
小さい家の玄関は「暗さ」が悩みになりやすい
小さい家の不安に暗いと不安を持つかたも少なくないのではないでしょうか。
「玄関ってどうしても暗くなりがちじゃない?」
「狭い玄関で窓も取れないと、毎日気分が沈みそう」
実際、小さい家は玄関に割ける面積が限られるうえに、隣地や道路との距離も近いため、自由に窓を開けられないことが多いです。
プライバシーを守るために窓を小さくしたり、収納を優先して壁でふさいだりすることで、光が入らない「暗い玄関」になりやすいのです。
ですが、新築住宅なら設計段階から工夫することで、狭くても明るい玄関をつくることが可能です。今回は、小さい家でもできる採光と照明の工夫をご紹介します。
なぜ小さい家の玄関は暗くなりやすいのか
暗さの原因は「北側だから」という単純なものではありません。実際には、敷地や生活環境との兼ね合いによるものが多いです。
- 隣家との距離が近い
窓をつけてもすぐ隣の壁で光が遮られ、効果が薄い。 - 道路や通行人の視線が気になる
防犯やプライバシーを優先し、窓を小さくする。 - 収納や間取りの優先
シューズクロークや収納を壁で仕切るため、自然光の通り道がなくなる。
つまり「敷地条件」と「プライバシー配慮」が重なって、玄関が暗くなるケースが多いのです。
採光で工夫するポイント

玄関ドアに採光窓をつける
縦スリットやすりガラスを入れた玄関ドアなら、外からの視線を遮りつつ光を取り入れられます。採光窓つきのドアはデザインも豊富で、断熱性を確保しながら明るさをプラスできます。
スリット窓や高窓を取り入れる
壁の高い位置に細い窓を設ければ、視線を気にせず光を確保できます。小さい窓でも高さを工夫すれば光が奥まで届きやすいのが利点です。
天窓や吹き抜けで上から光を落とす
なかなか小さい家では間取りの構成上厳しいものがありますが、上階からの光を活用する方法が有効です。吹き抜けや天窓を玄関の上部に設ければ、昼間は自然光が十分に入ります。
また、上階の床の一部をグレーチングにするなど、工夫次第で床面積も有効利用しながら光を確保できますね。
隣室から光を借りる
玄関に直接窓がとれなくても、リビングや廊下とつなぐ室内窓や欄間を設けることで、隣室の光をシェアできます。新築なら間取りの工夫で採光を“借りる”発想がしやすいです。
照明で工夫するポイント
人感センサーライトで安心と明るさを
玄関は出入りのたびに照明をつけたり消したりする場所。人感センサーライトを採用すれば、帰宅した瞬間にパッと明かりがついて安心感があり、暗さのストレスも減ります。
間接照明で奥行きを演出
天井や壁、床面を照らす間接照明は、影をやわらげて空間を広く感じさせます。狭い玄関ほど、直接照明よりも間接的に光を広げる方法が効果的です。
多灯分散で影を抑える
小さなダウンライトを複数配置する「多灯分散」の考え方も有効です。1灯だけだと影が強く出て狭く見えますが、複数灯なら柔らかい光で空間全体が均一に明るくなります。
素材とインテリアで工夫するポイント
明るい床材・壁材を選ぶ
床や壁を白や明るい色にすれば、自然光や照明を反射して明るさが増します。木目でも明るいトーンを選ぶと柔らかな印象に。
鏡を置いて光と奥行きを広げる
鏡は光を反射し、空間を倍に見せる効果があります。狭い玄関ほど、姿見や壁掛け鏡を取り入れると明るさと広さの両方を演出できます。
観葉植物で柔らかさをプラス
グリーンを置くと、多少の暗さがあっても柔らかな雰囲気になります。自然の要素が加わることで、玄関全体が迎え入れる空間に変わります。
暗さに強いサンスベリアなどを玄関に置くのもいいかもしれませんね。
まとめ ―小さい家でも「明るい玄関」を可能にできる。
小さい家の玄関は、隣地との距離や収納計画の影響で暗くなりやすい場所です。
けれど、新築住宅なら最初から採光や照明計画を組み込むことで、狭くても明るく心地よい玄関にできます。
- 採光窓や高窓で自然光を確保する
- 天窓や室内窓で光を借りる
- 照明で影を抑え、奥行きを感じさせる
- 明るい素材や鏡で光を反射させる
玄関の第一印象は、毎日の気分にも、来客への印象にも直結します。小さい家だからこそ、玄関を暗いままにせず「明るさ」を意識して設計することが大切です。
「小さい家の玄関をどう活かすかは、家族の暮らし方しだいです。もし“うちならどう使えるだろう”と気になった方は、一度ご相談ください。図面や生活のイメージをもとに、ぴったりの玄関プランを一緒に考えていきます。」