「小さな家、省エネ住宅に暮らすという選択」
「家って、広ければいいわけじゃないよね」
最近、そんな声を聞くことが増えてきました。
家族の人数に合わせて、必要なものだけを持ち、
できるだけ自然な空気の中で、ストレスなく暮らす。
そうした**“小さな家”ד省エネ住宅”**という選択が、
これからの住まいづくりの本流になっていくと僕は思っています。
「小さな家」=我慢ではなく、余白のある暮らし
小さな家というと、
「狭い」「収納がない」「子育てには不向き」
そんなネガティブなイメージを持つ人も多いかもしれません。
でも実際に小さな家で暮らす方に話を聞くと、
- 家族の気配が自然に伝わる
- 掃除や管理がラクになった
- モノを増やさなくなり、空間に余白が生まれた
という、“心のゆとり”に関する言葉が多く返ってきます。
「省エネ住宅」=光熱費だけじゃない、本当の価値
一方で、省エネ住宅は「電気代が安くなる家」として語られがちです。
でも本質はそこではありません。
- 冷暖房に頼りすぎず、自然に近い空気で暮らせる
- 結露やカビ、寒暖差のストレスが少ない
- 家の中に温度ムラがなく、どの場所も“使える”
つまり、省エネ住宅とは**“心地よく住み続けられる家”**なんです。
小さくても、しっかり“効く家”を
僕が現場で大切にしているのは、
「面積を削っても、性能は削らない」という設計思想です。
- 小さな家こそ、断熱と気密をしっかりつくる
- 冷暖房が効きやすく、無駄なく過ごせる
- 空気の流れと湿度を整えることで、体感温度が上がる
これは、省エネ住宅を「数字」ではなく「暮らしの質」として考えるからこそ生まれる視点です。
京都という土地だからこそ、“小さな省エネ”が合っている
京都は、夏の蒸し暑さと冬の底冷えが厳しい土地。
それに加えて、敷地が狭く、町並みの規制もある。
だからこそ、僕はこう思います。
「小さな家」+「省エネ住宅」= 京都にちょうどいい家
- 必要な空間をコンパクトにまとめ
- 高性能な断熱と換気で快適さを確保し
- 無理のないメンテナンスで長く住める
この組み合わせこそが、京都で“暮らしが続いていく家”の最適解だと思うんです。
高性能住宅って省エネ住宅?と思われている方も少なく無いかもしれません。そういった疑問に答える記事も書いてます。↓
快適さは「広さ」で決まらない。“空気の質”が鍵を握る
「広ければ快適」
なんとなく、そんな思い込みが僕たちの中にはあります。
でも実際は、広さよりも“空気の質”が快適性を左右している。
これは、僕が現場で何十軒と立ち会ってきた中で確信していることです。
“広いのに寒い”“新しいのにムワッとする”
たとえば…
- 大きなリビングなのに冬場は足元が寒い
- 吹き抜けがあるのに夏は2階に熱がこもる
- 部屋数は多いのに、使っていない部屋ばかり
こういった家では、空気の動きや湿度のバランスが整っていないことが多いんです。
つまり、「広さ=快適」ではない。
むしろ、小さな家の方が、正しく設計されていれば快適になれる可能性が高いんです。
快適な家の本質は“空気をどうつくるか”
僕たちが重視しているのは、「断熱性能」や「気密性」といった数値だけではありません。
それよりも、
- 空気が滞らないようにする動線の組み立て
- 湿度を調整する素材選び(無垢材・漆喰など)
- 換気と通風を両立させる空気の出口設計
こうした**“空気の設計”こそが、家の快適さを決める土台**になります。
小さな家は「空気の操作」がしやすい
小さな家には、空気が流れやすいというメリットがあります。
- 距離が短いから、通風計画がスムーズに組める
- 隙間をコントロールしやすく、気密性能を確保しやすい
- 温度差が少なく、冷暖房が効きやすい
つまり、省エネと快適さを両立しやすい“設計上の利点”が詰まっているんです。
「空気の違いは、入った瞬間にわかる」
僕がよく言われる言葉のひとつが、
「この家、なんだか空気が澄んでますね」
それは、気のせいではありません。
- 湿気がこもらないように設計された床下
- 吸放湿する素材で仕上げた壁や天井
- 室内に温度ムラがなく、肌に冷えやベタつきが残らない空気
これらが合わさることで、“深呼吸できる空気”が生まれるんです。
自然素材をふんだんに使えば暮らしやす家になる?思い込みをもったまま家づくりに入るとこんなはずじゃなかった・・・。なんてことにも繋がりかねません。まずは自然素材がどういったものなのかを知ってください↓
「小さな家 × 省エネ住宅」で失敗しないための設計視点
「コンパクトで、省エネで、快適に暮らせる家がいい」
多くの人がそう願います。
でも実際には――
- 小さな家なのに冬が寒い
- 省エネ住宅なのに電気代が思ったよりかかる
- 窓を開けても風が抜けずムッとする
といった**“なんだかしっくりこない家”**が少なくありません。
その原因の多くは、性能と設計が“分離”していることにあります。
断熱・気密・通風を「別々」に考えていないか?
