
上の写真はグラスウール断熱材の施工不良の写真です。気密施工(防湿層)が無意味な状態に。
カビの正体は「空気の設計ミス」
「リフォームしたのに、また窓の結露がひどい…」 「押し入れの奥に、いつの間にかカビが!」
京都の家にとって、カビや結露は避けて通れない大きな悩みです。多くの方は「換気扇を回せば大丈夫」「高性能な断熱材を入れれば解決」と考えがちですが、残念ながらそれは一時的な対処にすぎません。
僕たちは、**カビや結露は「空気の設計ミス」で起きると考えています。そして、そのミスを根本から直す唯一の方法が、「三層の湿気戦略」**です。
今日は、あなたの家をカビと結露から守り、家を腐らせないための、**「隙間ゼロ」**の設計のヒミツをお話しします。
なぜカビは生まれるのか?湿気の「逃げ道」がない家
カビが生えるのは、あなたが掃除を怠ったせいではありません。カビが育つには、必ず次の3つの条件が揃っています。
- エサ: ホコリ、チリ、石鹸カスなど
- 温度: 20〜30℃(家の中で最も快適な温度帯)
- 水分(湿気): 湿度80%以上が数時間続くこと
エサと温度をゼロにするのは不可能ですが、水分(湿気)は設計の力でコントロールできます。
湿気の真犯人は「壁の中」
目に見える窓の結露は氷山の一角です。本当に怖いのは、壁や天井の**見えない場所で起こる「内部結露」**です。
暖かく湿った室内の空気が、壁の中の冷たい部分に触れると、水滴となってしまいます。これが断熱材や柱をジワジワと濡らし、カビが育つ温床となり、家の構造材を腐らせてしまうのです。
隙間が多い家ほどカビやすい
「家は呼吸しているから隙間があった方がいい」というのは誤解です。家中に隙間が多いと、換気システムが計画通りに機能せず、汚れた空気が壁の内部へ勝手に侵入します。
私たちが**「隙間ゼロ」**にこだわるのは、空気がどこを通るかを完全にコントロールし、湿気が壁の中に入り込むルートを断ち切るためなのです。
**「隙間ゼロ」**はカビを防ぐだけでなく、においや健康にも直結します。
湿気の滞留が招く**「頭痛やだるさ」といった健康リスクと、それを解決する「換気×素材」の設計術**について、さらに詳しく解説しています。
🔗 【合わせて読む】「この家、なんかにおう…」の正体。深呼吸できる家をつくる「換気×素材」の法則(←別記事へ誘導)
カビと結露を設計で防ぐ「三層の湿気戦略」

私たちは、家を湿気から守り、カビを根絶するために、3つの役割を持つ層(レイヤー)を設計に組み込みます。これが**「三層の湿気戦略」**です。
【第一層】湿気の侵入をシャットアウト
家の中の暖かい空気は、必ず外へ逃げようとします。このとき、湿気も一緒に壁の内部へ入ろうとします。
- 役割: 室内側から湿った空気が壁の中に入り込むのを防ぐこと。
- 技術: **「防湿層(気密シート)」**と呼ばれるシートを、壁や天井の暖房側(室内側)で隙間なくぴっちり施工します。これで湿気の侵入経路を完全に断ちます。防湿層は連続して繋がっている状態でないと意味がありません。
【第二層】断熱材を乾燥した状態で守る
断熱材が湿気を含むと、性能が落ちるだけでなく、カビのエサにもなりかねません。
- 役割: 断熱材が性能を維持できるよう、隙間なく乾燥した状態で包み込むこと。
- 技術: 断熱材をたるみや隙間なく施工し、さらに第一層(防湿層)で湿気を完璧に遮断することで、断熱材を湿気から守ります。
【第三層】湿気だけを外へ逃がす「空気の通り道」
壁の内部に入ってしまった、ごくわずかな湿気や、外から入ってきた湿気は、家の中に閉じ込めてはいけません。外へ逃がす必要があります。
- 役割: 構造材を濡らさずに、湿気(水蒸気)だけを外へ逃がすこと。
- 技術: 外壁と断熱材の間に、**15mm以上の連続した「通気層(空気の通り道)」**を設計します。これで、湿気は水蒸気のまま外へ抜けていき、構造材が濡れるのを防ぎます。
この三層が、それぞれ隙間なく、連続して機能することで、あなたの家は湿気から完全に守られます。
リフォームの現場でこそ「隙間ゼロ」が重要
新築と違い、リフォームでは既存の柱や梁の歪みによって、必ず見えない隙間が生まれます。これが湿気の侵入口になります。
「隙間ゼロ」へのこだわりが、カビを防ぐ
僕たちは、リフォームの現場で、断熱材や防湿シートを**「いかに既存構造に合わせて隙間なく納めるか」**ということに徹底的にこだわります。
- 複雑な形状の箇所は、専用の気密テープで丁寧に処理する。
- 配管や配線が貫通する場所は、専用の部材で完璧に密閉する。
この**「一つ一つの隙間との戦い」**こそが、カビ・結露を防ぐための最優先事項です。
家が腐らない=長持ちする家
カビ・結露を防ぐ設計は、単に健康を守るだけでなく、家の寿命を延ばすことにつながります。構造材が湿気で腐ることがなくなるため、家そのものの耐久性が上がり、将来的なメンテナンスコストも大幅に削減できるのです。
カビ・結露を防ぐ技術は、快適な暮らしのほんの一部です。
私たちは「隙間ゼロ」の技術を土台に、風、光、音まで設計し、五感に響く心地よさを追求しています。
私たちの**「深呼吸できる家」**をつくる、設計哲学の全体像をご覧ください。
まとめ:カビの不安がない、安心できる暮らしを
カビや結露は、**「空気の設計ミス」であり、「家の隙間」**が原因です。
私たちが提唱する**「三層の湿気戦略」**は、一時的な換気や除湿に頼るのではなく、家の構造そのもので湿気をコントロールする、根本的な解決策です。
カビの不安がない、安心できる暮らしを、私たち Greener’s Houseと一緒に実現しませんか。
【最終CTA:私たちとお話ししませんか?】
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