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初心者でもOK|好きから始める鉢選びとグリーンのある暮らし

なんとなく選んでいる鉢、実は“主役”かもしれない

「グリーンを置いたのに、なんかイマイチ」って思ったことありませんか?

お気に入りのグリーンを買って、部屋に置いてみた。けれど、思ったより映えない。なんだか空間がパッとしない。
そんな経験、誰にでもあると思います。
もしかするとその“原因”、植物じゃなくて、かもしれません。

実際、リノベーションの相談を受ける中で「グリーンを置いたけど空間がまとまらない」という声は多く聞きます。
観葉植物自体は元気でも、なんとなく選んだ鉢が空間のテイストに合っていない。色も質感もサイズもバラバラで、結果的にごちゃっと見える。

鉢ってそんなに重要?

そう思うかもしれません。
でも、たとえばカフェのディスプレイや、雑誌に載っているおしゃれな部屋。そこに置かれているグリーンたちをよく見ると、実は鉢の存在感がとても大きいんです。

  • 素材のマット感
  • カラーの落ち着きやアクセント
  • 床や壁とのコーディネート

つまり、「植物+鉢」のセットで空間が完成している。

鉢は単なる“入れ物”じゃなく、空間に置くオブジェクト
そして、ちゃんと選べば、植物の魅力を何倍にも引き出してくれるパートナーなんです。

なんとなく選び”が空間をもったいなくする理由

ホームセンターで「とりあえず」買った鉢

グリーンを買ったついでに、近くのホームセンターで鉢も一緒に。
手頃な値段で、無難な色とサイズ。軽くて扱いやすいし、とりあえずこれでいいか――。

これ、よくある流れです。だけどその「とりあえず」の積み重ねが、あとから空間に“ノイズ”を生む原因になるんです。

  • 鉢の高さがそろいすぎて単調に見える
  • プラスチック鉢の質感が、空間全体をチープに見せてしまう
  • 色のトーンがバラバラで、植物よりも鉢が悪目立ちしてしまう

つまり、“植物だけを主役にすればうまくいく”という思い込みがズレのもと
本当は、鉢も空間づくりの「面構え」をつくる重要な要素なんです。

鉢は“家具”と同じ視点で選ぶ

鉢は家具ほど大きくない。でも、椅子やテーブルと同じくらい空間の雰囲気を左右する力があります。

たとえば、ナチュラルな木の家具と相性のいい鉢は?
インダストリアルなアイアン素材の家具にはどんな鉢が映える?
こんなふうに、「どんな部屋に置くか」を考えながら鉢を選ぶと、空間全体のトーンが揃って見えるようになります。

逆にいうと、鉢だけが“孤立”していると、植物の魅力まで半減してしまうんです。

この鉢いいかも”の選び方|素材・色・サイズの視点

どんな素材を選ぶかで、雰囲気がガラッと変わる

鉢の素材は、空間の世界観を左右する決め手になります。たとえば:

  • テラコッタ:自然な風合いで、和にも洋にも馴染みやすい。土壁や木の空間と好相性。
  • モルタル・セメント:無骨な質感が魅力。グリーンの繊細さが引き立つので、室内に置いても映えます。
  • 釉薬陶器:艶感があり、少しレトロで華やかさも演出できる。空間にアクセントが欲しいときに。
  • アイアンやブリキ:無機質でクール。ミッドセンチュリーや工業系の空間にフィット。

「家の床が無垢なら、テラコッタや陶器。コンクリや土間ならセメント系」みたいに、素材の“肌ざわり”と空間の質感を合わせて選ぶと、自然と統一感が出てきます。

色とサイズを決めるちょっとしたコツ

色味は基本、**“植物を主役にする”**ことが前提。
だから、派手な色よりも、グリーンの葉が映えるような「引きの色」がおすすめです。

  • グレー系(セメント・モルタル調):どんな植物とも相性がよく、引き立て役に。
  • 黒やチャコール:空間を引き締めたいときに効果的。葉の色がより鮮明に。
  • ベージュやくすみピンク:ナチュラルで優しい印象に。ややフェミニン。

サイズは高さ違いを2〜3種類揃えると、空間にリズムが生まれる
全部同じ鉢では「整いすぎてしまう」ので、ちょっと外すくらいがちょうどいい。

僕がおすすめしたい“ちょうどいい鉢”たち

1. 迷ったらコレ|「モルタル調の軽量鉢」

重厚感のある見た目なのに、素材は軽くて扱いやすい。そんな「モルタル調」の鉢は、初心者にも扱いやすい万能タイプ。
グリーンを引き立てるグレーの質感は、室内・屋外を問わず空間にすっと馴染みます。

