京都の空き家って本当に安いの?──価格だけで判断しないために
「空き家って、安く買えるって聞いたんですけど…」 そう言って、相談に来られる方は少なくありません。
でも、こんな不安がつきまといます。
- 「あとからリノベにどれくらいかかるのか想像がつかない」
- 「安いけど、ほんとにちゃんと住めるのかな?」
- 「物件を買ったあとに後悔したくない」
僕もこれまで、そうした悩みを抱える方をたくさん見てきました。 そして思うのは、価格だけで「お得かどうか」は判断できないということです。
表面価格に隠れた“落とし穴”とは?
たとえば、「空き家 安く買う 方法」や「空き家 リノベーション 費用が不安」といった検索をされる方の多くは、 表面の価格に惹かれている一方で、将来への不安を抱えています。
たしかに、300万円以下で買える空き家も存在します。 でもそれが本当に「安く済む家」なのか? 実は大事なのは“整えやすさ”という視点なんです。
リノベ費用がかさむ代表的なケース
建物の状態によっては、リノベ費用が1500万円以上になることも。 つまり、買ったあとに多くのお金が必要になることもあるんです。
たとえば:
- 基礎のやり直し
- 屋根の全面交換
- 給排水の引き直し
- 断熱・気密のゼロスタート
こうした工事が重なると、新築並みにコストがかかります。
なぜそんなことになるのか? 空き家が安いのは、「状態が悪い」または「整えるのが難しい」から。
だからこそ、僕たちはこう伝えています。
安く買うことが目的じゃない。本当に安く済むかは、“整えやすさ”で決まる。
次章では、この「整えやすさ」とリノベ費用の関係を、具体的に解説していきます。
京都の空き家リノベーションは“壊す”より“整える”がカギ──コストに直結する判断とは?
空き家をリノベーションする際、多くの方がこう考えます。
「お金がかかるのは、設備や素材のグレードでしょ?」
でも実は、最も大きなコストを左右するのは、どこを壊して、どこを残すかという判断なんです。
これは僕たちキノスミカが大切にしている「整える設計」という考え方にもつながります。
壊す範囲が広がると、予算が跳ね上がる
たとえば、こんなケースがあります:
- 壁を取り払ったら構造補強が必要になった
- キッチンの位置を変えたら、配管工事と床の解体が必要に
- サッシを交換したら、外壁補修まで発生
つまり、**「壊す=費用増」**という構造があるんです。
「空き家 リノベーション 予算が不安」な方にこそ、この視点を持ってほしい。
“残せる部分”に注目すれば、整えやすさが見えてくる
僕たちが現地調査で重視するポイントは、
- 床下や屋根裏の状態が良好か?
- 間取り変更を最小限にできるか?
- 構造体が活かせるか?
- 空気や断熱をあとから整えられるか?
これらを踏まえて「整えやすい家」かどうかを見極めます。
壊すより“整えて残す”発想を
たとえば:
- 床板は剥がさず、上から無垢フローリングを直貼りする
- 押入れを余白として活かすことで収納も工事も減らす
- サッシはそのまま活かし、内窓だけ追加する
“壊さない”という選択が、家にもコストにもやさしいんです。
空き家を“整える”という視点で見ると、 費用だけでなく、家との関係性も変わっていくんです。
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京都の空き家リノベーションで見落としがちな費用とは?──補助金・税金・撤去費まで徹底解説
「空き家って、建物付きで土地だけの値段みたいなものですよね?」
こんな声を、京都でのリノベーション相談でもよく耳にします。 でも本当に考えるべきなのは、**“そのあとにかかる費用”**です。
空き家リノベーションにかかる“見えにくいコスト”一覧
京都の空き家リノベ費用は、工事費だけではありません。 実際には、以下のような見落としやすい支出が発生します:
- 固定資産税・不動産取得税
- 登記費用・仲介手数料
- 解体・撤去費(残置物や古設備)
- 耐震診断・住宅インスペクション費用
- 仮住まい・引越し・管理費
- 補助金申請サポート費・設計費用 など
これらの「空き家リノベーション 費用 内訳」が予算を大きく左右するため、 物件購入の時点から視野に入れておく必要があります。
補助金は“あとで戻るお金”|京都市の制度も例外ではない
「京都市の補助金を活用して、リノベ費用を抑えたい」 そう思う方も多いのですが、多くの補助金は「後払い」方式。
つまり、補助対象の工事を先に自費で実施し、実績報告後に還付される仕組みです。 申請には設計図書や報告書が必要で、ここにもコストがかかります。
「空き家 リノベーション 補助金 注意点」として、
- 現金が先に必要
- 対象工事の条件が細かい
- 手続きに専門家のサポートが必要 といった点は必ず理解しておくべきです。
「整える視点」で予算全体を最適化する
設備や素材を豪華にする前に考えたいのは、 空気・断熱・構造といった住まいの基本性能。
予算に限りがある京都の空き家リノベでは、 目に見えない「快適性の土台」こそが、投資すべき価値のある部分です。
「空き家リノベーション 費用がどこまで膨らむか心配」な方は、 こうした“見えにくいけれど重要なコスト”の存在を押さえた上で、 整える視点で家づくりの順番を考えてみてください。