省エネ住宅に必要な要素としてよく挙げられるのは、
- 断熱性能(UA値)
- 気密性能(C値)
- 換気システム
- 冷暖房機器の効率
でもこれらは、“セットで設計”されなければ意味がありません。
たとえば――
気密性が高くても、換気設計が甘ければ空気は滞る。
断熱性能が高くても、通風経路がなければ夏は熱がこもる。
換気設備があっても、給気と排気の位置が悪ければ空気は回らない。
つまり、「設計=空気の動線のデザイン」なんです。
小さな家こそ“設計の質”が問われる
小さい家は、部屋数も少なく、構造もシンプル。
だからこそ、ひとつのミスが家全体に影響しやすい。
- 南面の窓が1つ足りないだけで日射取得に差が出る
- 換気扇の位置次第で空気がよどみやすくなる
- キッチンとリビングの距離感で温度ムラが生まれる
僕は、小さな家ほど「精度の高い設計」が必要だと考えています。
設備頼みではない、“設計主導の省エネ”を
僕たちキノスミカが目指しているのは、
設備に頼らずとも快適に暮らせる、省エネ住宅です。
そのためにやっていること:
- 冬の太陽光を室内に取り込み、蓄熱する設計
- 東西面の窓を小さくして、夏の日射を抑える
- 通風が通る“上下の抜け”を家のどこかに設ける
- 床下空間を閉じすぎず、湿気と冷気の循環を促す
こうした**“家そのものが空調装置になる”ような設計**が、
小さな家と相性がいいんです。
小さくて快適、省エネ。そんな暮らしが叶う理由
「小さな家って、やっぱり狭くて不便なんじゃないですか?」
「本当に省エネで快適に暮らせるんですか?」
そう聞かれることがよくあります。
でも僕はいつもこう答えます。
「快適かどうかは、面積じゃなく“つくり方”で決まります」
小さな家には“ムダがない”
小さな家の最大の利点は、「空間のムダが少ない」こと。
- 廊下が短く、動線がスムーズ
- 使わない部屋がない=家全体が稼働している
- 空間の用途が重なり、暮らしの密度が高まる
こうした構造は、冷暖房や換気の効率を高めるという点でも理にかなっています。
空間が小さければ、エネルギーも少なくて済む。
だからこそ、「小さくても快適で省エネ」が成立するんです。
暖かさと涼しさは、“空気の質”でつくる
キノスミカでは、空気の「温度」だけでなく「質」に注目しています。
- 冬は足元に冷気がたまらないよう床下設計
- 夏は湿気がこもらないよう、風の抜け道を確保
- 通年で湿度が安定する素材(漆喰、和紙、無垢材)を活用
- 機械換気と自然通風を両立させた空気設計
つまり、設備だけに頼らず、家そのものが空気を整える構造を目指しているんです。
「小さくても、家の中どこにいても気持ちいい」
断熱や気密だけでなく、
- 温度差のない空間
- 湿度の安定した空気
- 五感にやさしい素材の肌触り
こういった**“感覚の快適さ”**が、小さな省エネ住宅には宿りやすい。
特に京都のように、夏は蒸し暑く、冬は底冷えする地域では、
「空気をデザインする家」は、見た目以上に効果を発揮します。
小さくても落ち着く空間はできますが、木を使うことでさらに快適な室内環境に。
木の家はなぜ落ち着くのか?そんな疑問に答えるための記事も書いてます。↓
小さな家に“贅沢な快適さ”を込める
たとえば、延床20坪ちょっとの家でも――
- 床は無垢フローリングで温かみを出し
- 天井は杉板で湿気をコントロール
- 採光を活かした明るい空間にし
- 家族が自然と集まる場所を中心に配置
これだけで、**「小さいけど豊かな暮らし」**が実現できる。
むしろ、スペースが限られているからこそ、
一つひとつの設計に“丁寧さ”が宿るんです。
「広くない=豊かじゃない」その誤解を超えて
「家は広いほうがいい」
「子どもがいるなら最低でも4LDK」
「老後は平屋が理想だけど、広さは確保したい」
そんな“なんとなくの常識”が、家づくりの選択肢を狭めていると感じます。
でも本当にそうでしょうか?
