
なぜ小さい家でキッチン動線が重要なのか
家事動線の中でも、もっとも使用頻度が高いのがキッチン周りです。毎日の「買い物→収納→調理→配膳→片付け」の流れは、時間にすると家事全体の大きな割合を占めます。
小さい家では、キッチン、キッチンからダイニングへの距離をいかに短縮できるかが暮らしやすさを大きく左右します。
もしキッチンが玄関から遠く、廊下などを挟むような設計だったらどうでしょう。買い物袋を持ちながら移動するたびにストレスが溜まりますよね。また、家事動線上に小さくても使い勝手の良いパントリーの配置なども、計画しなければいけません。
小さい家はコンパクトであるからこそ、動線設計がダイレクトに効いてくるのです。
玄関からキッチンへの最短ルートをつくる
もっとも効果が大きいのが、玄関からキッチンへの直結動線です。買い物帰りに玄関脇の収納スペース(SCLやパントリー)を通り、そのままキッチンにアクセスできれば、荷物を持って家の奥へ歩く必要がありません。
この直線的な動線は、延床20坪前後の小さな家でも十分に実現可能です。むしろコンパクトな間取りだからこそ、シンプルで効率的な配置がしやすいとも言えます。
キッチンとダイニングを直線でつなぐ
配膳や片付けを効率化するには、キッチンとダイニングをできるだけ近接させることが重要です。特に小さい家では、回り道のない直線的なつながりがベストです。
カウンターキッチンの背後にダイニングテーブルを置けば、料理を運ぶ動作も片付けも数歩で完結。リビングと一体化することで、限られた面積でも広がりを感じさせる効果もあります。
パントリーの有無で変わる使い勝手
小さい家ではパントリーを設ける余裕がないケースもあります。しかし、玄関から直結する小さな収納を設けるだけでも大きな違いが出ます。食品だけでなく、日用品や非常用備蓄も含めて「帰宅→収納→調理」がスムーズに流れる設計が理想です。
逆にパントリーをリビング奥に設けてしまうと、狭い家なのに余計な移動が発生し、効率が落ちてしまいます。収納の位置は“動線の途中”にあることが大切です。
小さい家だからこそ活きる「回遊動線」
動線を効率化するもうひとつの工夫が「回遊性」です。キッチンからダイニング、リビングを通って再びキッチンに戻れるような回遊動線を設けると、家事が分担しやすくなり、家族の動線もぶつかりにくくなります。
狭い家なのに回遊性?と思うかもしれませんが、通り抜けできる扉や引き戸をひとつ設けるだけで実現できます。これにより、体感的な広さも増し、動線の自由度が格段に上がります。
まとめ|キッチン動線で家事の負担は大きく変わる
小さい家の設計でキッチン動線は特に重要です。
- 玄関からキッチンを直結する
- キッチンとダイニングを直線でつなぐ
- 収納は動線の途中に配置する
- 回遊性を持たせる
これらの工夫を重ねることで、狭い家がむしろ「効率のいい家」に変わります。
👉 **次回(第3部)**では「洗濯→干す→しまうの動線」について、従来の“水回りは1か所集約”という考えを見直し、完結性を重視した設計を解説します。
玄関からキッチンまでの最短動線や回遊性のある間取りなど、小さい家でも実現できます。毎日の料理や片付けをラクにしたい方は、ぜひご相談ください。
「小さい家をもっと快適にしたい方へ。動線設計で暮らしやすさは大きく変わります。」