京都の空き家リノベーションの費用配分どうする?──“削る”のではなく“整える”順番で考える
「空き家リノベーションの費用、どこから手をつければいいかわからない」
そうした声を、京都の設計相談でもよく耳にします。
結論から言えば、何を先に整えるかで費用の満足度は大きく変わります。
すべてを新しくする必要はありません
「古い家だから全部壊さないといけないんですよね?」 と聞かれることもありますが、答えはNOです。
空き家リノベでは、活かせる部分を“再編集”することが大切。 たとえば:
- 床下が健全なら、上から重ね張りで十分
- 壁は下地を残して仕上げだけ変更すれば1/3のコスト
- サッシも既存を残して内窓追加で断熱アップ
“全部やりかえる前提”を見直すことで、コストは大幅に変わります。
優先すべきは「見えない快適性」
限られた予算の中で、まず整えたいのは以下のような部分:
- 床下と天井の断熱
- 壁の気流止め
- 換気経路の確保
- 隙間風対策(気密)
こうした空気と温熱の設計が整えば、京都の空き家でも四季を通して快適に暮らせます。
設備や間取り変更は“必要に応じて”でいい
最新のキッチンやバス設備、間取りの大幅変更—— これらは費用を押し上げる要因です。
むしろ、 「住んでみて必要ならあとから手を加える」 という柔軟なスタンスの方が、長い目で見て無駄がありません。
空き家リノベでは、「整える」という選択肢こそが費用配分の正解です。
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空き家リノベーションと通気設計──素材より先に考える「空気の道」
空き家リノベーションの打ち合わせで、よく出るご要望がこちらです:
- 「杉の無垢フローリングを使いたい」
- 「漆喰の塗り壁にしたい」
- 「京都らしく、古材を再利用したい」
もちろん、どれも素敵な選択です。 でも、僕たちはいつもこうお伝えしています。
素材を活かす前に、空気の通り道を整えましょう。
湿気がこもると、自然素材が“傷む”現実
たとえば:
- 無垢フローリングが湿気で反り返る
- 漆喰が吸いきれず、カビが浮く
- 木製建具が膨張して開かなくなる
これはすべて、「空気が巡っていない」ことが原因です。
「京都 空き家 通気設計」や「自然素材 湿気対策」といった検索をされる方にこそ、 この“空気の道”の重要性を知ってほしいのです。
空気が流れる家は、素材が育つ家になる
空気がゆるやかに巡ると、家全体に湿度と温度が行き渡り、素材が呼吸しながら経年変化していきます。
- 杉の床が艶を増す
- 漆喰が表情を深める
- 木の建具が音まで柔らかくなる
これは「劣化」ではなく、「経年美化」なんです。
空気の通り道を整えるための設計視点
たとえば:
- 窓の配置で風の入口と出口をつくる
- 天井断熱+換気経路で上昇気流を活かす
- 吹き抜けやスリットで空気を“回す”ルートをつくる
こうした工夫は、京都の狭小空き家でも可能です。 大切なのは、素材の前に「空気」を設計するという順番。
整える視点こそ、空き家リノベーション成功のカギ──壊さず活かす「再編集」という選択
空き家リノベーションで後悔する多くの人は、こう口にします:
- 「素材は良かったけど、なんか住み心地が悪い」
- 「間取りはきれいなのに、湿気や寒さが気になる」
- 「設備にはお金をかけたのに、快適じゃない」
その理由は、“部分”だけを整え、“全体”を見ていなかったから。
「空き家 リノベーション 失敗したくない」という方にこそ、 僕たちが大切にしている「整える」という視点を届けたいと思っています。
スペックではなく、“土台”が暮らしの質を決める
高性能なキッチンや豪華な素材も、空気が澱んでいれば意味がありません。 逆に、目に見えない断熱や気密、空気の通り道が整えば、 シンプルな空間でも、居心地の良さは何倍にもなります。
「京都 空き家 リノベーション 快適に暮らす方法」を探す方には、 まず“整える土台”を考えていただきたいのです。
整えるとは、壊して新しくすることではない
たとえば:
- 床を剥がさず、上から重ね張りする
- 古い棚をそのまま再利用する
- 既存の壁に塗装や紙クロスで再編集する
壊すことが正解ではありません。 整えるとは、**「既存の良さに新しい価値を与えること」**です。
空き家を“再編集”すると、コストも心も軽くなる
京都のように歴史的建物や狭小敷地が多い地域では、 “壊してつくる”より“読み直して整える”ほうが、 コストにも素材にも優しい選択になります。
実際に僕たちの空き家リノベでも、
- 構造や素材を残したことで費用を圧縮できた
- 空気や断熱を整えるだけで快適さが大きく改善された という事例はたくさんあります。
整えるという考え方が、これからの空き家活用を変えていく
空き家の価値は、築年数でも立地でもなく、 「整えやすさ」という見えない資産にあります。
その家が持つ骨格や空気感を読み取り、 それを活かして再編集していく。
それが、僕たちキノスミカが目指す空き家リノベーションの形です。
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