第1章|「何から始めたらいいの?」が一番多い悩み ― 空き家リノベーションのはじめの一歩
「空き家をリノベして暮らしたいと思っているけれど、何から手をつけたらいいのかわからない」
こうした相談は、僕たちキノスミカにも本当によく届きます。
物件探し?
リフォーム会社探し?
設計相談?
それとも資金計画から?
たしかに、空き家リノベーションには“正解の順番”があるわけではありません。だからこそ、「最初の一歩」でつまずく人が多いのも自然なことなんです。
リノベーションで一番多い質問は「どこから始めれば?」という不安
新築住宅ならば、ある程度流れが決まっています。物件選び→設計→工事→完成という一連の段取りがあるからです。
でも空き家リノベの場合は、
- 物件:不動産会社
- 設計:建築士や設計事務所
- 工事:リフォーム会社や工務店
- 融資・補助金:行政や銀行
と、それぞれがバラバラで、誰に何をどの順番で相談すればいいのかがわかりにくくなります。
最初に考えるべきは「どんな暮らしがしたいか?」
そこで僕たちは、まずこう問いかけます。
「この家で、どんな風に暮らしたいですか?」
決して「空気の設計が一番!」と言いたいわけではありません。
ただ、最初に**“間取り”や“設備”よりも、「暮らし方」や「感じ方」から考える”**ことが、とても大切だと思っています。
たとえば──
「朝、布団から出た瞬間の足元が冷たくない家がいい」
「洗濯物がちゃんと乾いて、室内がじめじめしない暮らしがいい」
「ペットが安心して走り回れる、優しい素材の床がほしい」
そういった感覚のイメージを最初に持つことで、「自分たちにとっての整えるべき軸」が見えてきます。
空き家は“暮らしを整えられるかどうか”を見極めることがスタート
「空き家=寒くて、住めない」と思われがちですが、それは“そのまま”住もうとしたときの話。
大切なのは、
- その家がどこまで自分たちにあった暮らしに整えられる余白を持っているか
- 自分たちの暮らしにどう対応できそうか
を見ていくことです。
僕たちが見学のときに注目するのは、構造の劣化だけでなく、
「風が抜けるか?」「湿気がこもっていないか?」など、家の“呼吸”に関わる部分です。
でもこれは、あくまでひとつの視点。
間取りが気に入ったから選ぶ
光の入り方が気に入ったから選ぶ
通勤・通学の利便性で選ぶ
そんな選び方も、もちろん正解です。
大切なのは、「自分たちの価値基準」で選び、“暮らしに合わせて整えること”を知っているかどうかなんです。
整えやすい空き家の見分け方とは?京都のリノベーションで後悔しない目利きのコツ
「この家、リノベーションに向いているのかな?」
空き家を見に行ったとき、多くの人がそんなふうに悩みます。
築年数、外観の古さ、間取りの不便さ……
気になるところをあげればキリがないですよね。
でも実は、**見た目よりも「整えやすい空き家かどうか」**が、リノベの成功を左右します。
リノベーションに向いている空き家の共通点とは?京都での判断ポイント
京都の空き家は、間口が狭くて奥行きがある「うなぎの寝床」型が多いです。
このような住宅は一見すると不利に思えるかもしれませんが、
空気の通り方や構造の状態をチェックするだけで“整えやすい空き家”かどうかの判断がつくことも多いんです。
たとえば、こんなポイントを見てみてください。
ポイント①|床下の湿気や通気が確保されているか?
