「無垢材の床っていいですよね」「やっぱり天然素材が理想です」
最近、家づくりやリノベーションの相談でよく聞く言葉です。
でも僕は、そうした“憧れ”の前に、必ず伝えていることがあります。
それは、無垢材は完璧ではないということ。
現実①|反り・割れ・伸縮は当たり前
無垢材は生きています。季節によって水分を吸ったり吐いたりしながら、微妙に形を変えます。
その結果、床が反る・すき間ができる・ひびが入ることも珍しくありません。
でもこれは、素材のせいではなく、自然のままの木だからこそ起きる反応。
つまり、「欠点」ではなく「性質」なんです。
現実②|メンテナンスは必須
無垢材の床は、素足で気持ちよく過ごせます。
でも、ウレタン仕上げのフローリングと違って、傷も染みもつきやすい。
年に1度はオイルでのお手入れが理想。
でもその手間があるからこそ、素材と暮らす実感があると僕は思っています。
現実③|人によってはアレルゲンになる可能性も
意外に知られていないのが、無垢材の“香り”や成分で体調を崩す人もいるということ。
たとえばスギやヒノキの芳香成分「フィトンチッド」は、多くの人にリラックス効果をもたらしますが、
ごく一部の人にはアレルギーや頭痛を引き起こすことも。
素材が自然だからといって、誰にでも合うとは限らない。
この事実は、リノベーションで素材選びをする上でとても大切なんです。
それでも、無垢材をすすめたい理由
こうして現実を並べると、「やっぱりやめたほうがいいのかな…」と思われるかもしれません。
でも僕は、無垢材ほど“感覚に訴える素材”はないと思っています。
足裏で感じるやわらかさ、香り、光の反射。
身体が反応して、“この空間は気持ちいい”と感じる素材なんです。
リノベーションでも、木と共に暮らす
キノスミカは、リノベーションでも積極的に無垢材を使います。
それは、古い家でも、「深呼吸したくなる家」はつくれると知っているから。
ただカッコよく仕上げるだけじゃなく、住む人の五感に寄り添った空間をつくる。
それが、木を愛する僕の設計の根っこにあります。
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