どこも“高性能”と言っていて、違いがわからない
「どこの会社も“高気密高断熱”って言ってるけど、何が違うの?」
「断熱材の種類とかUA値とか、正直よくわからない…」
そんな声を、リノベーションや新築のご相談でよく耳にします。
最近の住宅業界では「省エネ住宅」「高性能住宅」という言葉が広く使われるようになりました。
でもその一方で、性能がどこも“横並び”に見えてしまうのも事実です。
❶ どの工務店も「性能」を語る時代に
いまや、断熱等級6や7は当たり前。
ZEH仕様、樹脂サッシ、熱交換換気…などが標準になってきています。
パンフレットを見ればどれも似たような用語であふれていて、
**「何を基準に選べばいいのかわからない」**という方が増えてきているんです。
❷ スペックは同じでも、「住み心地」が違う理由
実は、同じ断熱材・同じ気密性能を使っても、住み心地には大きな差が出ることがあります。
たとえば:
- 同じグラスウールでも、施工精度や気流止めの設計次第で断熱効果が変わる
- 樹脂サッシでも、配置や庇の有無で夏の快適さがまるで違う
- 熱交換換気でも、給排気のバランスや配置がずれていれば効果は薄れる
つまり、「何を使っているか」ではなく、どう設計し、どう施工しているかが快適性の鍵になるのです。
❸ 比較すべきは、「設計の考え方」と「施工の丁寧さ」
住宅は、素材のカタログを組み合わせるだけではできません。
- 断熱と気密と換気が、空気の流れとして一貫して設計されているか?
- 自然素材の特性が、湿気・熱・空気と連動して使われているか?
- 開口部や動線が、季節の風や光と関係づけられているか?
こうした見えない“空気の設計”がされているかどうかが、
実際に住んだときの快適性を決めるんです。
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こうした検索キーワードには、「誰を信用していいか迷っている」気持ちが表れています。
❹ 「どこで建てるか」より、「誰と建てるか」
僕は常にこう考えています。
家は、“どの性能を選ぶか”ではなく、“どんな視点で考えられたか”で決まる。
目に見える断熱材や設備ではなく、
目に見えない空気の動き、住まい手の暮らし方、素材との呼吸…。
そういったものを、どれだけ“丁寧に想像できるか”が、設計者の力量だと思うんです。
断熱・気密だけでは見えない、設計の質の差
「断熱材はこれを使っています」「気密はC値0.5以下です」
確かにそういった数値や材料のスペックは安心感があります。
でも僕はあえて言いたい。
**「それだけでは、快適な家にはならない」**と。
❶ スペックだけでは語れない「体感の違い」
同じ断熱材、同じサッシ、同じ気密性能でも、
**「なんとなくこの家、空気がいい」**と感じる家と、
**「なんとなく息苦しい」**と感じる家がある。
それは何が違うのか?
答えは、“設計の質”にあります。
❷ 快適性は、「空気・湿度・動線」の連携で決まる
設計の質とは、単なる図面の話ではありません。
暮らしの中で、どう空気が流れ、どう湿度が動き、どう人が動けるかまでを
立体的に考えられているかどうか。
たとえば:
- 寝室が夜間に風の通り道になるか
- キッチンからの湿気が回遊動線で抜けていくか
- 床下の冷気がどこにもたまらず、やさしく拡散するか
そうした「動き」を想像できるかが、図面では測れない快適性の正体なんです。
❸ 京都という地域性が、「設計の質」を問う
京都は、気候も風土も極端です。
- 夏は湿気がこもり、風の通らない家は“蒸し風呂”になる
- 冬は底冷えし、足元に冷気がたまりやすい
- 春秋は寒暖差が激しく、素材の吸放湿が家全体の快適さを左右する
つまり、東京や名古屋のモデル住宅とは違う“土地の読み替え”が必要になる。
その読み替えができるかどうかが、設計の力量なのです。
❹ 仕様書ではなく、“空気の地図”を描けているか?
僕が設計する際にいつも心がけているのは、
空気の道と温度の分布を、図面の中に思い描けているかどうか。
- この窓を開けたとき、どこから風が入り、どこに抜けるのか?
- この断熱材の裏に、湿気がこもらないか?
- この素材は、空気と熱をどんなふうに受け止めてくれるか?
こうした「空気の地図」が描けていなければ、
どれだけスペックが高くても、それはただの箱にすぎません。
断熱材も厚みを増やせばいいだけ。という問題ではありません。省エネ住宅をはリノベーションやリフォームでも到達可能な指針です。まずは断熱ってそうなんだ。を掴んでください。
工務店による設計力・施工力の違いとは?