→ 床下が乾いていて、湿気やカビの臭いがない場合、土台が再利用しやすく、構造補強コストも抑えやすくなります。
→ 換気口が適切に配置されていれば、後からの調整も効きやすいです。
ポイント②|窓の配置と風の抜け道を見てみよう
→ 京都の空き家は、隣家と密接していて風が通りにくいこともあります。
でも、「南北方向に窓があるか?」「高低差のある窓があるか?」など、“風の通り道”を描ける余白がある家は、整えやすいです。
ポイント③|屋根裏の状態や通気性も見てみる
→ 天井裏がカビ臭くないか、梁がしっかりしているか。
こうした目に見えない部分が意外と重要です。
断熱・気密以前に、湿気を抜く構造が残っているかが、リノベの可能性を左右します。
見た目や間取りより「整えられる余白」を感じることが大事
「キッチンが狭いな」
「収納が少ないな」
「部屋数が足りないな」
そんな悩みは、リノベで“変えられる”部分です。
でも、湿気や結露がこもる構造は、リノベしても快適にならないことがあります。
だからこそ、選ぶときに大切なのは──
「今、完璧な家かどうか」ではなく、
「これから整えていける余白があるかどうか」。
整えやすい空き家には、こんな共通点がある
- 風が一方向に抜けそうな窓配置になっている
- 床下や屋根裏に湿気がこもっていない
- 壁が結露やカビでボロボロになっていない
- 間取りがシンプルで、変更がしやすそう
「この家、住めるのかな?」と思ったら、
ぜひ「整えやすいかどうか」を軸に見てみてください。
間取りや内装の好みはあとからでも変えられます。
でも、“整えられる素地”は、今しか見えません。
間取りを整える前に「暮らしやすさの土台」を見つける
「どんな間取りにしようかな?」
空き家リノベの計画が始まると、最初にワクワクするのが“間取り”ですよね。
「明るいリビングにしたい」
「キッチンとダイニングをつなげたい」
「収納を増やしてすっきり暮らしたい」
こんなふうに、いろんな夢が広がります。
でも、僕たちキノスミカでは、その前に必ず確認することがあります。
それは、「その間取り、本当に暮らしやすくなりますか?」という視点です。
暮らしの“空気感”を整えずに、間取りを変えても快適にはならない
これまでたくさんの空き家を見てきましたが、
**「綺麗にリフォームされたのに、なんとなく居心地が悪い」**という声をよく聞きます。
たとえば──
- 部屋は広いのに、なんだか寒い
- 見た目はオシャレなのに、空気が重たい
- 家族といても落ち着かない
そんな状態になるのは、“空気の通り道”が設計されていないからです。
本当に大事なのは、「空間の器」としての家の構造
「空間の器」というと難しく感じるかもしれませんが、
つまりは**“空気や光がきちんと通る土台”**のことです。
壁や床、窓の位置、天井の高さ、隣の家との距離──
それらがうまくかみ合っていないと、どれだけオシャレにしても住みにくいまま。
だから、僕たちは最初に**空気と光の“通り道”**を確認します。
京都の空き家に多いうなぎの寝床間取り|そのままでは光も風も入りにくい
ここで、京都ならではの特徴が登場します。
京都の空き家には、「うなぎの寝床」間取りがとても多いです。
- 間口が狭くて、奥に長い
- 両側を建物に囲まれていて、窓が少ない
- リビングが家の中央や奥にあって、光が届きにくい
こういった構造は、そのままだと風も光も入りにくく、空気がこもってしまうんです。
でも、「整える設計」をすれば快適に変えられる
安心してください。
これは「うなぎの寝床はダメ」という話ではありません。
むしろ、設計の工夫次第で快適さを大きく変えることができる構造なんです。
たとえば──
- 家の中央に吹き抜けをつくって、上下に空気が動くようにする
- 内窓や中庭(ライトコート)を設けて、光の入るルートを増やす
- 廊下の代わりに“空気の道”としての共有空間を配置する
**「狭いのに、広く感じるリビング」**は、こうした空気と光の設計から生まれます。
間取りを考える前に、「暮らしのリズム」から発想しよう
間取りは変えられます。でも、暮らしの心地よさは後から付け足せません。
だから、設計前に次のような問いを立ててみてください。
- 朝、どの部屋に光が入るとうれしい?
- 家族が集まるリビングは、静かな場所?それとも開かれた空間?
- 季節によって、空気の通り方はどう変わる?
