
湿度コントロールは体感の心地よさに直結する。
「夏は冷房、冬は暖房さえあれば快適」――そう思っていませんか?
実際の暮らしで体感を大きく左右するのは湿度なんです。
ただし、湿度をコントロールしようと考えると、断熱・気密・換気計画が整っていることが欠かせません。
Greener’s HouseのGH/10.0(UA0.38/C0.5・計画換気を想定)をベースに今回は小さな家の湿度について考えていきましょう。
小さい家でも性能という土台があって初めて湿度コントロールが効く
小さい家って空間が狭い分、室内の空気質や湿気をコントロールしやすいんじゃないかとおもわれます。
ですが、高断熱・高気密だから外からの影響を抑え、計画換気で空気を入れ替えることができるんです。
この「性能の土台」があるからこそ、湿気のコントロールが安定して効いてきます。
逆に性能が足りなければ、計画的な換気や空調計画ができません。室内の空気を入れ替えたり、コントロールしたりすることができないんです。
つまり湿度管理は、性能を整えた家だからこそ成立する次のステップなのです。
京都や滋賀でも夏湿気は大敵
京都のような高温多湿の地域では、温度より湿度が体感に効きます。
28℃でも湿度が70%なら蒸し暑く、25℃でも湿度50%なら涼しく感じる。
GH/10.0のような性能住宅では、再熱除湿機能付きエアコンが有効です。
温度を下げすぎず、湿度だけを50〜60%にコントロールできる。
結果、体感は快適で、室内干しの洗濯物も乾きやすく、カビや結露といった事象も起きにくくなります。
冬は加湿が必要、でも“過剰”に注意
暖房をつけると相対湿度は一気に下がり、乾燥で喉が痛くなったり、肌荒れしたりします。目標は40〜45%。これだけで体感温度が2℃ほど上がるとも言われます。
ただし小さな家は空気の容積が少ないため、加湿器を普通の感覚で使うとすぐに過加湿に。
湿度が50%を超えると窓に結露が出て、壁や家具にカビのリスクも。
だから小さい家では「加湿器を焚きっぱなし」ではなく、
- 湿度センサーで数値を確認しながら運転
- 洗濯物の室内干しを併用する
- 観葉植物を取り入れて緩やかに湿度を補う(僕たちは基本的にはグリーンで加湿などをおすすめしています)
といった控えめで緩やかな加湿がちょうどいいんです。

小さい家は室内空気の変化が速い
GH/10.0のように延床20坪前後の家は、容積がコンパクト。
だから温湿度の変化がダイレクトに出ます。
- 加湿器を強く回せばすぐに湿度が上がる
- 除湿を止めればあっという間に蒸し暑くなる
性能住宅は外の影響を受けにくい分、室内の調整がそのまま体感に跳ね返ってきます。
小さい家だからこそ、湿度の“揺れ”を小さく整える工夫が必要になります。
Greener’s Houseの考え方
僕たちは、温度と同じくらい湿度を重視しています。
- 夏は「除湿優先」で50〜60%を維持
- 冬は「控えめな加湿」で40〜45%をキープ
- 植物を組み合わせて自然な湿度緩和を取り入れる
小さい家の快適性は、温度よりむしろ“湿度の安定”にかかっている。
性能を土台に、湿度まで含めて設計してはじめて、暮らしの質が格段に上がります。
まとめ
- 湿度管理は断熱・気密・換気が整って初めて機能する
- 夏は再熱除湿で50〜60%、冬は控えめ加湿で40〜45%が目安
- 小さい家は湿度変化が速いからこそ、過加湿や除湿不足に注意
- 植物や暮らし方も含めた湿度デザインが、快適性を左右する
湿度コントロールをしっかりと計画するには、家の気密が最重要。
もしお時間があるのなら、「気密はいらない?と思ったらみて欲しい、家づくりの気密の全て」を読んでみてください。⬇️
「窓の結露や肌の乾燥に悩む前に。小さな家だからこそ効く“湿度の整え方”があります。除湿と加湿のバランスを、一緒にデザインしてみませんか?」
小さい家?最高やん。