「どの工務店も高性能って言うけど、実際どこが違うの?」
「設計力って、何を見ればわかるの?」
そんな疑問を持たれる方も多いと思います。
結論から言えば、工務店の違いは“目に見える部分”より“目に見えない部分”にこそ現れます。
❶ 設計図の枚数ではなく、“読み取る力”の差
どんなに詳細な設計図があっても、
暮らしを立体で想像できないと、図面はただの記号です。
たとえば、
- 窓の位置ひとつで、夏の通風と冬の寒さがまるで違う
- 天井の高さで、熱のたまり方が変わる
- 壁の断熱ラインがずれていると、気流が崩れ、足元が冷える
これらは、断熱材や気密の数値では見えない、設計者の読み解き力によって左右されます。
❷ “見えない部分”にこそ、施工力の差が出る
現場ではもっと顕著です。
- 気密シートの重ね方
- 断熱材の隙間の埋め方
- コンセントボックスまわりの気流止め
- 床下の配線・配管まわりの処理
こうした細部が甘ければ、どんなに数値で良くても
住んでから「なんか寒い」「すぐホコリが溜まる」といった体感につながるのです。
❸ 「目に見えない仕事」ができる職人チームかどうか
大手ハウスメーカーでは分業化されすぎていて、
設計と現場が分断されてしまうこともあります。
その点、僕たちのような小さな工務店は、
設計者自身が現場に立ち会い、職人と一緒に空気の流れまで確認しながら施工を進めることができます。
- この気密ラインは繋がっているか?
- この断熱材の納まりで、冷気は止められるか?
- この素材は、湿気を逃がしてくれるか?
ひとつひとつを、「身体の感覚」として丁寧に確認しながら積み上げていく。
それが僕たちの家づくりです。
❹ 設計力 × 施工力の“通訳者”がいるかどうか
どんなに腕のいい職人でも、
設計の意図が伝わらなければ、それは図面のまま形になりません。
だからこそ、僕たちは「通訳者」としての役割も大切にしています。
設計図を「暮らしの翻訳」として読み替え、現場に伝える。
そして逆に、現場からの細かい声を受け取り、設計に反映させる。
この往復こそが、“暮らし心地”を形にするための最も大切なプロセスだと僕は思います。
僕たち作り手は常にお客様が望む向こう側を想定しています。太陽光の相談も増えていますが、メリットデメリットをしっかりと理解して、高額な太陽光を乗せる必要があります。
まずはこの記事で理解を広げることからはじめませんか?
キノスミカが大切にしている5つの設計視点
「断熱材はなにを使ってますか?」
「気密性能はどのくらいですか?」
よく聞かれる質問ですが、僕が本当に大事にしているのは**その先にある“つながり”**です。
断熱も、気密も、通風も、換気も、素材も。
バラバラに選んだら意味がない。
すべては、空気と温熱をどうコントロールするかという“ひとつの設計”であるべきだと、僕は思っています。
❶ 僕が「現場管理」にこだわる理由
僕は普段、現場に立ち会う設計士であり、
管理に徹することでしか守れないものがあると感じています。
現場に設計者がいないと、
職人たちが“やりやすいように”進めてしまうのは、ごく自然なことです。
でも、断熱・気密・耐震といった構造的な部分は、
**後から直せない“家の根幹”**です。
それだけに、管理不在の現場は、小さなズレが致命的な違いになる。
だからこそ、僕は現場を他人任せにしない。
図面と現場をつなぎ、設計の意図を“空気の動き”として形にする。
それが、僕の役割です。
❷ 5つの設計視点|性能と感覚をつなぐ
僕たちが大切にしている設計の要点は、以下の5つです。
【1】断熱は「体の感覚」で設計する
ただ熱を遮るだけでなく、足元からの冷えや輻射のムラまでを考える断熱設計。
【2】気密は「空気の制御装置」
数値で測るのではなく、空気がどこから入り、どこに抜けるかを前提にした気密施工。
【3】換気は「呼吸」そのもの
24時間換気がついていても、吸気と排気のバランスが悪ければ、空気は澱む。
だからこそ、自然換気と機械換気の併用設計を基本としています。
【4】通風は「感性」と「設計」の融合
風が通る家は気持ちがいい。でもそれは偶然ではなく、意図的に設計された抜け道があるから。
【5】素材は「湿気と温度の緩衝材」
自然素材が“良さそう”ではなく、**空気と熱の変化を受け止める素材として使えるか?**という視点。
❸ 数字では測れない、「空気のまとまり」を設計する
これら5つがバラバラでは、いくら高性能な素材を使っても、
ちぐはぐな住み心地になります。
たとえば…
- 気密が弱ければ、断熱の効果が逃げる
- 換気の設計がズレれば、せっかくの自然素材が機能しない
- 通風が計画されていないと、夏は蒸し風呂になる
僕たちは、こうした設計全体を「空気のまとまり」として捉えています。
その中心にあるのが、「現場を知っている設計」です。
高性能住宅は省エネ住宅って思われがちですが、本当の意味での省エネ住宅ってどういう家だと思いますか?