こうした問いの積み重ねが、「感じのいい家」=心と体が整う家をつくっていきます。
間取りは図面ではなく、「空気感」で考える
キッチンを対面にするか壁付けにするか──
それも大切なことですが、それよりもっと大事なのは、
「この部屋にいると、なんか気持ちがいい」
そんな空気感をどうつくるか。
その答えは、間取り図の中ではなく、「暮らしの想像」の中にあるんです。
空き家リノベーションの「相談先がわからない」人へ。順番と段取りの整え方
「空き家を直したいけど、誰に何を相談したらいいの?」
これは、僕たちがもっとも多く受ける質問のひとつです。住宅会社?不動産屋?銀行?役所?関係先が多すぎて、最初の相談先が見えないという状態になります。
特に「京都 空き家 リノベーション どこに相談」などの検索をされてくる方にとって、
この“順番のわからなさ”こそが、一歩目のハードルになっていると感じています。
京都の空き家リノベーションは“分業型”だからこそ、全体を見てくれる人が必要
新築なら営業・設計・工務が社内で連携していますが、
空き家リノベーションは**「誰が最初に全体を見てくれるか」が曖昧**です。
- 不動産:物件情報はくれるが、改修の可否はわからない
- 建築士:設計はしてくれるが、物件紹介はできない
- 工務店:施工はできるが、補助金申請は範囲外
- 金融機関:お金の相談はできるが、性能や設計の判断は不可
つまり、パズルのピースはあっても、“全体像を組み立ててくれる人”がいないのが現状なんです。
「まず何をすれば?」に答える3つのステップ
僕たちが実践している空き家再生の段取り術をご紹介します。
ポイントは、「誰かに頼む前に、自分で整える順番」を知っておくことです。
ステップ①|現地の空気と構造を一緒に見てくれるパートナーを探す
物件が決まっていなくてもOKです。
まずは「気になっている空き家」を一緒に見に行ける設計施工者に出会うこと。
ポイントは:
- 床下の湿気と換気の状態を見る(湿気がこもっていないか)
- 天井裏のにおいや通気性を確認(結露やカビの有無)
- 隣家との距離や窓の位置を確認(風や光の抜け道があるか)
この時点で、「住める空き家」か「壊して整える必要がある家」かの判断がつきます。
ステップ②|希望の暮らしを言語化してみる
「設計をお願いするには、まず要望を整理しないと」と思いがちですが、
**本当に大事なのは、「どんな暮らしにしたいか」の“感覚”**です。
- 朝日が入る部屋で目覚めたい
- リビングで家族とゆっくり過ごしたい
- 湿気やにおいに敏感だから、空気が澄んだ家にしたい
こうした“気持ち”からスタートしても、設計者は読み解けます。
「間取り」よりも、「感覚の言葉」をメモしておきましょう。
ステップ③|資金計画は「ざっくり」でOK。あとから調整可能
最初から細かい見積もりを求めなくても大丈夫。
空き家リノベは解体してから見えてくる課題が多いため、余白を持った資金設計が大切です。
目安としては:
- 最初の予算+10〜20%の変動を見込む
- 補助金や耐震・断熱支援はあとから申請できる場合が多い
- 融資相談は、設計方針が決まってからでスムーズに通る
つまり、「決めすぎずに進める」ことで、柔軟な対応ができるようになります。
「空き家リノベ、何から始めたらいいの?」に答えるのが設計者の役目
僕たちが届けたいのは、単なる設計図ではなく、
「暮らしの整え方そのもの」です。
- この家は、今どんな呼吸をしているのか
- この暮らしに必要な温度や湿度はどのくらいか
- このご家族にとって、どんな素材や音が心地いいか
それらを一緒に探すのが、僕たちの役割だと思っています。
「何から始めたらいいか迷っている方へ」──
まずは、話してみてください。
答えは“図面の外”にあることが多いからこそ、会話から設計が始まると信じています。
この記事はぜひお読みください↓
空き家再生は「快適さ」への再投資。暮らしやすさは“整える”ことでつくれる
「空き家って古いし、住みにくいんじゃない?」
そんなイメージを持っている人も多いかもしれません。
でも、実は**「整えることで、暮らしやすくできる」**のが空き家の良さでもあるんです。
僕たちが関わってきた空き家の中には、
**家族の暮らしにぴったり合った“呼吸する家”**に生まれ変わった事例がたくさんあります。
空き家は「不便なもの」じゃない。暮らしやすくする方法がある
たとえば——
・冬でも足元が冷えにくい床断熱
・湿気がこもらない換気計画
・無垢材の床に、素足で歩きたくなる快適さ
これらはすべて、「贅沢」ではなく、基本の暮らしやすさなんです。
「空き家 快適 リノベーション」と検索しても答えは出てこないかもしれません。
でも、実際に整えてみるとわかるんです。
