ちょっとした暮らしの工夫

ごめんなさい。無垢のフローリングだけでは冬に素足で歩けません。

  1. 冬の朝、フローリングが冷たすぎて — 誰もが感じる足元の冷え
    1. 憧れが先に走る、無垢フローリング
    2. 床暖房がなくても大丈夫?の落とし穴
    3. 「素材だけ」で解決しないのが現実
    4. 冬の足元の不快感を変えるために
  2. 無垢フローリングだけでは暖かさは叶わない理由
    1. 熱を伝えにくいだけで、冷気を止めるわけではない
    2. 床下の断熱と気密が甘い家のリアル
    3. 無垢材だけでは「体感温度」は上がらない
    4. 「無垢フローリング=暖かい」は条件付きの真実
    5. どこにコストをかけるべきか
  3. 暖かい無垢の床をつくる3つの条件
    1. 床下まで含めた高断熱が基本
    2. 隙間を徹底的に塞ぐ高気密
    3. 太陽熱を取り込むパッシブデザイン
    4. 3つ揃って初めて、無垢フローリングの価値が生きる
  4. 後悔しない無垢フローリングの選び方と家づくりの進め方
    1. 1️⃣ 素材選びだけに囚われない
    2. 2️⃣ 床下断熱の施工精度が命
    3. 3️⃣ 気密施工と換気計画をセットに考える
    4. 4️⃣ 無垢材と相性のいい塗装・仕上げを選ぶ
    5. 5️⃣ 設計と施工のバランスを信頼できるプロに任せる
  5. 素足で過ごせる家が教えてくれる「守られている安心感」
    1. 足元が冷えないと、暮らしは変わる
    2. 子どもが裸足で走り回る幸せ
    3. 「家に守られている」という感覚
    4. 無垢フローリングだからこそ得られる“触れる心地よさ”
    5. それは「暮らしやすさ」以上の価値
  6. 無垢フローリングを後悔なく選ぶために、まずやるべきこと
    1. 憧れだけで決めない
  7. まずやるべき3つのステップ
    1. 無垢フローリングは「高性能でパッシブデザインなエコハウス」でこそ輝く
  8. 迷ったら、まず僕に相談してください。全国対応です。
  9. まとめ|後悔しない一歩を踏み出そう

冬の朝、フローリングが冷たすぎて — 誰もが感じる足元の冷え

冬の朝、目を覚まして最初の一歩を踏み出すとき、
「フローリングが冷たすぎて素足で立てない」という経験、
誰にでもあるのではないでしょうか。

暖房で部屋の空気は温められていても、
床だけは別世界のように冷たい。
せっかく無垢材を選んだのに、思っていたより冷たさが残る。
これが、多くの人が感じる「無垢フローリングの誤解」です。