数字だけじゃない、「空気の質」で選ばれる家
「断熱等級はいくつですか?」
「UA値はどのくらいですか?」
もちろん、そういった数値は大切です。
でも実際に家を建てた方が語るのは、
「この家は、なんか空気が気持ちいい」
という、**“数値に表れない実感”**なんです。
❶ 本当に快適な家は、「肌が先に気づく」
僕が考える快適性は、温度だけじゃない。
- 冷えが足元にたまらない
- 湿気がベタつかず、さらっと抜けていく
- 空気がこもらず、澄んでいる
- 壁や床が、静かに呼吸している感じがする
こういった感覚を、「高性能住宅」という言葉だけで表すのは、難しいと思っています。
❷ 空気の質=「設計 × 素材 × 現場」の積み重ね
この“空気の心地よさ”は偶然では生まれません。
そこには明確な理由があります。
たとえば:
- 計画換気と自然通風の“風の設計”
- 湿気を逃がしやすい間取りと素材の組み合わせ
- 窓の配置と庇による、夏の日射制御
- 足元の冷気を断つ、床下の断熱と空気層設計
こうしたものを一体として設計し、素材選定し、そして現場で丁寧に施工すること。
それが、数字では語れない空気の質をつくる条件です。
❸ お客様の言葉が、すべてを物語る
僕たちの家に住まわれたお客様の声で、いちばん多いのがこんな言葉です。
「冬、朝起きても顔が冷たくない」
「エアコンをつけっぱなしじゃなくても快適」
「子どもが床に寝転がっても気にならない」
「なんとなく、空気がしんとしていて落ち着く」
これらはすべて、断熱・気密・換気・通風・素材の**“掛け算”が成立したときだけ生まれる実感**です。
❹ 性能の先にある「暮らしの感覚」を届けたい
性能を高めることは手段です。
最終的にたどり着くべきは、**「呼吸したくなる空気」「触れたくなる温熱感」**です。
- 数字を見て安心する家ではなく
- 五感が反応して落ち着ける家を
それが、キノスミカが目指す住宅のあり方です。
僕たちは、そのために空気を設計し、素材を読み、現場を歩くんです。
自然素材の家は無添加だから大丈夫。なんてことはありえません。
しっかりとした知識をもってこれからのリフォーム・リノベーション、家づくりを進めることが大切です。
後悔する前にこの記事をまずは読んでみてください。
「深呼吸したくなる家」を体感する方法
たとえば初めてキノスミカの家に入ったとき、
「なんだろう、この空気…」と小さくつぶやかれる方がいます。
温度でも、香りでも、湿度でもない。
“なにかが整っている”と肌が感じる空間。
それが、僕たちがつくりたい「深呼吸したくなる家」です。
❶ 数値ではなく、身体で選んでほしい
ネット上には、UA値、C値、断熱材の性能比較…
たくさんの情報があふれています。
でも、情報を集めれば集めるほど、“本当の違い”が見えづらくなることもある。
だからこそ、僕はこう伝えたい。
「どこか一つでも気になるなら、まず体感してください」
なぜなら、“空気の質”は言葉で説明しきれないから。
❷ 僕たちが大切にしている体感ポイント
キノスミカでは、ただの“モデルハウス見学”以前につくられた家に’訪問することで、
実際の暮らしが感じられる空間体験をご案内しています。
たとえば:
- 朝と夜で空気の動きがどう変わるか
- 床下の空気がどんなふうに影響しているか
- 湿度が安定しているからこそ、呼吸が深くなること
これは、数字では伝えられない感覚です。
でも、体にすっと入ってくる「わかる」感覚がある。
❸ 迷っている方へ|こんなふうに感じているなら、ぜひ
もしあなたが…
- 「高性能住宅って、どこも同じに見える」
- 「リノベーションって、何を基準に判断すればいい?」
- 「省エネって言われても、実感がない」
そんなふうに感じているなら、
数字ではなく“肌感覚”から選ぶ住まいのプロセスが、きっと役に立ちます。
❹ 暮らしの中で“本当に効いてくる設計”を見てほしい
キノスミカの家づくりは、
- 空気の流れを読む
- 湿気の動きを受け止める
- 風や光に逆らわず使いこなす
そうした、**「暮らしの中で効くデザイン」**を一つひとつ積み上げるプロセスです。
だからこそ、家に入った瞬間に身体が判断する。
「ここは、気持ちいい」と。
どこまでいってもお金の話は大切なのです。
リフォーム・リノベーション・家づくりの前に見積もりのどういうところに気を付けるべきなのか。
この記事にはその点について具体的に書いています。契約する前にこの記事をぜひ読んでください。
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note|現場の言葉と想いを、より深く綴っています
図面には載らない“暮らしの話”を、noteで語っています。
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