こんな人におすすめ

  • 植物の入れ替えが多く、鉢をよく移動する人
  • インテリア性を重視したいけど、重たい鉢は避けたい人

僕のアトリエでもよく使ってるタイプで、幅広い植物に合います。グリーンネックレスやフィカス、シダ類も映える。

2. ちょっと“抜け感”がほしいなら|「ラタン風カゴ鉢」

無機質な空間にあえてラタン調のカゴ鉢を置くと、柔らかい“抜け感”が出ます。
もちろんプラスチックの中鉢を中に入れて使うだけなので、管理も簡単。

こんな人におすすめ

  • 木のフローリングやラグと合わせて、ナチュラルに仕上げたい人
  • 植物を“暮らしの一部”として飾りたい人

スパティフィラムやアイビーなど、葉がふわっと広がる植物と相性抜群。
ソファ横やテーブル下の抜けスペースに置いても◎。

3. 個性派なら|「釉薬のかかった陶器鉢」

ちょっとレトロで光沢のある釉薬鉢。差し色として使うと、空間が一気に“こなれた雰囲気”に変わります。
ヴィンテージ家具やアートとの相性も良く、飾るように植物を楽しめる鉢です。

こんな人におすすめ

  • 空間にもう一歩“個性”を加えたい人
  • 小ぶりな鉢で、アクセント的に植物を置きたい人

棚の上や出窓にちょこんと置いても映えるし、「鉢も主役にする」楽しさがあります。

鉢を「置く」ではなく「飾る」へ。魅せ方のコツ

1. “高さ”を意識するだけで空間が変わる

同じ鉢・同じ植物でも、置く高さが違うだけで空間の印象は大きく変わります。
たとえば、床に直置き・スツールの上・棚の上。この3つを組み合わせるだけで、空間にリズムと動きが生まれるんです。

高さに変化があることで、視線が上下に動き、「グリーンのある空間」が“立体的”に見えてくる。
これが、グリーン初心者でも簡単に“センス良く見える”テクニックの一つです。

おすすめの高さバリエーション:

  • 床置き → ゴムの木、ストレリチアなど背の高いグリーン
  • 中段(椅子や台)→ モンステラ、カラテアなど葉が広がるもの
  • 高所(棚や壁)→ グリーンネックレス、アイビーなど垂れる系

高低差は、“鉢の種類”ではなく“置く場所”で生み出せばOK。家具や雑貨も一緒に活かすと、空間がもっと面白くなります。

2.「寄せ鉢」で小さな庭のような雰囲気に

同じ鉢をぽつんと置くだけだと、どうしても寂しく見えがち。
そんなときは、大小さまざまな鉢を“寄せて置く”ことで、空間に奥行きが生まれます。

僕がよくやるのは、「鉢+鉢+スツール」の組み合わせ。
違う形の鉢を集めつつ、色味は同系色でまとめるとごちゃつかず整って見える。

ポイントは3つ:

  • 植物の葉の“動き”にバリエーションを持たせること
  • 鉢の素材や色を揃えすぎないこと(ちょっと崩す)
  • すべてを正面に向けず、少し角度をずらして配置すること

これだけで、まるで“ちいさなロックガーデン”のような空気が生まれる。
ベランダの隅や室内の一角に、あなただけの“居場所”ができあがります。

Greener’s House的「鉢選び」まとめと次の一歩

1. “好き”で選んでいい。それが一番グリーンが映える方法

鉢を選ぶとき、つい「この植物に合うのは?」「センスよく見えるのは?」と頭で考えてしまいがちです。
でも、Greener’s Houseとして僕が大切にしたいのは、“自分の好き”に素直になること。

「なんかこの色、可愛い」
「このフォルム、部屋に置いたら嬉しくなりそう」
その直感って、実はすごく大事。好きで選んだ鉢は、どんな空間にあってもちゃんと輝くし、植物を育てる喜びも倍増します。

デザインの正解なんてないんです。むしろ、“少しヘン”くらいがちょうどいい。
その小さな違和感が、個性になり、愛着になる。

2. 植物と鉢と空間。あなたの“居場所”をつくる道具たち

鉢は単なる容れ物ではありません。
それは、空間に“余白”を与える装置であり、植物の個性を引き立てる舞台であり、何より、あなたが日々を楽しむためのツールです。

お気に入りの椅子がひとつあって、
お気に入りの鉢がいくつか並んで、
その先に風が通って、グリーンが揺れている。

そんな空間がひとつあるだけで、暮らしってぐっとやさしくなると思うんです。
手のひらサイズのグリーンから、小さな鉢ひとつからでも、はじまる居場所づくり。

Greener’s Houseでは、そうした「日々の小さな幸せ」を、一緒に描いていきたいと思っています。