なんとなく落ち着かない毎日。
「家にいるのに、どこか居場所がない」
家にいるのに、なぜかソワソワする。
ソファに座っても、ダイニングテーブルに向かっても、どこかしっくりこない。
そんな感覚を、僕自身も何度も経験してきました。
部屋は片づいているし、家具の配置もおかしくない。でも、「ここが自分の居場所だ」と思える場所が、どこにもない。
暮らしに必要なのは「快適性」や「収納力」だけじゃない。
自分の感情が落ち着いたり、何も考えずに深呼吸できるような“心の居場所”が必要なんだと思う。
部屋を変えるより「一脚の椅子」で変わることがある
「なんとなく居場所がない」って感覚に、実は明確な答えがあるわけじゃない。
だけど、僕がリノベーションの仕事を通じて実感しているのは、
“お気に入りの椅子と小さなグリーン”があるだけで、人はそこを自分の場所だと思えるということ。
たとえば、低めのクラブチェアに、読みかけの本とマグカップ。
隣にはサボテンがひとつ、ぽつんと置かれている。
それだけで、その空間は「わたしの場所」になる。
空間は、すべてを一度に変えようとしなくていい。
自分のテンポ、自分の時間、自分の温度で過ごせる小さな場所がひとつあれば、それだけで、暮らしの満足度は大きく変わる。
居場所づくりがうまくいかない理由
模様替えしても「なんか違う」が続くわけ
部屋の雰囲気を変えたくて、模様替えをする。
ラグを変えたり、照明を替えたり、観葉植物を置いてみたり。なのに、「なんか違う」が消えない。
これは、“自分の居場所”が空間の中にまだ見つかっていないという状態なんだと思います。
僕も、家具をいろいろ入れ替えては悩んだ時期がありました。
だけど、やればやるほど“全体を整えよう”とする意識が強くなって、結局、自分が落ち着く場所がどこにもなくなってしまう。
空間を変えるときに大切なのは、まず自分が居たい場所をひとつだけ決めること。
そこに、好きな椅子を置いて、グリーンを添えて、照明を落とす。
空間全体よりも、まず“わたしの一坪”をつくることが先なんです。
心地よさは“スケール”で決まる
大きなソファ、大きなダイニングテーブル、大きなテレビボード。
日本の住宅にありがちな「家具のスケールが合ってない問題」も、居場所が見つからない理由のひとつです。
心地よさって、サイズ感に左右される。
たとえば、身体をすっぽり包んでくれるような椅子や、低くて視界が開けるローテーブル。
自分の身体感覚にぴったり合った“ちょうどよさ”があると、空間がぐっと身近に感じられるようになる。
そして、その“ちょうどよさ”に、植物の緑が加わると、一気に感覚が整う。
部屋全体を良くしようと頑張る前に、
「自分のためのスケール感」を整える。
それが、心地よい居場所づくりの第一歩なんです。
自分の“居場所”を設計するという視点
空間に“余白”をつくるという設計
僕がGreener’s Houseで大切にしているのは、「空間に余白を残す」という考え方です。
収納も、家具も、デザインも、つい“埋めたく”なってしまうけれど、
本当に心地よい空間には、“何もない場所”があるんです。
この余白こそが、植物の揺らぎを引き立て、光や風を感じさせる背景になります。
たとえば、椅子とテーブルをひとつ配置した窓辺。
そこにサボテンがひと鉢あるだけで、「わたしの居場所」が成立する。
このとき、周囲に余白があるからこそ、グリーンも椅子も引き立つんです。
住まいの中に、“意図的な抜け”をつくること。
これは設計者の視点でもあり、同時に住まい手の自由を生み出す余地でもあります。
スケッチで“居場所”を描いてみる
空間づくりがうまくいかないときは、言葉よりも絵にしてみると、本質が見えてくることがあります。
たとえば、「この窓辺に、こんな椅子を置きたい」
「ここにサボテンを置いたら、こう見えるかな?」
そういった妄想をスケッチしてみると、自分にとって本当に必要な家具やモノが絞れてくる。
Greener’s Houseでは、そうした感性の延長線上に空間設計を置いています。
テイストで固めるのではなく、“自分の好き”を視覚化していくプロセス。
スケッチで空間を構想してみる。
そのプロセス自体が、すでに“暮らしを設計する”という行為なんだと思います。
わたしの居場所”をつくるための空間設計
お気に入りの椅子を中心にした“居場所”のつくり方
「どこにでも持っていける椅子があれば、それだけで自分の居場所になる」
そんな言葉を僕はよく口にします。お気に入りの椅子があることで、空間との関係性が変わってくるんです。
居場所づくりの第一歩は、家具の重心をつくること。
空間における“核”のような存在、それが椅子なんです。
