移住して暮らす京都の空き家|空気の余白と整える暮らし

はじめに|「空き家に住む」という選択肢は、思っているより“現実的”かもしれない

移住してみたい。京都に住んでみたい。
そんな思いを抱えている人は、想像以上に多いと思います。
だけど同時に、こうも思っていませんか?

  • 「移住って、憧れで終わりがちだよね」
  • 「実際、住める家なんてあるのかな?」
  • 「空き家って怖くない?カビとか、湿気とか…」

でも、そうした“なんとなくの不安”があるのは当然です。
情報が少ないし、物件の見極め方もわからない。
だからこそ、この記事では、移住という選択をリアルに、足元から整える視点をお伝えしたいと思います。


第1章|なぜ「京都の空き家」で移住する人が増えているのか?

数年前までは、「空き家」という言葉にネガティブな印象がついていました。
でも今、移住者の間では、むしろ**“自由度の高い家”として注目され始めている**んです。

■ 都市にはない“空気のゆとり”を求めて

都市の集合住宅では、窓を開けても隣のビル。
風は抜けず、視線は遮られ、空気は動かない。

でも京都郊外の空き家には、光と風と静けさがある。

  • 庭の草の匂いが、ふとした瞬間に漂ってくる
  • 雨音が心地よく聞こえるほどの静けさがある
  • 朝、鳥の声で目覚める

この“空気の余白”が、移住を決断させる大きなきっかけになっているのです。


第2章|「空き家=ボロボロ」は偏見。見方を変えれば整えられる家は多い

「空き家って、寒いしカビ臭いんでしょ?」

そんな声も多く聞きます。
たしかに中には、長年放置されて空気が淀み、建物としての性能を失ったものもあります。
でも、すべての空き家がそうではない

✔ たとえばこんな家が狙い目

  • 5〜10年程度の空き期間
  • 地元の方が定期的に風を通していた
  • 雨漏りや構造的な欠損がない
  • 窓の配置が良く、風が通りやすい

こうした家は、整えることで、再び“呼吸する家”として使えるんです。


第3章|移住して住む家は「性能より、空気」で選ぶ

新築や築浅物件と違って、空き家には性能のバラつきがあります。
でも、それを「古いからダメ」と切り捨ててしまうのは、少しもったいない。

僕たちが移住者に伝えているのは、
**“快適性は空気の設計で取り戻せる”**ということ。

■ 大切なのは空気の循環

  • 給気と排気をセットで考える換気設計
  • 壁内・床下の断熱再構築と通気層の見直し
  • 風が入って、出ていく道筋を設ける

そしてもう一つは、素材そのものが空気に働く設計

  • 杉の床が湿気を吸い、足元を温かくする
  • 漆喰の壁がにおいや湿気を調整する
  • 和紙が光と音をやわらかく包む

空気が整えば、「性能」では測れない心地よさが生まれる。
それが、空き家リノベの面白さでもあります。


第4章|“住める空き家”の見つけ方(はじめの一歩)

■ まず見るべき3つのポイント

  1. 床下と屋根裏を見る
     → 湿気がこもっていないか?換気が機能しているか?
  2. 窓の配置と外部環境を確認
     → 光が入るか?隣家との距離は?風は抜けるか?
  3. 近隣との距離感
     → “地域コミュニティの雰囲気”も、暮らしやすさの一部

■ できれば“空気を感じて”判断してほしい

内見のときには、必ず家の空気を感じてください。

  • 空気が重く感じないか
  • においがこもっていないか
  • 光がまっすぐ入っているか
  • 音が静かに抜けていくか

これらが整っていれば、その家は**“整える価値がある空き家”**です。


まとめ|移住に必要なのは「整えられる家」を見つける視点

移住は、理想を追いかけることでも、すべてを我慢することでもありません。
自分の暮らしを、ひとつひとつ整えていく選択だと思うんです。

京都には、壊さずに住める空き家がたくさんあります。
完璧じゃないけれど、整えがいがあって、
空気が動き、光が射し、素材が呼吸している家たち。

キノスミカは、そんな**“未完成の美しさを持った住まい”**を、
移住という人生の転機に合わせて提案していきたいと思っています。

▶ 移住って、もっと現実的に考えてもいいと思う。

京都の空き家には、“整えて暮らせる”余白がまだたくさん残っています。
住める家は、探すのではなく「整える視点」で見つけるんです。

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