢の現れだと思っています。

第四章:京都でリノベ会社を選ぶ前に知ってほしいこと|誰を信じ、何を選ぶのか

家づくりの情報は、今やネットやSNSに溢れています。
施工事例の美しい写真、ユーモアのある発信、親しみやすいキャッチコピー。

それらを眺めながら、「こんな家、いいな」と思うことは、自然なことです。

でも僕は、この仕事をしていて、
「家は見た目で選んではいけない」と何度も感じてきました。

◉ 情報はある。でも“本質的な情報”は、どこにある?

断熱性能は?
湿気対策は?
構造の補強は?
光や風の通り道は、どう考えられている?

それらは、写真には映らないし、SNSでは伝わりにくい。
そして、営業トークの中でも“省略されやすい領域”です。

でも、暮らしの快適さや安全性に直結するのは、まさにそういった部分なんです。

◉ 「選ぶ責任」を、ユーザーが背負う時代

どの会社とつくるのか。
誰の思想に共感するのか。
どこにお金をかけるのか。

最終的には、ユーザー自身がそれを選ばなければなりません。

だからこそ僕は、「情報を届ける側は誠実でなければならない」と強く思っています。

「無知な人が騙された」なんて言葉を聞くと、胸が痛みます。
でも僕が思うのは、“無知であること”を責めるんじゃなくて、“正しい情報に出会える環境をつくる”ことがプロの責任だということ。

そしてその責任を持てない設計者や施工者は、
どれだけオシャレでも、フォロワーが多くても、
僕の中では“信頼には値しない”と思っています。

◉ 家は「誰かの投稿」じゃなく、「あなたの人生」を乗せるもの

SNSに流れるのは、“完成された瞬間”の一枚です。
でも、家というのは、完成してからが本番

見た目の美しさより、毎日の空気が気持ちいいこと。呼吸が深くなること。
それが、暮らしの土台になります。

だから僕は、
「誰が言ってるか」じゃなくて、「何を届けてくれるか」で、判断してほしい。

そのヒントを、このコンテンツで届けたいと思っています。

第五章:京都リノベーション費用は“予算”ではなく“暮らし方”の設計図である

リノベーション費用という言葉を聞くと、
「どれくらいかかるのか?」「安くなる方法はあるのか?」
という金額的な話に意識が向きがちです。

もちろん、お金の話は大切です。
だけど僕は、“費用”という言葉の奥にあるものこそ、もっと見つめてほしいと思っています。

それは、「この家でどんなふうに暮らしたいか」という意思の設計図です。

たとえば…

  • 寒い冬、エアコンだけでほんのり暖かい空間で過ごしたい
  • 子どもが素足で走れる無垢材の床がいい
  • 湿気がこもらず、深呼吸できる空気の中で眠りたい
  • 将来のメンテナンスも考えた安心できる構造にしておきたい

こうした思いが、リノベ費用の“中身”を決めていく。

価格は“総額”よりも、“選択の積み重ね”でできているんです。

◉ 費用とは、「何に優先順位を置くか」の表れ

「断熱はちょっと妥協して、外観に予算をかけたい」
「逆に、見た目はシンプルでいいから、空気と光にこだわりたい」

どちらも正解です。
でも大事なのは、自分で「どこにコストをかけるか」を判断できる状態にあること

そのためには、情報が開かれていること。信頼できる人と考えられること。
これが家づくりを“納得のいくもの”に変えていく。

◉ だから、価格の話は“設計思想の話”とセットで語らなければならない

僕が「費用」について話すとき、
いつも同時に「暮らし方」や「空間の質」についても話すようにしています。

それは、ただのお金の話じゃなく、
**この先の人生をどう整えていくかという“思想の共有”**だからです。

費用とは、未来の暮らしに向けた“準備”であり、
その選び方ひとつで、家の呼吸の仕方すら変わってしまう。

だからこそ、「坪単価」や「相場」の数字だけではなく、
“あなたの暮らしに何が必要か”という視点から、価格を捉えてほしい。

まとめ:深呼吸できる家は、価格ではなく“選択”でつくられる

僕が届けたいのは、数字じゃなくて、空気の質感なんです。

価格は手段であって、目的ではない。
目的は、“あなたの暮らしが、今日より少し深く呼吸できること”。

だからこそ、その選択が、後悔ではなく納得に変わるように。
僕たちは、その道筋を、言葉と図面と設計思想で示していきたいと思っています。

🌿 もっと深く、もっと自由に。暮らしの選択肢を広げたいあなたへ


家づくりに、正解なんてありません。
でも、「これなら、自分たちらしく暮らせそう」と思える選択肢は、ちゃんとあります。
そのために、僕たちは情報を届けています。


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