憧れが先に走る、無垢フローリング

自然素材の床に憧れて、
合板ではなく無垢のフローリングを選ぶ人は少なくありません。

  • 木目の美しさ
  • 素足に触れたときの優しい感触
  • 合板にはない自然な温もり

確かにこれらは、無垢材だけが持つ魅力です。
ですが、その温もりが“冬でも暖かい床”を保証してくれるわけではないことを、
多くの人は選んだ後に知ります。

床暖房がなくても大丈夫?の落とし穴

「無垢フローリングは冷たくないから、床暖房なしでも快適」
こう信じている人も多いです。

実際、無垢材はタイルや合板よりも熱を伝えにくいので、
触れた瞬間の冷たさは確かに感じにくい。
けれど、それだけで床下からの冷気が止まるわけではありません。

断熱や気密のない家では、
せっかくの無垢フローリングも、
床下からの冷たい空気を遮れずに、じわじわと足元に冷えが伝わります。

「素材だけ」で解決しないのが現実

僕がこれまで見てきた家でも、
無垢材を使ったのに「結局スリッパ必須」という暮らしは珍しくありません。

原因はただ一つ、
素材だけで暖かさは作れないという現実です。

床下の断熱が甘い
家全体の気密が低い
太陽の熱を取り込めない設計

このどれか一つでも欠ければ、
無垢材の良さは半分も発揮されません。

冬の足元の不快感を変えるために

無垢のフローリングに憧れるのは、とても素敵なことです。
でも、素材選びの前に大切なのは、
「どんな家の性能なら、この床が本当に活きるのか」を知ること。

冷たいフローリングに毎冬悩まされないために、
次の章では、無垢材だけでは暖かくならない理由を、
もっと具体的に整理します。

無垢フローリングだけでは暖かさは叶わない理由

無垢フローリングは「冷たくない床材」として人気です。
確かに、タイルや石の床に比べれば、無垢材は触った瞬間の冷たさを和らげてくれます。

でもそれは、木の性質で“熱を伝えにくい”からであって、
床自体が「暖かい」わけではありません。

熱を伝えにくいだけで、冷気を止めるわけではない

杉やヒノキなどの無垢材は、熱伝導率が低いため、
裸足で触れた瞬間のヒヤッと感は確かに少ないです。

しかし、冷たい空気そのものを止める力はありません。
つまり、家の断熱性能や気密性能が低いままだと、
床下からの冷気は無垢フローリングをすり抜けて、じわじわ足元に冷えを届ける
ということです。

床下の断熱と気密が甘い家のリアル

例えば、築年数が古い家や、性能設計が弱いリフォーム住宅では、

  • 床下に断熱材が入っていない
  • 断熱材が入っていても厚みが足りない
  • 気密処理がされていないため、隙間風が入る

こうした状態では、どんなに高価な無垢フローリングを張っても、
冬の朝に「裸足で気持ちいい」という暮らしは実現できません。

無垢材だけでは「体感温度」は上がらない

家の快適さは「室温」だけでなく、
壁・床・窓の表面温度と、空気の流れが大きく関わっています。

床下からの冷気が断熱不足で床に伝わり、
隙間風が気密不足で足元を冷やす。

さらに、設計の工夫がなく太陽の熱を取り込めないと、
昼間に蓄えた熱が夕方には逃げてしまい、結局寒さが戻ります。

「無垢フローリング=暖かい」は条件付きの真実

だからこそ、僕は伝えたいのです。

無垢フローリングは素晴らしい素材だけど、
家の断熱・気密・設計が整って初めて“暖かい床”として機能する
ということを。

無垢材を入れただけでは快適にならない。
これは、憧れと現実の大きなギャップです。

どこにコストをかけるべきか

無垢材を選ぶ前に、本当に考えるべきは、

  • 床下断熱をどう施工するか
  • 家全体の気密をどう確保するか
  • 日射熱を取り込んで活かす設計ができているか

ここにコストをかけずに、
「無垢材だから暖かいはず」と期待すると、後悔しやすいのが現実です。

次の章では、無垢フローリングを本当に暖かく活かすために必要な、
3つの条件を具体的に整理していきます。

素材選びだけでなく、
家の性能をどう組み合わせるかを一緒に考えてみてください。

僕のおすすめ記事

無垢のフローリングは本当に素敵な素材です。僕が家を設計する場合無条件でまずは提示します。もちろんその家に住むご家族にとって合わな場合もあります。ですが僕もアタックする方なので・・・。
この記事でも書いてますが、高性能な家こそが本当の意味で自然素材の家にふさわしいいんだと僕は考えています。
この記事では少し辛口なことで自然素材の家について記事を書いてます。
時間があるなら読んでみて欲しい記事ベストNO1

暖かい無垢の床をつくる3つの条件

無垢フローリングを選ぶなら、
「素材の魅力を活かせる家」にすることが一番大切です。

寒い家で無垢材を入れても、暖かいどころか
お手入れの手間だけが残って後悔するケースも少なくありません。

じゃあ、暖かい無垢の床にするために必要なものは何か?

