家づくりの雑学

「断熱工事 一式」は危険信号?高性能住宅で見積もりの“ブラックボックス”を徹底解剖

改修現場での裸グラスウールに気密シートを施工

【警告】「一式」で済まされている断熱は、あなたの命と健康を脅かしているかもしれません。

「断熱材は、入っているって見積もりに書いてあったから大丈夫でしょう?」

私たちは、この言葉を聞くたびに、ゾッとします。なぜなら、多くの場合、お客様が安心しているその「断熱工事 一式」こそが、後々、最も大きな後悔と健康被害を生むブラックボックスだからです。

壁の中に隠れる断熱材は、完成後、あなたの目には触れません。

  • 夏は「暑くて息苦しい家」
  • 冬は「高気密の家なのに結露でカビだらけの家」

こうした失敗の多くの原因が、見積もりの「一式」に隠された「施工の曖昧さ」にあります。

断熱工事の失敗は、単に「寒い」で済む話ではありません。カビによる健康被害、そしてヒートショックのリスクなど、あなたの命に直結する問題です。

今からの季節、この問題はあなたの暮らしに大きな影響を与えます。後悔のない家づくりをするために、「一式」という言葉の裏側を、一緒に見ていきましょう。

「断熱気密工事一式」に絶対書かれていない4つの項目

断熱性能は、材料費ではなく、「施工精度と気密性」で決まります。ですが、一般的な「一式」の見積もりには、その最も重要な部分が意図的に、あるいは無意識に省略されています。

① 「材料」の曖昧さ:熱抵抗値R(またはUa値)の明記がない

「グラスウールを使用」と書いてあっても、それがどのグレードの製品なのかが不明瞭なケースが多くあります。

本当に必要なのは、材料名ではなく、その断熱材が持つ「どれだけ熱の移動を妨げるか」という性能を示す熱抵抗値(R値)、あるいは建物全体の外皮平均熱貫流率(Ua値)です。

これが明記されていなければ、安い材料にすり替えられたり、必要な性能を満たしていない可能性があります。

Greener’s Houseの規格住宅のグラスウールの性能はこちらからご確認いただけます👇

② 「数量」の曖昧さ:面積(㎡)と厚みの記載がない

「一式」では、壁・床・屋根のどこに、何㎡施工し、何mmの厚みを入れるのかが不明です。

特に断熱リフォームでは、既存の柱の厚みや梁の高さによって、断熱材の「入れられる厚み」が制限されることがあります。その制限の中で「どこまで頑張って高性能を実現するか」という設計者の意図が、数量には表れていなければなりません。

③ 「施工精度」の曖昧さ:最も重要な「気流止め」の項目がない

断熱材を隙間なく入れることよりも、実は「気流止め」という、壁内の空気の動きを止める施工の方が遥かに重要です。

高性能住宅で「高気密なのに息苦しい」と感じる原因の多くは、この気流止めや防湿シートの施工不良にあります。断熱材の隙間から冷たい空気が流れ込む現象をヒートブリッジ(熱橋)と呼びますが、この防止策は「一式」ではまず明記されません。

④ 「誰の仕事か」の曖昧さ:大工工事に埋もれる施工費用

「材料費」だけは記載されていても、「施工費」は「大工工事」の中に紛れてしまっているケースがほとんどです。

  • 断熱材の施工が大工さんの「ついで」になっていないか?
  • 気密施工は、専門の知識を持つ職人が行っているか?

特にグラスウールのような材料は、大工の知識と丁寧さによって性能が全く変わります。その手間賃が曖昧では、施工品質の低下を招きます。

Greener’s Houseでは断熱気密施工は自社による一貫した施工を基本としています。

2. なぜ断熱の失敗は「カビと息苦しさ」に直結するのか?

見積もりの曖昧さが生むのは、「寒い」という不快感だけではありません。それは、貴社サイトで多くの方が検索している「息苦しさ」「カビ」という深刻な健康被害に直結します。

失敗1:壁内結露があなたの家を蝕む

断熱材の施工不良や防湿シートの破れがあると、室内で発生した湿気が壁の中に入り込み、冷たい外壁側で水滴に変わります。これが「壁内結露」です。

壁内結露は、建材を腐食させ、家の寿命を縮めるだけでなく、カビの温床となります。壁の中にカビが発生すれば、それは空気中を漂い、ご家族のアレルギーや喘息の原因となります。

失敗2:「空気の重さ・息苦しさ」の原因は気密・換気不足

「高気密なはずなのに、部屋の空気が重い」「換気扇を回しても空気がよどむ」

こうしたトラブルの原因の多くは、断熱の不完全さから来る「気密性能(C値)の低さ」にあります。

気密が低いと、計画的ではない場所から空気が漏れ、「換気計画」が破綻します。給気口から入るはずの新鮮な空気が、床下や壁の隙間から汚れた空気と一緒に不適切に入ってくるため、「換気が回らない」「空気が淀む」という現象が起きるのです。

断熱の施工精度が低い家は、安全な家ではありません。それは、カビと淀んだ空気で健康を蝕む家なのです。

3. 【施主が取るべき行動】「一式」を「見える化」するチェックリスト

断熱工事の見積もりは、**「どれだけ性能を保証してくれるか」**を示す唯一の証拠です。

**“聞きにくいことこそ、あえて質問する勇気”**を持って、以下の項目を工務店に明確に確認してください。

質問すべきポイントなぜこの質問が必要か?
性能保証値「C値(気密性能)の目標値と実測保証」はありますか?
仕様の透明性断熱材のR値(熱抵抗値)と厚み**を、壁・屋根・床の部位ごとに全て明記してください。
施工の核「気流止め」と「防湿処理」は、どのような工法で行いますか?
職人の専門性断熱・気密工事は、大工が兼任しますか?それとも専門業者が入りますか?
図面との整合性断熱材の配置や厚みが記載された断熱仕様図はありますか?

もし、これらの質問に「そこまでは普通やらない」「一式で対応します」と曖昧な答えが返ってきたら、その工務店は「断熱の本質」を理解していない、あるいは「見えない部分をごまかそうとしている」可能性があります。

僕たちは、お客様に「安心してください」と言うだけでなく、「安心できる根拠」を数値と図面で提示できる設計・施工を常に心がけています。

【まとめ】「誰が・どこに・どう施工するか」が未来を決める

見積もりに「断熱一式」と書かれていても、それは**「注意すべきサイン」**です。

快適性に直結する性能でありながら、壁の中に隠れてしまう工事だからこそ、透明性が求められます。

私たちGreener’s Houseは、「小さい家」だからこそ、断熱・気密・換気の性能には一切妥協しません。

  • 「寒い家」を安全な構造に変えるだけでなく、「深呼吸できる、快適な家」に変えること。

それが、僕たちの考える家づくりやリノベーションです。

あなたの家づくりが、後悔のない、安心できるものになるように。まずはお見積もりに関するあなたの疑問や不安を、私たちに聞かせてください。

【「一式」の裏側を無料で診断します。ご相談はこちら】

あなたの不安を解消する、おすすめの関連記事