たとえば、窓辺に向けた一脚のクラブチェア。読書用に選んだその椅子が、何気ない空間を「わたしだけの特等席」に変えてくれます。
その周りにサイドテーブルを添えて、好きな本やマグカップを置けばもう完成。
リビングの片隅だろうが、廊下の端っこだろうが、椅子ひとつでそこは“居場所”になるんです。
室内にグリーンを配置するコツとコントラスト演出
もうひとつの重要な要素が、グリーンの配置による“揺らぎ”の演出です。
ただ植物を置くだけではもったいない。空間に奥行きとリズムをつくるためには「高低差」がカギになります。
例えば、床に置く観葉植物と、アイアンのウォールシェルフに吊るすポトス。高さが異なるだけで視線が動き、空間に表情が生まれます。
ここでおすすめしたいのが、グリーンネックレスやアイビーなどの垂れるタイプの植物。
光の当たり方によって陰影ができ、壁がのっぺり見えずに済む。
照明と組み合わせれば、昼と夜でまた違った魅力も楽しめます。
色味に関しても、「緑 × 白 × 木の色」だけではなく、
マスタードやテラコッタ、スモーキーピンクなど、少し彩度を落としたアクセントカラーを一滴加えると、空間のトーンに深みが出ます。
お気に入りの椅子を核に、植物と光で揺らぎをつくり、色彩で空間を整える。
これがGreener’s Houseが大切にしている“居場所のレシピ”です。
わたしの居場所”が日々を変える
小さな居場所が、暮らしのテンションを上げる
「お気に入りの椅子とサボテンがあれば、どこにでも行ける」
それは、単なる言葉遊びではなく、暮らしにおける“心の軸”を持つということ。
たとえば、狭いLDKの一角に自分の“特等席”をつくる。
カラフルなクッション、温かい間接照明、ちょっと背伸びして選んだ北欧の椅子。
そこにサボテンやグリーンが添えられていれば、それだけで気分はカフェのように整います。
大きなリフォームをしなくても、家具のレイアウトや色選び、植物の配置で“居場所”はつくれる。
この小さな変化が、暮らしに前向きなリズムを生むんです。
朝、コーヒーを淹れてお気に入りの椅子に座るだけで、なんだか気持ちが整う。
そんな体験を一度でもしたら、もうその空間は「ただの家」ではなく、「わたしの場所」になる。
“わたしの場所”があることで、暮らしは豊かになる
空間に余白を感じることは、心に余白をもたらします。
余白のある暮らしとは、たくさん物を持つことでも、広い家に住むことでもありません。
「どこにいても、自分が自分でいられる」こと。それこそが、Greener’s Houseの考える豊かさです。
忙しい日々の中で、立ち止まれる場所。
スマホを置いて、ただ風を感じられる場所。
そんな“わたしの居場所”があるだけで、暮らし全体の輪郭が優しくなります。
そしてその居場所は、誰かの真似ではなく、“自分で選んだ”という実感があってこそ深まるもの。
DIYで色を塗るのもよし、スケッチで構想を描くのもよし。
「こうしたい」と思った気持ちが、空間を変え、人生の景色まで少しずつ変えてくれる。
Greener’s Houseは、その最初の一歩に寄り添っていきたいと思っています。
わたしの居場所”づくりの第一歩を踏み出そう
スケッチで想像して、手を動かしてみよう
「自分にとっての居場所って、どんな空間だろう?」
そう問いかけたとき、答えは言葉ではなく“イメージ”で浮かんでくることが多い。
たとえば、好きな椅子に座ってサボテンを眺める時間。
木漏れ日が射し込む窓辺。お気に入りの本が並ぶ棚。
それらを、ラフでいいから紙に描いてみる。スケッチにすることで、ふんわりしていた“理想”が少しずつ輪郭を帯びてきます。
Greener’s Houseでは、そうした“暮らしの原風景”をスケッチからかたちにしていくプロセスをとても大切にしています。
描いてみること。それが第一歩です。
Greener’s Houseと一緒につくる、“わたしの居場所”
この連載を通して、もし「こんな空間にしたいな」と少しでも感じてもらえたら——
その気持ちは、もうすでに第一歩を踏み出しているということ。
「カフェみたいな空間にしたい」
「雑貨屋さんみたいな暮らしをしたい」
「もっと植物が映える部屋にしたい」
そんな想いを、Greener’s Houseと一緒にかたちにしませんか?
実例スケッチはこちらのページで随時公開しています。
また、DIY相談やリノベーションの提案はお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。
“お気に入りの椅子とサボテンがあれば、どこにでもいける”。
その想いを、あなたの暮らしにも。