“広くない家”は、決して“豊かでない家”ではない。
むしろ、丁寧に設計された“小さな家”には、暮らしを深める力があります。
「面積」ではなく「使い方」が暮らしを決める
たとえば――
30坪の家で10坪分の部屋がほとんど使われていない。
反対に、20坪の家が毎日フル活用されている。
どちらの方が、家族にとって“価値ある空間”になっているか?
僕たちがよく話すのは、「家の中に“死んだ空間”をつくらないこと」。
つまり、使いきれない広さより、“意味ある空間”が詰まった小さな家の方が豊かなんです。
“人と空間の距離感”がちょうどいい家
小さな家では、自然と人との距離も近くなります。
- 子どもの気配がすぐに感じられる
- キッチンからダイニングへの導線がスムーズ
- リビングにいるだけで家全体の空気がわかる
これは、暮らしに「安心感」と「心地よさ」を与えてくれる構造です。
小さな家には、家族の関係が“自然と整う”という価値があるんです。
住まいが“省エネ”になることで、生き方にも余白が生まれる
家が省エネで、光熱費が抑えられる。
メンテナンスコストも大きくならない。
冷暖房のムラがなく、家じゅうが快適。
それによって得られるのは、お金の余白だけじゃない。
- 無理に広さを求めなくていい
- 持ち物を減らして、時間にもゆとりが生まれる
- 住み替えを考えずに、今の家に長く住める安心感
つまり、省エネ住宅とは“ライフスタイルを支える設計”でもあるんです。
豊かさとは、五感で感じる安心
- 朝、床に素足で立ったときの温もり
- 夕方、差し込む光が落ち着く空気
- 冬の夜、エアコンを切っても暖かさが残る室温
- 湿気がこもらず、いつでも深呼吸できる空間
これは、**広さではつくれない“感覚的な豊かさ”**です。
僕たちはそれを、「小さな家、省エネ住宅」で実現したいと思っています。
落ち着く空間にリフォームしようと考えた時やはり無垢のフローリングを選択される方が少なくありません。
ですが、憧れだけで無垢フローリングを選ぶと意外な落とし穴が沢山。
無垢フローリングで後悔しないための5つの知識を書いています。
家づくり、リフォームを失敗しないために読んでください。
「この家に住み続けたい」と思えることが、いちばんの省エネ
「省エネ住宅」という言葉を聞くと、多くの人は光熱費の節約を思い浮かべます。
もちろんそれも大事な視点ですが、
僕はこう考えています。
「住み続けたくなる家」こそ、いちばんの省エネだ
なぜなら、長く住める家=つくり直す必要がない家だからです。
建て替えやリノベを繰り返す方が、よほどエネルギーを使う
住宅は一度建てたら終わりではありません。
- 断熱が足りず冬がつらい → 結局リフォーム
- 結露やカビで壁紙が傷む → 頻繁に張り替える
- 空間が使いづらくなり、引っ越しを検討
こうしたことを繰り返していく方が、
ライフサイクル全体で見ると“浪費”になってしまう。
だからこそ、「今の家にずっと住みたい」と思えることが、
お金にも、エネルギーにも、こころにもやさしい選択になるんです。
小さな家、省エネ住宅が“住み続けられる理由”
僕たちが現場で手がける家では、
「10年後もこの家がいちばんいいと思えるように」という視点で設計しています。
そのために大切にしているのが:
- 温熱の安定:夏も冬も極端な温度差がない
- メンテナンスのしやすさ:無理に最新設備に頼らない
- 素材の変化を楽しめる:経年美化する無垢材や漆喰
- 暮らしの変化に対応できる設計:間取りが“使い切れる”
こうした工夫が、住み続けたくなる理由になっていくんです。
愛着が、家を育ててくれる
「この家、落ち着くんだよね」
「やっぱり、出かけてもここに帰ってきたくなる」
そんな言葉を、施主の方からもらうたびに思うんです。
家は、性能だけでなく“感情”でも省エネになると。
愛着をもって住み続けられる家は、
壊さず、捨てず、何十年も丁寧に育てていける。
だからこそ、「住み続ける」という選択が、
いちばんの省エネであり、いちばんの豊かさだと思うんです。
“続く家”を、京都でつくるということ
京都の家は、気候も敷地条件も、難しい。
でもその中で、小さくて、心地よくて、省エネで、住み続けられる家をつくることには、大きな意味があります。
- 解体されずに、まちの風景に残っていく
- 使い続けられることで、資源を消費しない
- 子どもや次の世代に、自然と受け継がれていく
それは、数字には表れないけれど、
**本当に価値ある“サステナブルな暮らし”**ではないでしょうか。
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