空き家を活かす自然素材リノベという選択

中古リノベ

今、日本の空き家は約900万戸を超えました(※総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査より)。

実に全住宅の14%以上が空き家という異常な状況です。

このまま空き家が増え続ければ、地域の安全や景観、経済にも大きな影響を及ぼすことは明らか。

でも、僕はこの現状を、ただの“社会問題”としては見ていません。

空き家こそ、僕たちが提案する「深呼吸したくなる家づくり」の舞台になり得る──そう考えています。

空き家が「選ばれる家」に変わる条件

空き家の多くは、建築から30年以上が経過し、断熱性能や耐震性が現代基準を大きく下回っています。

また、素材も合板やビニールクロスなどが多用されており、室内空気の質も良いとは言えません

それでも、構造体がしっかりしていれば、「再生」は十分に可能です。

実際に僕たちは、以下の3つを徹底することで、空き家を「選ばれる家」へと変えてきました:

  • 1. 断熱と気密の再設計:築古でもHEAT20 G2レベルを目指す断熱改修
  • 2. 自然素材による内装刷新:杉・桧・珪藻土などを活用し、空気の質を改善
  • 3. 空気の流れと光の設計:閉塞的な間取りを再構成し、空間にリズムを与える

この3つがそろえば、築年数に関係なく、人が呼吸したくなるような“整った空間”が生まれます

事例紹介:京都市・築45年の空き家

古くから残る町家を改修したこの事例。

冬は底冷え、夏は蒸し暑く、湿気も多かったこの家を、杉の床・桧の天井・珪藻土の壁で包み、

断熱性能をG2相当まで引き上げ、気密性能もC値1.0以下に調整。

施主であるOさんはこう話してくれました。

「最初にこの家を見たとき、正直“廃墟かな”と思ったんです。でも空気が変わるだけで、ここまで気持ちよくなるんだって驚きました」

このように、空き家には“見た目以上の可能性”が眠っています。

空き家リノベが地域を変える

空き家が点在している地域では、人の流れも空気の流れも滞っています。

でも、ひとつでも空き家が魅力ある暮らしの場として蘇ると、周囲の空気が変わっていきます。

・地域住民の関心が高まる ・周辺の空き家も活用の相談が入る ・移住や子育て世帯の受け皿になる

つまり、空き家の再生は“個人の選択”であると同時に“地域再生”の第一歩でもあるのです。

なぜ自然素材なのか?

ここでよく聞かれるのが「なぜ自然素材にこだわるんですか?」という質問。

それは、僕たちがつくりたいのが“整った暮らし”だからです。

合板や化学建材では、いくら断熱しても室内の空気が重たくなります。

それに対し、杉や桧、珪藻土などの素材は、

  • 湿気を吸って吐く
  • 匂いをやわらげる
  • 手触りや視覚で“あたたかみ”を伝える

人間の五感に寄り添う素材だからこそ、心まで整う空間になる。

これが、僕たちが自然素材リノベにこだわる理由です。

空き家対策の補助金と制度(2025年現在)

空き家活用は国や自治体も注力しており、2025年現在、以下のような制度が整備されています:

  • 長期優良住宅化リフォーム推進事業:最大250万円の補助(性能向上が要件)
  • 地域型住宅グリーン化事業:中小工務店による自然素材リノベにも対応
  • 空き家再生支援制度(市町村独自):解体・改修・取得費用に助成

こうした制度をうまく活用すれば、費用負担を抑えて、高性能なリノベが可能です。

実際に僕たちのプロジェクトでも、補助金を活用して “見た目だけでなく、性能も整った再生住宅”を実現してきました。

空き家は、可能性の塊

使われなくなった家。

でも、人が集まり、息をし、光が入り、笑い声が聞こえるようになったとき、家はもう“空き家”ではなくなります。

それは、建て替えでは生まれない“場の記憶”や“素材の味わい”がそのまま引き継がれること。

僕は、それこそが空き家リノベの最大の価値だと思っています。

最後に|「選ぶ勇気」が未来の街をつくる

新築のピカピカした家もいい。

でも、誰かが手放した家に、新しい命を吹き込むことには、何とも言えないあたたかさがあります。

自然素材を使い、空気を整え、断熱と暮らしを再設計する。

それが、僕たちが届けたい“深呼吸したくなる家”という選択肢です。

「空き家を買うなんて勇気がいる」

その通り。でも、その一歩が、

あなた自身の暮らしを整えるだけでなく、街の未来にもつながると、僕は信じています。

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