無垢材って、やっぱり高いよね?
お客さんと話していると、こんな言葉をよく聞きます。
「無垢材っていいけど、やっぱり高いですよね?」
正直、僕も昔はそう思っていました。
合板フローリングなら安価で施工もラク。傷もつきにくいし、メンテも楽。
でも僕は今、迷わず無垢材を選びます。
それは、ただ「木が好き」だからじゃない。暮らしが変わる体験をしてきたからです。
今日は、無垢材がなぜ高いのか、その理由と、それでも僕が選び続ける理由をお話しします。
なぜ無垢材は高いのか?
一言でいえば、「手間と時間がかかるから」です。
でも、その中身を知らないまま“高いからやめておこう”と判断するのは、もったいない。
◉ 加工に手間がかかる
無垢材は自然なままの木。反りやねじれを見越して乾燥させ、一本一本丁寧に削り出す必要があります。
製材所で働いていた頃、季節によって乾燥の仕方を変えていたことを思い出します。
◉ 資源のロスが出やすい
節が多すぎたり、割れが出たりすれば使えない。
つまり、1枚の板から取れる「歩留まり」が悪く、材料コストがかかるのです。
◉ 職人の技術が求められる
無垢材は施工の際に動くこともあるので、知識と経験のある職人さんでないと扱いにくい。
だから工事費が高くなるのも当然の話なんです。
それでも僕が、無垢材を選ぶ理由
僕が無垢材にこだわるのは、「素材が空間の質を決める」と本気で信じているからです。
自宅に杉のフローリングを張ったとき、冬でも裸足で過ごせるあたたかさに驚きました。
夏には足裏にほんのり吸い付くようなやわらかさ。
そして何より、“木の匂い”が心を落ち着けてくれる。
お客さまからも、「家に帰って深呼吸したくなるんです」という声を何度もいただきました。
これは数字では測れない“暮らしの質”そのものだと思っています。
無垢材の“本当の価値”は、価格じゃなく時間の中にある
キズもつくし、手入れも必要。
でもそのぶん、**暮らしの中で「育っていく素材」**なんです。
子どもがつけたキズに家族の記憶が宿り、日焼けが暮らしのリズムを語ってくれる。
僕はそんな家が好きです。
そして、誰かの暮らしが“深呼吸したくなる空間”になるなら、無垢材はそれだけの価値があると思っています。
無垢材選びで失敗しないために知っておくべきこと
無垢材は“憧れ”だけで選ぶと、後悔することもあります。
だからこそ、以下の3点を押さえておいてください。
- 適材適所:床には柔らかすぎない材、壁には調湿性の高い素材を
- メンテナンスの理解:オイル仕上げや無塗装の特徴を知る
- 断熱・気密とのセットで考える:性能が低いと無垢材の良さが半減する
このあたりは僕の著書やPDF特典でも詳しく解説しています。
まとめ:高いかどうかは、暮らしの質で決めていい
無垢材はたしかに高い。
でもそれは、「価格」ではなく「質」に投資するということ。
毎日を過ごす場所が、ただの床材じゃなくて、呼吸できる居場所になるなら。
その価値は、時間が経つほどじわじわと実感できるはずです。
僕が設計する家は、素材も性能も空気も“呼吸できる設計”で整えています。
無垢材も、そのひとつの大切な要素なんです。
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【この記事を書いた人】
青川剛気|キノスミカ代表建築士
元製材職人。今は「自然素材×性能×空気」を軸に、
50代からの“暮らしの質”を整える家づくりを提案中。
Instagramでも毎日発信中 → @kinosumika