僕が現場で絶対に外さない3つの条件をお伝えします。

床下まで含めた高断熱が基本

まず最優先は断熱性能です。
いくら良い無垢材を張っても、
床下に冷たい空気が滞っていれば、
素材の表面温度は下がり、足元が冷たくなります。

  • 床下全面に適切な厚みの断熱材を入れる
  • 土間や基礎断熱を検討する場合も多い
  • 壁・天井の断熱も全体で計画する

ポイントは「床だけ」ではなく、家全体を断熱としてつなぐこと。
床下断熱が弱いと、せっかくの無垢材が冷気に負けてしまいます。

隙間を徹底的に塞ぐ高気密

どれだけ断熱しても、家のあちこちに小さな隙間があれば、
冬はそこから冷たい外気が入り込みます。

足元の冷えの正体の多くは、隙間風です。

高気密住宅というと、なんだか息苦しそう…と思うかもしれませんが、
実は逆です。
計画的に換気できるからこそ、空気が淀まず、
ムラのない暖かさを保てるのです。

無垢フローリングの快適さを感じるには、
「断熱」と「気密」は必ずセットです。

太陽熱を取り込むパッシブデザイン

寒い時期でも、京都の冬の日差しは力強いです。
これをうまく取り込んで、
日中に床に蓄熱させるのがパッシブデザインの基本です。

  • 南向きの窓を大きめに計画する
  • 軒や庇で夏の日差しは遮る
  • 日射熱が床に届くよう、間取りや窓配置を工夫する

無垢材は蓄熱するための細胞の隙間を持っています。

太陽熱を上手く室内に取り込むことができれば、無垢のフローリングが自然に熱を溜め込みます。
そのおかげで暖房に頼らなくても、夜までほんのり暖かさが残ります。

3つ揃って初めて、無垢フローリングの価値が生きる

無垢材そのものが暖かいのではなく、

✅ 断熱で冷気を遮り
✅ 気密で隙間風を止め
✅ パッシブデザインで熱をためる

この3つが揃って初めて、
「無垢材ってやっぱりいいな」と素足で実感できる床になります。

次の章では、
具体的にどんな無垢材を選び、
どこに気をつけて設計を進めれば失敗しないか。

後悔しない無垢フローリングの選び方と家づくりの進め方
を、わかりやすく整理してお伝えします。

後悔しない無垢フローリングの選び方と家づくりの進め方

無垢フローリングを選んだのに、
「冬に冷たい」「手入れが面倒だった」と後悔する人は意外と多いです。

せっかく自然素材の良さを取り入れるなら、
失敗しない選び方と家づくりの進め方を知っておきましょう。

1️⃣ 素材選びだけに囚われない

無垢フローリングは杉、ヒノキ、オーク、ウォールナット…
種類も多く、見た目も風合いも様々です。

ただ、最も大事なのは「どの木を選ぶか」よりも、
家の断熱と気密がその木の良さを引き出せる状態かです。

選ぶ前に、まずは床下や外壁の断熱計画を確認する。
ここを飛ばして憧れだけで決めると、冷たい床に悩まされます。

2️⃣ 床下断熱の施工精度が命

無垢材の温もりを感じられる家は、
例外なく床下断熱の施工がしっかりしています。

  • 断熱材の種類だけでなく、厚みと敷き詰め方
  • 床下の隙間をどれだけ丁寧に埋めているか
  • 断熱材がずれないよう固定できているか

特に築年数のある家をリノベーションする場合、
古い床下を一度すべて点検し、必要なら基礎から見直すこともあります。

また、窓からの冷気の侵入は想像している以上に足元を冷やすことにつながります。(コールドドラフト)
窓の断熱も考えることも重要なポイントとなります。

3️⃣ 気密施工と換気計画をセットに考える

高断熱だけでなく、高気密があってこそ
「冷たい隙間風」を止められます。

さらに気密が高い家は、計画換気が正しく機能するので、
湿気もたまりにくく、無垢材が傷みにくい環境をつくれます。

「高気密住宅にすると息苦しいのでは?」
と不安に思う方もいますが、実際は逆です。

計画換気がきちんと働くので、空気は澄み、温度ムラも抑えられます。

4️⃣ 無垢材と相性のいい塗装・仕上げを選ぶ

無垢フローリングの質感を損なわないためには、
表面仕上げの塗料やワックスにもこだわりが必要です。

  • 自然系オイル仕上げで木の呼吸を妨げない
  • 定期的なメンテナンスがしやすいものを選ぶ

塗装を選ぶときは、色味だけでなく、
「汚れの落としやすさ」と「再塗装のしやすさ」を必ず確認しましょう。

5️⃣ 設計と施工のバランスを信頼できるプロに任せる

無垢材は、貼ればそれで終わりではなく、
家全体の性能とデザインを調整できるプロの存在が不可欠です。

素材、断熱、気密、パッシブ設計。
これらを一体で考えられる設計者と施工チームを選ぶことが、
後悔しない家づくりへの一番の近道です。

次の章では、性能も素材も整った家での
「素足の暮らし」がくれる安心感と心地よさを、