**「あ、この家、こんなに気持ちよかったんだ」**って。
設計の仕事は「感じない不快」を先に消しておくこと
快適な空き家づくりで大切なのは、見た目よりも「感覚の整え方」です。
たとえばこんな声をもらったことがあります。
「床に寝ころぶのが気持ちよくて、犬もずっとそこにいるんです」
「キッチンから風が抜けていくから、料理中も気分がいい」
「朝、寒くない。それだけで一日がちょっといい感じになる」
どれも、高級設備ではなく、断熱・通気・素材の選び方を整えただけ。
家って、そこにいる時間の“感覚”で好きになるものだと思うんです。
京都の空き家を“暮らし直す”ための再投資という考え方
「空き家 リノベーション 費用」で調べていくと、
見た目を整えるための予算配分の話が多いですが、
僕たちが提案するのは「感覚の質に投資する」という考え方です。
足元が冷えないように断熱を整える
湿気がこもらないように風の道を設計する
空気がこもらずに家全体が呼吸できるようにする
これらは、派手じゃないけど、暮らしの「ベース」になる部分。
つまり、“今の住み心地を変えること”にお金を使うということです。
整えることは「自分の暮らしにぴったりな器をつくる」こと
空き家の魅力は、“好きに整えられる余白”があること。
家族構成に合わせた動線設計
湿気や音に合わせた素材選び
明るさや風通しを活かした間取りの再構成
これらを考えることは、
**「自分たちの暮らしにフィットする器を、じっくりつくる時間」**なんです。
「空き家 暮らしやすくする 方法」を探すなら、
まずは**“どんな空間が気持ちいいか”**を感じてみることから始めてみてください。
設計とは「暮らしやすさ」を整えるための道具
僕たちキノスミカの仕事は、豪華な家をつくることではありません。
「気持ちよく暮らせる空間」を、暮らす人と一緒に整えること。
それが、設計の本当の役割だと思っています。
空き家を再生するということは、
「建物を治す」のではなく、**「暮らしを深くする」**こと。
快適さに投資することは、自分たちの時間に投資することでもあるんです。
こちらの記事もよく読まれてます↓
「空き家どうしよう?」と思ったら。最初の一歩は“呼吸”を感じてみることから
「空き家に住んでみたいけど、何から始めたらいいかわからない」
「リノベって、なんだか大変そう」
「相談って、いきなり行ってもいいのかな?」
そんなふうに感じている方へ、僕たちからお伝えしたいのは──
**「最初の一歩は、空気を感じること」**です。
H2:空き家リノベーション、何から始めればいい?無料でできる“呼吸のチェック”
いきなり契約や設計の話をする必要はありません。
まずは、自分でできる“呼吸のチェック”から始めてみませんか?
たとえば…
- 家の中に入った瞬間、湿気やにおいを感じるか?
- 窓を開けたとき、風が抜けていく感覚があるか?
- 床や壁の冷たさを手で触ってみてどう感じるか?
これは、専門知識がなくてもできる、**「空き家 暮らしやすさ診断」**の第一歩です。
「京都 空き家 設計」で悩んだら、相談できる場所があります
キノスミカでは、「買う前の見極め相談」や「候補物件の同行見学」など、
まだ何も決まっていない段階の方のためのプログラムを用意しています。
「この家、壊さないで住める?」
「設計の前に見ておいてほしい」
そんな声にお応えできるよう、無料相談も行っています。
▶ 気になる空き家があれば、写真を送るだけでもOKです。
▶ 「図面がないけど大丈夫?」という場合でも一緒に確認します。
「どの選択肢が自分たちに合うか」を一緒に考えるのが設計者の仕事です
僕たちが大切にしているのは、「提案する」ことより「一緒に考える」こと。
- どの家が整えやすいか?
- 今すぐ動くべきか、待った方がいいか?
- どこに手を入れれば“心地よく”なるか?
これらは、暮らす人と一緒に探していく“対話のプロセス”だと考えています。
だからこそ、「まず話してみる」ことが、次の選択肢につながります。
まずは見積もりの基準を知りたい読んでみたい方へ
空き家を整えるのは、“自分たちの暮らしをつくっていく”ということ
最後に、僕たちからお伝えしたいのは…
空き家を整えるというのは、
**「古い家を直すこと」ではなく、「これからの暮らしに投資すること」**だということです。
寒さを減らす
湿気を逃す
光と風を通す
そんな、ささやかな“心地よさ”が、日々の暮らしに確かな安心をくれます。
あなたが感じる「この家、なんかいいな」という感覚。
それが、家づくりの最初のスタートラインなんです。
あなたの悩みを聞かせてください(しつこい営業メールなどは一切お送りしません)
ご相談・ご質問など、小さなことでも大丈夫です。
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