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「町家の耐震リフォームはいくらかかる?|費用・補助金・できることマップ」

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この記事は約9分で読めます。
  1. 【第1章】「騙されたくないし、壊されたくもない」── その気持ちから始めましょう
  2. 【第2章】なぜ“高い”と感じるのか?── 見えにくい費用の正体
    1. ✅ 原因①:「一式見積もり」の壁
    2. ✅ 原因②:見た目に現れにくい工事内容
    3. ✅ 原因③:費用が「家全体の規模」によって大きく変わる
    4. ✅ 原因④:補助金の仕組みが分かりにくい
  3. 【第3章】耐震補強って、実際どこにいくらかかるの?|内訳と費用感
    1. 🔧 よくある耐震補強の項目と金額目安(2025年現在)
    2. 📌 工事範囲は“全体”ではなく“選択的”に
    3. 💡「命を守る最低限ライン」を知るという視点
  4. 【第4章】予算に合わせて、できることは変えられる|“必要十分”の選択肢
    1. 💰《100万円以内》── とにかく最初の一歩を踏み出す
    2. 💰《300万円前後》── 命を守る“最低限ライン”を確保
    3. 💰《500万円以上》── 構造再設計と“断熱”をセットにした本格改修も視野に
    4. 📎 補助金制度の活用で、できることが増える
  5. 【第5章】「全部やる」じゃなくていい──“必要なだけ”のリフォームという考え方
    1. ✅ 耐震=命を守る“最低限ライン”の確保
    2. ✅ 不安を煽られずに、判断できるようになる
    3. ✅ それでも「守りたいもの」があるから
  6. 【第6章】判断のために、“小さく動く”という選択肢
    1. ✅ 小さく、でも確実に動ける3つの選択肢
    2. 🎯 行動は“納得したあと”でいい
  7. ✅ まとめ

【第1章】「騙されたくないし、壊されたくもない」── その気持ちから始めましょう

「京町家の耐震リフォームって、いくらかかるんですか?」

最近、こうしたご相談をいただく機会がとても増えています。
リフォームや改修工事の相場がわからず、不安を感じている方が多いのは当然のことです。

見積もりを依頼してみたら、「一式 〇〇万円」とだけ書かれた金額に戸惑い、
詳細を聞いても「必要ですから」と言われただけで納得できなかった──そんな声も、たくさん届いています。

でも、あなたは今こうして、
「まずは情報を得よう」「きちんと調べてから判断しよう」と考えている。

それだけで、すでに最も賢明なスタートラインに立っています

✔ ぼったくられたくない
✔ 本当に必要なことを選びたい
✔ でも、家のことをちゃんと考えたい

そんな気持ちを持つ人が、正しく前に進むために。
この記事では、「どこにどんなお金がかかるのか」そして「無理のない補強はどこまで可能なのか」を、
費用別・内容別に“地に足のついた情報”としてまとめていきます。

「全部やる」必要はありません。
“必要なところから、必要な分だけ”
それが、住まいを守る本当の第一歩です。

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【第2章】なぜ“高い”と感じるのか?── 見えにくい費用の正体

京町家の耐震リフォームに対して、「高い」という印象を持つ方は少なくありません。
では、それはなぜでしょうか?

✅ 原因①:「一式見積もり」の壁

多くの業者が出す耐震リフォームの見積もりには、
「耐震改修一式」「構造補強一式」といったざっくりとした表現が使われることがあります。

詳細な内訳が書かれていなければ、

「本当にこの金額が妥当なのか?」
「自分の家に、これ全部必要なのか?」

と不安になるのは当然です。

✅ 原因②:見た目に現れにくい工事内容

耐震補強は、壁の中や床下、柱の足元など**“目に見えない部分”の工事がほとんど**です。
だからこそ、

「リフォームしたのに見た目が変わらないのに、こんなに高いの?」
という違和感につながりやすい。

リビングをおしゃれに変える工事のように、「視覚的な満足感」が得られない分、費用に対する納得感が薄くなりがちなのです。

✅ 原因③:費用が「家全体の規模」によって大きく変わる

同じ耐震リフォームでも、

  • 床面積が大きい
  • 間取りが複雑
  • 歴史的価値が高い

といった条件によって、必要な工事範囲が増え、費用も比例して上がっていきます
それを知らないまま「相場はいくら?」と聞いても、ピンとくる答えは返ってきません。

✅ 原因④:補助金の仕組みが分かりにくい

多くの自治体では、耐震診断・設計・工事それぞれに補助金制度があります。
ですが、その制度設計がバラバラで複雑であり、
「誰が、何を、どこで申請すればいいのか」がわかりにくいため、
結果として「結局は全額自己負担になるのでは?」と誤解されるケースも少なくありません。

