「家にいるだけで、心が整うような感覚」
そんな暮らしがあるとしたら、あなたはそれを選びたいと思いますか?
僕はずっと、家とは“暮らしの容器”だと考えてきました。
豪華な設備や立派なデザインよりも、その人が自然体で過ごせる空間こそが、本当に価値のある家だと思うんです。
そしてそれは、家をつくる設計者の仕事だけではなく、住まう人自身が「整える暮らし方」を選ぶことでも実現できる。
今回は、僕自身が大切にしている「深呼吸したくなる暮らしの整え方」についてお話しします。
1|暮らしの中に“呼吸の余白”をつくる
忙しい毎日の中で、僕たちはつい、空間も時間も「隙間なく詰め込む」ことが正しいような感覚になってしまいがちです。
でも、本当に気持ちのいい暮らしって、ちょっとした「余白」があるものなんですよね。
たとえば、
- ダイニングに余計なものを置かない
- 窓辺にグリーンをひとつ置くだけにする
- 照明を間接照明にして夜はゆるやかに過ごす
こうした“小さな余白”が、暮らしに呼吸のリズムを取り戻してくれる。
家の空気が整えば、心の呼吸も整っていきます。
2|自然素材は“空気感”を整えてくれる
僕たちのリノベでは、杉や桧の無垢材、珪藻土の壁などをよく使います。
それは「自然素材だから体にいい」というだけではありません。
素材の力が、空気の質を変えてくれるからです。
例えば、珪藻土の壁は湿気を吸って吐き、匂いもやわらげてくれる。
杉の床は、触れた瞬間に柔らかく、温かい。
こうした感覚が、家にいる時間を“整える時間”に変えてくれるんです。
3|“意識しない換気”が空気を変える
住まいの快適さを決めるもののひとつが「空気の質」。
これは多くの人が見落としがちな視点です。
24時間換気はついているから大丈夫──
そう思っていても、実際には給気口が家具でふさがれていたり、計画的な排気されておらず空気がよどんでいたりします。
空気の質を保つには、意識せずとも整う「空気の設計」が大切なんです。
僕たちがリノベでこだわるのは、
- 空気が“流れる”間取り
- 湿気がこもらない断熱と気密
- 風の入口と出口をきちんと整える
暮らしの中で意識せずとも、「なんかこの家、気持ちいいな」と思ってもらえる空間。
それが“深呼吸したくなる家”の本質です。
4|暮らしのリズムは「整える習慣」から
住まいを整えても、暮らしが雑然としていては、本当の意味で深呼吸はできません。
だから僕自身、日々の生活の中で意識していることがあります。
たとえば、
- 朝起きたら、窓を開けて深呼吸する
- 1日1回、家のどこかを整える(玄関・机・窓辺など)
- 夜、照明を落として静かな時間をつくる
こうしたリズムが、“整った家”を“整った暮らし”へと導いてくれる。
暮らしとは、建築と意識の交差点にあるものなんだとおもいます。
5|「足す」よりも「引く」暮らし
モノが増え、情報が増え、選択肢があふれる今。
何かを“足す”ことで満たそうとするのではなく、何を“引く”かを考えることが、実は豊かさにつながります。
必要最低限で暮らす、という意味ではなく、
自分が何に囲まれていたいのかを見極めて、それ以外を手放す勇気を持つということ。
木の床に座って、お茶を飲む。
外の音を感じながら、ゆっくりと深呼吸する。
それだけで、心は驚くほど整っていく。
6|「暮らしの質」を整えるという発想
僕たちは、つい「家を整えること」がゴールだと思いがちです。
でも本当のゴールは、そこでどんな暮らしをするかにある。
照明の色、空気の質、音の響き、手触り、匂い。
そういった五感が整ったとき、初めて暮らしの“質”が整う。
だから、僕は家づくりの現場でもこう伝えています。
「家は“建てるもの”ではなく、“整えるもの”なんです」
7|Kindle出版で伝えたかったこと
今回、僕は「深呼吸したくなる家は、暮らしをどう変えるのか」というタイトルでKindle本を出しました。
そこには、家を建てること、リノベすること、素材を選ぶこと、そして“暮らしを整えること”について、僕の考えを詰め込みました。
家づくりは人生に一度あるかないかの大きな選択です。
でも、それを“住まい”だけで終わらせず、“暮らし”につなげることができたら。
それが、僕がこの仕事を続けている理由であり、
深呼吸したくなる暮らしを届けたいと思う原動力です。
最後に|あなたの暮らしに、整った空気を
モノでも、設備でもなく。
たったひとつ「空気が気持ちいい」と感じるだけで、
暮らしはこんなにも変わるんだと、何度も現場で体感してきました。
だから僕は、これからも「空気から整える暮らし」を伝えていきます。
それは、誰にでもできる。今からでもできる。
大きなリノベーションじゃなくても、小さな整えから始められる。
今日、窓を開けて深呼吸してみてください。
そこから、あなたの「整える暮らし」が始まるかもしれません。
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