実際の暮らしのイメージと一緒にお伝えします。

素足で過ごせる家が教えてくれる「守られている安心感」

無垢フローリングを敷いて、
高断熱・高気密、そしてパッシブデザインが整った家で暮らすと、
一番最初に感じる変化は「素足でも寒くない」という小さな驚きです。

足元が冷えないと、暮らしは変わる

多くの人が、冬の家で一番ストレスを感じるのが、
足元の冷たさです。

部屋の空気がいくら暖かくても、
床が冷たいと体感は一気に下がる。
だからこそ、無垢材の温もりを活かせる家は、
足元の冷えから解放される暮らしをつくってくれます。

顔だけが火照るなんてことが起きないことが一番大切なんです。

子どもが裸足で走り回る幸せ

僕が手がけた家の中にも、
無垢フローリングの上を、冬でも子どもが裸足で走り回るお家があります。

親御さんは最初、
「床暖房がない家なんて無理じゃない?」
と半信半疑でした。

でも、床下断熱を丁寧に整え、隙間風を無くし、
太陽の熱を室内に蓄えて活かす設計をすれば、
家そのものが“暖かい床”になります。

「家に守られている」という感覚

素足で心地いい家は、
ただ床が冷たくないだけではありません。

外の冷たい空気や急な気温差に負けない。
隙間風がないから、冬でも耳や首筋が冷えない。

家がしっかりと外の環境を遮り、
中の暖かさを逃さない。
この安心感こそ、無垢フローリングの魅力を支える本当の土台です。

無垢フローリングだからこそ得られる“触れる心地よさ”

もちろん、足元の温度だけなら、
合板フローリングでも、床暖房でも同じように暖かくできます。

でも、無垢材の魅力は、
素足で触れたときの柔らかさ、木の香り、経年変化の美しさ。

これらは人工素材には出せない心地よさです。

だからこそ、性能で下支えされた無垢材の床は、
暮らしを支える「安心」と、
暮らしを豊かにする「ぬくもり」の両方を与えてくれます。

それは「暮らしやすさ」以上の価値

寒いから靴下を履いて、スリッパを履いて…
そんな一手間がいらない暮らしは、
毎日のストレスを減らしてくれます。

子どもが床に寝転んでも、床が冷たくない。
そんな小さな安心の積み重ねが、
家にいる時間をもっと心地よくしてくれるんだと僕はおもいます。

次の章では、これまでのポイントを整理しつつ、
後悔しない無垢フローリング選びのための具体的な行動
についてお話しします。

無垢フローリングを後悔なく選ぶために、まずやるべきこと

無垢フローリングは、
ただ「木の床が好きだから」という理由だけで選ぶと、
冬の寒さやメンテナンスの手間に悩まされる素材でもあります。

でも、正しい選び方と家の整え方を知っておけば、
無垢材の良さを何倍にも引き出せるのが本当の姿です。

憧れだけで決めない

一番多い失敗は、
無垢フローリングを「暖かい床材」と信じ切って、
断熱や気密、設計をおざなりにすることです。

素材だけで暖かくなるわけではない。

これは僕が現場で何度も見てきた、
無垢フローリングのリアルです。

まずやるべき3つのステップ

① 家の性能を知る

  • 床下断熱の厚み
  • 壁や天井の断熱材
  • 家の隙間がどれくらいあるか

これをプロと一緒に確認するだけで、
無垢材が合う家かどうかがわかります。

② 設計をパッシブデザインの視点で見直す

せっかくの無垢フローリングなら、
太陽の熱を床に蓄熱させる設計にする。

南の窓の位置、庇の出し方、
間取りの抜け感など、
小さな工夫で床の冷えは大きく変わります。

③ 無垢材の種類・仕上げ・メンテナンスを整理する

無垢材と言っても、
杉とオークでは柔らかさも熱の伝わり方も違います。

表面仕上げも、自然オイル、ウレタン、ワックスなどで
手入れのしやすさは変わります。

後で後悔しないためには、
「自分にとっての手間の許容範囲」を最初に決めておくのが正解です。

無垢フローリングは「高性能でパッシブデザインなエコハウス」でこそ輝く

高断熱・高気密、
自然光を活かすパッシブデザイン、
そして計画的な換気。

これらがそろった家に無垢材を敷くと、
「素足で暮らせる心地よさ」は単なる理想ではなく、
当たり前になります。

迷ったら、まず僕に相談してください。全国対応です。

素材やカタログだけを見て選ぶ前に、
無垢フローリングに適した家の状態を知ることが大切です。

今の家を直すべきか、
新築ならどこにお金をかけるべきか。
自分たちの暮らし方に合わせた提案を、僕に聞いてください。

まとめ|後悔しない一歩を踏み出そう

無垢フローリングは、
暮らしに温もりをくれる素敵な素材です。

だからこそ、
「選んでよかった」と思える環境を迎えてください。

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