こうして不安は積み重なり、

「きっと高いに違いない」
という“想像上のハードル”が、現実よりも高くなってしまっているのです。

そして、もうひとつの大きな理由。
それは、「ぼったくられるんじゃないか」という根深い不信感です。

耐震補強は専門的で見えにくく、素人では判断できない部分が多い。
だからこそ、

「“全部やらないと危険です”って言われたら、断れないんじゃないか」
「説明を聞いても、よくわからないままサインしてしまうかもしれない」
という恐れが、静かに心の中に居座っているのです。

この感情は、決して間違っていません。
実際、知識の差を利用して不安を煽るような提案をする業者が存在するのも事実です。

ですが、その不安に飲み込まれないためには、
最低限の予備知識を持つことが、自分と家族を守る一番の武器になります。

次の章では、どこにいくらかかるのか──
「費用の内訳」と「どこまでやればいいか」を、具体的に見ていきましょう。

【第3章】耐震補強って、実際どこにいくらかかるの?|内訳と費用感

ここからは、実際に京町家で行われる耐震補強の内容と、それぞれにかかる費用の目安をご紹介します。
「全部一式で〇〇万円」ではなく、どんな工事にどれだけのお金がかかるのかを知ることで、
自分の家に本当に必要なことが何か、見えてくるはずです。

🔧 よくある耐震補強の項目と金額目安(2025年現在)

工事項目内容参考費用
柱の根継ぎ・補強腐食やシロアリ被害を受けた柱の補強・取替約15〜25万円/箇所
壁の筋交い補強壁内に筋交いや構造用合板を挿入して強化約10〜20万円/面
基礎の補強・増設ベタ基礎や布基礎の増設、鉄筋コンクリートの巻立て等約40〜80万円/棟
金物補強接合部に補強金物を設置(ホールダウン金物など)約3〜5万円/箇所
耐震設計・構造計算事前診断と補強設計(補助金対象の場合も)約10〜30万円程度

※費用は町家の規模や構造により異なります。上記は参考値。

📌 工事範囲は“全体”ではなく“選択的”に

耐震補強というと「家全体をガラッと壊して直す」イメージを持たれがちですが、
実際にはリスクの高い箇所だけを優先して補強するという方法もよく用いられます。

✅ 1階の壁面の一部だけ
✅ 基礎の一部だけ
✅ 柱・梁の接合部だけ
といったように、段階的な施工で予算と安全性を両立することが可能です。

💡「命を守る最低限ライン」を知るという視点

すべての補強を一気に行う必要はありません。
まずは「命を守るライン」=倒壊リスクを下げる最小限の補強からでも十分価値があります。

次章では、それぞれの予算帯で「実際にどこまでできるのか?」をわかりやすく整理していきます。

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【第4章】予算に合わせて、できることは変えられる|“必要十分”の選択肢

耐震リフォームは、「全部やる」か「何もしない」かの二択ではありません。
家の状態と予算に合わせて、“今できる最善”を選ぶという考え方が、とても重要です。

ここでは、代表的な3つの予算帯に応じて、どんな工事が可能なのかを整理してみます。

💰《100万円以内》── とにかく最初の一歩を踏み出す

  • 耐震診断(約5〜10万円)
  • 倒壊リスクが高い箇所の部分補強(例:1〜2箇所の金物設置、筋交い補強)
  • 柱の根継ぎ1本+金物補強2箇所、など“局所対応”

👉 「どこが危険か知る」だけでも、安心感と判断力が手に入る
👉 「まず診断だけ」も立派な選択

💰《300万円前後》── 命を守る“最低限ライン”を確保

  • 1階全体における耐震強化(主要な壁・柱の補強)
  • 基礎部分の補強(部分巻立て、ひび割れ補修)
  • 耐震設計〜補助金申請までワンストップで実施可能

👉 耐震等級1相当の耐力を目指す「最低限+α」の補強プラン
👉 補助金制度を活用すれば、実質負担はもっと抑えられる

💰《500万円以上》── 構造再設計と“断熱”をセットにした本格改修も視野に

  • 全体補強+床や壁の入替+断熱・耐震一体施工
  • スケルトン化せず“住みながら”進める設計も可能
  • 工事期間や生活影響をコントロールしながら安全性UP

👉 家の“再設計”レベルの内容にも手が届く
👉 「どうせやるなら快適に」という将来視点の選択

📎 補助金制度の活用で、できることが増える

自治体によっては、

  • 耐震診断補助(全額 or 定額)
  • 耐震改修補助(上限100〜200万円)
    などが整備されています。
    制度が使える前提でプランを立てると、実現可能性が一気に高まります。

「予算が限られているから無理」ではなく、
「限られた予算で何ができるか」を考える方が、前に進めます。

【第5章】「全部やる」じゃなくていい──“必要なだけ”のリフォームという考え方

「耐震リフォーム」と聞くと、

「家全体を壊して直す、ものすごく大きな工事」
というイメージを持たれる方も多いと思います。

確かに、全面補強やスケルトン改修が必要なケースもあります。
でも、それが唯一の正解ではありません。

✅ 耐震=命を守る“最低限ライン”の確保

本当に大切なのは、**「倒壊を防ぐこと」**です。
つまり、地震のときに命を守れるだけの強度が確保されていれば、
見た目を全部変える必要も、今すぐ全部の壁を剥がす必要もないのです。

✅ 不安を煽られずに、判断できるようになる

「全部やらないと意味がない」
「ここを直さないと危険です」
──そう言われてしまえば、判断ができなくなって当然です。

でも、自分で知識を持っていれば、

「その工事は本当に今必要ですか?」
と、冷静に質問できる力が身につきます。

✅ それでも「守りたいもの」があるから

京町家の耐震補強に取り組む方の多くが、
「自分が住む」以上に、**「誰かのために残したい」**という想いを持っています。

  • 親が暮らす実家を安全に保ちたい
  • 子どもに継がせるときに安心できるようにしたい
  • 地域の風景の一部として、町家を壊さず守りたい

それぞれの「理由」があるからこそ、
「必要なだけやる」「今できることをやる」という選択が意味を持つのです。

あなたが守りたいと思ったその気持ちが、
もうすでに、“家を守る一歩”になっています。

【第6章】判断のために、“小さく動く”という選択肢

ここまで読み進めてくださったあなたは、
「今、動いたほうがいいかもしれない」と、どこかで感じているのではないでしょうか。

でも、いきなり工務店に連絡したり、見積もりを頼むのはやっぱりハードルが高い。

だからこそ、まずはもっと軽やかな第一歩を提案します。

✅ 小さく、でも確実に動ける3つの選択肢

① 無料で読める「耐震補強プラン一覧PDF」

  • 予算別にどこまで補強できるのかをマッピングした一覧表
  • 自分の状況と照らし合わせながら“考える”ことができる
  • ご希望の方にすぐお送りします

② 次の記事:「住みながら町家を補強できる?|仮住まい不要の耐震リフォーム術」

  • 「補強したいけど引っ越せない」方へ
  • 高齢の親との同居や、今住んでいる町家を直したい人向け
  • 今の暮らしを壊さずに、安全を手に入れる方法を詳しく紹介

🎯 行動は“納得したあと”でいい

焦らなくていい。
ですが、「知らなかった」では守れないものもある

情報を持った今だからこそ、

「無理のない方法で、この家と向き合う」
その選択肢を、ぜひ考えてみてください。

✅ まとめ

  • 耐震リフォームは「全部やる」必要はありません
  • 予算に応じて、“命を守る最低限ライン”から始められる
  • 知識と冷静さを持っていれば、不安に飲まれず判断できます
  • 小さな一歩が、町家を未来へ残す大きな力になります
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